話題提供

検査法紹介

ELISA法によるノロウイルスの診断


堺市衛生研究所 田中智之、三好龍也、内野清子
国立感染症研究所ウイルスII部 武田直和、名取克郎
(株)デンカ生研 鎌田公仁夫


 本邦ではじめてノロウイルス体外診断キットとしてELISA法が、昨年11月に厚生労働省から認可された。RT-PCR法をスタンダード検出系とすると、ELISAの一致率は81%、感度62%、特異性99%の診断キットである。判定まで約2時間半を要するが、他の様々なノロウイルス遺伝子検出方法に比べると極めて短時間に診断できる。ELISA法に用いられる抗体はノロウイルスGIおよびGIIを、それぞれ広範囲に交差認識するモノクローナル抗体を用いている。実際の臨床検体で測定できた遺伝子型、ウイルス様粒子(VLPs)を用いたELISA法の検出限度についても報告する。

 食中毒や施設内集団発生などでは、原因微生物が細菌性かウイルス性かの鑑別は、終息に向けた対応に重要である。従って、初期には多検体処理が必須と考えられる。経済性からも、初期診断検査には不可欠な診断キットである。


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