平成20年11月4日(火) 教育北棟3階 北2講義室において、知的財産教育講義「 大学の特許の排他性と大学にとっての知的財産経営について」が開催されました。  
       
      今回も33名の大学院生を含む大勢の参加者があり、講師の田中先生からは具 体的事例をもとにライフサイエンス系の大学の特許と製薬系企業の特徴とその違 いについてお話がありました。特に大学と企業の特許を網羅的に解析し、大学の 特許の弱み(実施例が不足しているため、特許として主張できる権利範囲が狭く なる)について、非常に明快に示されました。一方、企業の特許戦略は豊富な実 施例をもとに強力な特許を作り上げていることが示され、大学と企業の知財戦略 の違いがよくわかる内容でした。  
     前回の長井先生の講義でも指摘のあったとお り、大学の特許はしばしば権利範囲の狭いものが多いですが、大学の研究活動の 特徴として結果をいち早く学会や論文で発表することが重要であるので、大学の 研究を活用するためには、今後は企業との共同研究をより活発化させることが必 要であるとの指摘があり、今後の研究戦略や知財戦略を考える上で、非常に参考 になりました。講義終了後の質疑応答では、大学の研究を進める上で、特許を取 る必要性、意義についての質問があり、研究成果を臨床に還元(薬として市場に 出す)するには、特許として権利を確保しておかないと、製薬会社が開発投資を 行えない(製品完成後に開発資金を回収できない)との指摘がありました。研究 成果を世の中に役立てるためには、特許を取り、企業と連携を進めることが必要 です。  
     これまで多くの大学院生に出席頂いておりますが、事後アンケートでは特許を 取ることの重要性や、大学と製薬企業のスタンスの違いがよくわかった、また、 産学連携、技術移転の現状がよくわかった、研究戦略の建て方や、データの取り 方など参考になった、との声が寄せられております。今年度は残り3回講義の予 定が入っております。何れも独立した内容になっておりますので、多くの参加を お待ちしております。  
       
   

 

   

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