●作業療法の実際

ここでは、脳血管障害・慢性関節リウマチ・統合失調症・軽度発達障害 を例に、患者さんが抱える主な問題点と作業療法の内容に関して紹介します。

病院や施設での臨床場面では、ここであげた以外にも様々な疾患・障害に対して
作業療法士は支援しています。

脳血管障害(脳卒中)とは脳の血管が詰まったり、破れてしまう病気の総称です。
脳にはたくさんの血管があり、脳が働くために必要な酸素を運んでいます。
そのため、血管が詰まったり破れたりした場所や程度により患者さんは色々な症状を示すこととなります。

 

 

 

慢性リウマチとは、身体の免疫の異常にともなって関節に炎症がおこり、関節の腫れや痛みが生じるとともに、徐々に進行し、関節が変形してしまう病気です。痛みや変形は全身の関節に及ぶため、日常の生活を送る上で様々な障害を引き起こします。

 

 

 

統合失調症とは、思春期から成人期にかけて発病し、幻覚や妄想、意欲の低下、感情が外に表れない、などを特徴とする精神障害です。多くは慢性的に経過し、自発性や対人接触が低下し、社会生活に困難を来します。

 

 

 

軽度発達障害とは、知能の障害を合併していない或いは軽度な発達障害の総称で、学習障害注意欠陥多動性障害高機能広汎性発達障害などが含まれます(発達障害とは、お母さんのお腹にいるときから18歳頃までに受けた障害で、生涯にわたり何らかの障害が残るものです)。知能の障害が少ないため、障害を持っていることが一見わかりにくいのですが、運動のぎこちなさや教科学習面での困難さ、対人関係が苦手などの症状を示すことが多いとされています。