中澤 英子 | (株)日立サイエンスシステムズ |
長沖 功 | (株)日立製作所計測器グルーブ |
宇田川悦子 | 国立感染症研究所ウイルス2部 |
目立Bio-TEM H-7600透過電子顕微鏡(以下、TEM)においてはTVカメラと画像処理装置を標準装備することによりTEMで初めての自動焦点補正を可能とした。さらに自動撮影機能との併用により、撮影視野を選択するだけで、焦点合わせから撮影までの全プロセスをワンタッチキー操作で行うことができるようになった。このようにTEM操作の大半は自動化されている。我々はこれまでBio‐TEMシリーズにおける試料の自動検索機能の開発を試み、本研究会においても報告した。今回は検索プロセスの簡略化による検索速度の向上と検索画像のデータベース化など、より実用的な試料の自動検索システムを開発したので、その内容と応用例を紹介する。 | |
図1はSRSVの自動検索例で、検索視野のデジタル画像(a)およびその視野を自動撮影したTEM像(b)である。デジタル画像には検索粒子が個体番号を伴なってマークされ、観察倍率や加速電圧、試料位置等のTEM側の観察条件が検索画像と共にデータベース化される。図に示したように自動撮影したTEM像には個々のウイルス粒子が鮮明に観察されている。 自動粒子検索システムでは粒子状の試料を検索対象としており、ほとんどがネガティブ染色したウイルス粒子の検索に応用されている。我々はSRSVを用いて検索機能の確認を行ってきたが、その過程でウイルス粒子のネガティブ染色剤による染色性の違いが認められたので、その所見についても報告する。 | |
図1 H-7600の自動粒子検索機能による SRSVの自動検索例 (a)検索視野のデジタル画像 (b)検索視野のTEM像 加速電圧;100kV,観察倍率;25,000倍 |