はじめに(Internet
&
WWW)
インターネット(Internet)
インターネットは、多くの小規模ネットワークからなる相互接続ネットワークのことです。インターネットの"inter-"は、国際(international)の意味ではなく、「~の間で相互に」という意味の"inter-"です。つまり、インターネットはネットワークのネットワークのようなもので、世界中にあるコンピュータに相互に繋がっています。当初はネットワークに接続している組織は非常に限られていましたが、1990年代には企業や一般の家庭からも接続が容易にできるようになり、爆発的に普及していきました。インターネットは、規模・経済的重要性・利便性といった面で、今や世界的電話通信網に次ぐ社会的インフラに成長したといえます。
インターネットは、今この瞬間も急激に成長しています。次にあげるウェブページにアクセスすると、現時点の接続ホスト数の伸びをリアルタイムで見ることができます。
ネットサイザー:インターネットの成長のリアルタイム報告
- August,1983:562
hosts
- October,1888:56,000
hosts
- January,1994:2,217,000
hosts
- January,1996:14,352,000
hosts
- January,1997:21,819,000
hosts
- January,1998:29,670,000
hosts
- January,1999:43,230,000
hosts
WWW
(
World
Wide
Web
)
「WWW」とは「World
Wide
Web」の略で、インターネット上で情報を交換し合う情報システムです。インターネットでは、様々な方法により情報を交換・共有していますが、Web
は、その情報を伝送するひとつの方式です。また、インターネット上にある膨大な情報の中から、必要な情報を見つけだす情報検索システムともいえます。
WWW
は1990年前半に誕生して以来、シンプルかつ簡単な操作性からインターネット標準のドキュメントシステムとして1995年頃から爆発的に普及し、現在では世界規模での巨大なWWW網が築かれ、インターネットで最も多く利用されるアプリケーションとなっています。
WWWを理解(ホームページ作成や情報検索など)する上で次の3つのことが重要です。
HTML
(HyperText
Markup
Language)
HTML
とは
HyperText
Markup
Language
の略で、現在、インターネット標準のドキュメントシステムとして採用されています。このHTMLは、「タグ」といわれる手段を使ってテキストに文書の論理構造や修飾情報を記述し、コンピュータが情報を読めるようにしているものです。例えば、前記の太字の「タグ」は次のように記述します。
<B>「タグ」</B>
さらに、このタグは文章中の任意の文字列に他の文書の位置情報をリンク(ハイパーリンク)として定義することができます。リンクを用いて複数の文書、および関連する画像などのオブジェクトを関連付けたシステムをハイパーテキストといいます。HTML文章はハイパーテキストの代表例で、リンクのある場所をマウスでクリックすると、関連づけられたリンク先(他のページや同じページの違う場所)にジャンプするようになっています。
また、HTML文章(Webページ)は画像やアニメーション、デジタル化された音声やビデオなど文字以外のデータを扱うことができます。
Webページを見るためには、WWWブラウザ(Netscape
Navigator
,
Microsoft
Internet
Explorer
など)が必要です。
HTTP
(Hypertext
Transfer
protocol
)
WWWは情報を提供するサーバと呼ばれるコンピュータと情報を受け取るWebブラウザから構成されます。Webサーバとクライアント(Webブラウザなど)がデータを送受信するのに使われるプロトコルがHTTP
(Hypertext
Transfer
protocol
)
です。HTML文書や、文書に関連付けられている画像、音声、動画などのファイルを、表現形式などの情報を含めてやり取りすることができます。
URL
(Uniform
Resource
Locator)
URL
は、「Uniform
Resource
Locator」の略で、インターネット上に存在する情報資源(ウェブ文書や画像等)の住所にあたるものです。典型的なURLの表記方法は次のようなものです。
http://web.sapmed.ac.jp/index.html
利用者は、URLを直接入力するかURLを含むリンクをクリックすることで情報を取得することができます。
詳細については、第10章第2節で説明します。
WWWの仕組み
WWWは、クライアントサーバシステムの典型です。クライアントサーバシステムは分散型コンピュータシステムのひとつで、情報資源を集中管理する「サーバ」と呼ばれるコンピュータとサーバの管理する資源を利用するコンピュータ(クライアント)が接続されたコンピュータシステムです。
基本的にWWWでは、サーバがWWWページ(やその他)
の情報を送信するまでを担当し、クライアントソフト(Netscape
Navigator
,
Microsoft
Internet
Explorer
などのWWWブラウザ)が取得した情報を表示することを担当します。
この作業分担システムは処理手続きのスピードを早めますが、一方では、表示方法がクライアントソフトの設定により異なるため、ウェブ文書の作成者は、最終的な見栄えを完全に制御することは不可能になることを意味します。例えば、表示するフォントにゴシック体を使っていたとしても、利用者のフォント設定が明朝体ならば、表示は明朝体になります。
WebクライアントとWebサーバ間のやりとりは次のような感じです。
利用者: |
(札幌医科大学のページで)何か面白ページはないかなー。この”情報センター”っていうはどうかな。とりあえず見てみよう。クリック。 |
Webクライアント: |
彼(女)は何をクリックしたんだ?URLは・・・。それじゃ、私は指定のWeb文章のコピーを送ってくれるように住所に書いてあるサーバにメッセージを送りましょう。 |
Webサーバ: |
また来たぞ。このクライアントが欲しい文書はどれだろう。お、あった。よし、これだ。仕事完了。さあ、また呼ばれるのを待つか。 |
Webクライアント: |
来た来た。サーバがデータを送り返してきたぞ。ん、HTML文書みたいだ。それじゃ、タグをみんな翻訳して、ディスプレイにその結果を表示するか。見事な出来映えだ。 |
利用者: |
お、面白くはなさそうだけど、いろんなことが書いてある。この教育支援システムのリンクは・・・
|
|