あざ

赤色、青色、黒色などのさまざまな色のあざの治療を行っています。
赤あざは、血管腫と呼ばれているものが多く、青あざには、太田母斑や異所性蒙古斑などがあります。
いずれもレーザー治療の適応があります。
茶色のあざや黒いあざには、レーザー治療の効果がないものがあります。

症例:血管腫(単純性血管腫、苺状血管腫、海綿状血管腫)、異所性蒙古斑、太田母斑、扁平母斑、色素性母斑(ほくろ)

赤あざ

赤あざにも色々な種類のものがあります。 

単純性血管腫

レーザーが効きます
真皮浅層での毛細血管が拡張したもので、皮膚は正常で、色のみ赤くなっています。
生まれた時から見られ、自然に消えることはありません。
レーザーに反応して色が薄くなることが期待できます。 
典型例
  • 単純性血管腫の画像
    右頚部単純性血管腫
  • 右頚部単純性血管腫
    左大腿単純性血管腫

苺状血管腫(乳児血管腫)

自然に消えていきます
赤く盛り上がったあざで、生後すぐ、または数週間以内に赤あざとして出現し、生後6ヵ月くらいまでは大きくなります。
傷をつくって出血したり、潰瘍を作ったりすることがあります。
何も治療をしなくても、通常は半年から1年ぐらい経つと成長が止まり、5歳までに5割、7歳までには7割の患者さんは自然に消えます。
しかし、苺状血管腫が隆起するより前にレーザー治療を行うと、血管腫の増大を抑えられると言われています。
近年は、降圧薬(プロプラノロール)内服治療も有効とされています。
赤みが抜けても皮膚が周囲より黄色くしわしわとした状態になることがあり、その部分を手術で切除することもあります。 
典型例
  • 苺状血管腫の画像

海綿状血管腫、動静脈奇形

色は赤みがある場合もない場合もありますが、隆起したあざで、出血を起こすと止まらず大出血となる可能性があります。
血管腫に入る血管に詰め物をして小さくする塞栓療法、注射をして血管腫内の血管を固める硬化療法などがあり、その後で血管腫の摘出手術を行うことがあります。 

青あざ

レーザー治療を行います

異所性蒙古斑(もうこはん)
普通の蒙古斑は、通常、生後1ヵ月くらいまでに背中やお尻に青あざとして出現しますが、5~6歳までには自然に消えてしまいます。
しかし背中やお尻以外の場所に出現する場合があり、異所性蒙古斑と呼ばれています。
異所性蒙古斑はなかなか自然に消えないため、目立つ場所や範囲の広い場合には、レーザー治療を行います。
 
典型例
  • 異所性蒙古斑(もうこはん)の画像
    右足異所性蒙古斑
  • 異所性蒙古斑(もうこはん)の画像
    背部異所性蒙古斑
太田母斑
おでこ、まぶた、頬などに出現する青あざです。
皮膚だけではなく、眼、鼻粘膜、口蓋にも青あざを認めることがあります。
生後すぐに発症する場合と20歳前後の思春期に出現する場合があり、女性に多く出現します。
レーザー治療で効果があります。
 
治療例
  • 太田母斑の画像

黒あざ

巨大なものでは悪性化する可能性も!

小さなものは、いわゆるほくろで、大きなものは色素性母斑と言います。
米粒大の小さなものから、全身に至る大きなものまで、大きさは様々です。
黒色がまだらなものや隆起しているものは、皮膚癌の悪性黒色腫との鑑別が重要です。
また、巨大な色素性母斑には悪性黒色腫を含めた悪性腫瘍に変わる可能性があります。
治療は、レーザー治療を試みる場合もありますが、十分な効果が得られないことが多く、当施設では再発を少なくするため、手術で確実に切除する方法をとっています。
手術で切除する際も、傷跡を最小限にしたり、しわに傷跡に一致させるようにして、傷跡が最大限目立たないようにしております。
大きなものの場合には、何回かに分けて手術をしたり、皮膚を移植したり、周りの皮膚をエキスパンダーという風船で引き伸ばしてから切り取るなどの工夫が必要になります。
 
治療例
  • 黒あざの画像1
  • 黒あざの画像2

その他のあざ

扁平母斑

平らな茶色のあざです。
治療はレーザー治療になりますが、著効しないことが多く、逆に色が濃くなったり、再発する可能性があります。
治療が困難なあざの一つで、手術を行うこともあります。
 
典型例
  • 扁平母斑の画像
    右頚部扁平母斑
  • 扁平母斑の画像
    右腹部扁平母斑

表皮母斑

出生時または幼少時から見られる茶色の表面がぶつぶつしたあざです。
レーザー治療では再発が多く、手術の適応になります。 
典型例
  • 表皮母斑の画像
    右頚部表皮母斑
  • 表皮母斑の画像
    下肢後面表皮母斑

脂腺母斑

生下時や幼少時から頭や顔に見られる表面がぶつぶつした黄色のあざです。
頭に出現した場合、あざの部分には毛が生えていないため、はげのようにみえることがあります。
長い間放置しておくと悪性腫瘍になることもあるので、手術で摘出します。
典型例
  • 脂腺母斑の画像
    頭部脂腺母斑