Entered: [1997.12.26] Updated: [1997.12.29] E-会報 No. 40(1997年 12月)
第8回 分子生物学交流会

5.Genetic Marker Technology としての AFLP の可能性
(株)パーキンエルマージャパン、アプライドバイオシステムズ事業部ニュービジネス
浅田 真二


 AFLP は Keygene 社(オランダ)によって開発されたサンプル DNA の制限酵素断片を選択的に PCR 法で増幅し,数十から数百塩基長の断片群を検出する技術 (Fingerprinting) である.この技術は1)サンプルDNAを2種類の制限酵素で切断し,それらの粘着末端にアダプタを連結させ,2)アダプタに特異的でかつ制限酵素断片の中に数塩基伸長したプライマで制限酵素断片を選択的に増幅し,3)サイズ的にもバンド数的にもアクリルアミドゲル電気泳動で検出できるフィンガープリントを得る.

 この方法は従来の RFLP 法,RAPD と STR と比較して次のような利点がある.1)PCR によって RFLP より微量のサンプルで反応できる.2)RAPD よりデータの再現性がある.3)STR と異なりシーケンス情報の必要がない.4)更に一反応で通常十から数十個の多型が得られ高精度,高密度のタイピング,マッピングが可能である.

 このように AFLP は幅広い用途に適しているが,今回は植物用,および微生物用 AFLP キットと ABI 解析システムによるデータを用いて説明すると共に,動物や cDNA への応用,さらにはデータ処理〜 Bio Informatics への発展性についても討議してみたい.


 このページの先頭
 この号の目次
[Back] 交流会・シンポジウムの記録のページ
 ホームページ
編集幹事:松岡 一郎 matsuoka@pharm.hokudai.ac.jp