2. H−7600における試料自動検索システムとその応用

○長沖 功、中沢 英子*
(日立製作所 計測器グループ *日立サイエンスシステムズ)


透過電子顕微鏡(TEM)において、試料グリッド上の視野から、目的のサンプルを探し出すには、かなりの時間を要する。最近では、パソコンを用いた試料ステージ制御や観察位置のメモリ機能などを活用して、TEM本体の操作性を向上させることにより、試料の検索作業の軽減されつつあるが、未だにオペレータの手作業によることろが多い。今回我々は、一連の検索作業の軽減を目的として、Windows98を搭載した120kV Bio-TEM H-7600用試料自動検索機能を開発した。

 本機能は、TEM像をTVカメラにて撮影し、そのデジタル画像を基に、予め入力したパラメータ(粒子径、楕円率)に合うサンプルを試料ステージと連動して自動的に検出し、計測するものである。更に、検出した画像とそのグリッド上での位置情報とを連動してメモリーし、必要に応じてTEM像を撮影することも可能である。表1に本システムの仕様、図1に、本システムの構成を示す。図2は、ネガティブ染色したアデノウィルスのTV画像と計測例である。


図1 資料自動検索システムの構成
 
 

図2 資料自動検索システムの構成
資料)
ネガティブ染色したアデノウイルス
表1 試料自動検索システムの仕様
項目仕様
適応倍率×8,000以上
検索対象の粒子径10nm以上
画像サイズ640×480(256色)
画像データTIFFフォーマット
画像処理時間1画面/秒
TVカメラリアルタイム方式

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