VEXAS症候群の病態解明

 VEXAS症候群は、主に50歳以上の男性に発症する後天性自己炎症性疾患です。2020年に米国の研究者により、UBA1遺伝子変異に関連する病態として同定された比較的新しい疾患概念です。白血球減少、大球性貧血、血小板減少といった血液学的異常に加え、発熱、軟骨炎、肺炎、皮膚炎など全身性の炎症症状を伴います。VEXAS症候群の発症機序は、UBA1遺伝子変異の他は詳しく分かっておらず、有効な治療法としても高用量のステロイド投与に限られております。当教室は横浜市立大学附属病院 血液・リウマチ・感染症内科が主導する「VEXAS症候群の病態解明研究」に参加し、研究分担施設として北海道内のVEXAS症候群が疑われる患者さんの診療を行っています。研究参加へ同意いただける患者さんからは匿名化した臨床情報と血液サンプルを横浜市立大学へ送付し、さまざまな遺伝子やタンパク質の発現量や臨床病型との関連を調べます。