札幌医科大学 医療人育成センター 

  教育開発
研究部門

医学教育用語集


≪目次≫

CBT 【 Computer Based Testing 】

クリニカル・クラークシップ 【 Clinical Clerkship 】

共用試験 【 Common Achievement Test 】

カリキュラム 【 Curriculum 】

EBM 【 Evidence Based Medicine 】


FD 【 Faculty Development 】

IPE 【 Interprofessional Education 】

IPW 【 Interprofessional Work 】

モデル・コア・カリキュラム 【 Model Core Curriculum 】

NBM 【 Narrative Based Medicine 】

OSCE 【 Objective Structured Clinical Examination 】

PBL 【 Problem Based Learning 】






CBT 【 Computer Based Testing 】

 医学部学生に2002年から試験運用される共用試験のうち知識の評価をする多肢選択試験。試験のプロセスが完全にコンピューターで管理運用される試験システムを用いる。


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クリニカル・クラークシップ 【 Clinical Clerkship 】

 学生が指導医や研修医で構築される診療チームに加わり、診療することを通して臨床能力を身につける臨床実習方式。従来の知識伝授型教育は、卒後の臨床能力に大きな偏りが生じていることが指摘された。また、人権意識や消費者意識の高まりから医療に対する社会の視線の厳しさを増す今日、効率的な臨床能力育成法として注目されている。


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共用試験 【 Common Achievement Test 】

文部科学省の医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議が報告した「21世紀における医学・歯学教育の改善方策について;学部教育の再構築のために」に基づいて、臨床実習開始前の学生の評価のために行われる総合試験。コンピューターを用いた多肢選択形式試験computer based testingCBT)と客観的臨床能力試験objective structured clinical examinationOSCE)からなる各大学の共同利用試験。

医学教育および歯学教育モデル・コア・カリキュラムでは、臨床実習開始前までに取得すべき到達目標のレベルが表示され、臨床実習開始前までの到達レベルに準拠した共通の評価試験システム(共用試験:知識の評価にはCBT Computer Based Test)、診察技能・態度の評価にはOSCE Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験))が平成17年より正式に全国で取り入れられている。共用試験で一定レベルに達することが証明された学生は、診療参加型臨床実習(クリニカル・クラークシップ)へと進む(56年次)。医師免許を持たない学生には、医行為に対する一定の許容水準を設け、学生が診療チームに参加し、その一員として診療業務を分担しながら医師の職業的な知識・思考法・技能・態度の基本的な部分を学ぶ。すなわち、学生は教科書的知識のみならず、現場で実技、思考(臨床推論)、診療・学習上の態度を含めた医師の能力を総合的に学ぶ。実際に患者、医師以外の医療職を相手に実践的な学びが得られる。


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カリキュラム 【 Curriculum 】

「教育活動計画書」

これによって学習者はある特定の目標に到達する。目標・方略・評価の3要素から成る。
1. 目標

教育とは、学習者の行動に価値ある変化をもたらすプロセスである。学習者が目指す、より望ましい状態が学習目標として明示される。学習者は学習によって、より望ましい状態に変化する。
2. 方略

目標に到達するために、学習者がどのように学ぶかが、学習方略である。学習者が積む学習経験の種類(学習方法)と、その順次性及び必要な資源(人的資源、物的資源、予算)が具体的に示される。
3. 評価

教育活動を効果的に遂行するために、学習者の行動の変化を測定し、測定結果について価値判断を行い、その結果に基づいて意思決定する。


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EBM 【 Evidence Based Medicine 】

個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針


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FD 【 Faculty Development 】

「教員の教育能力開発」「教授団の能力開発」「大学教員研修」。

 大学においてまず重要なのは教員個人個人の教育能力、資質の開発であるという観点から、ファカルティ ディベロップメントを教員の教育能力開発を意味する。

 真の意味でのファカルティ ディベロップメントは、大学の管理運営、教授会のあり方、カリキュラムの改善・開発、入学者選抜法、教育活動全般の点検・評価など広い範囲に及ぶ。

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IPE 【 Interprofessional Education 】

「専門職連携教育」。

 「複数の領域の専門職者が連携およびケアの質を改善するために、同じ場所でともに学び、お互いから学び合いながら、お互いのことを学ぶこと」(CAIPE、2002)

 専門職連携教育の目的は、専門職連携の質を改善すること、ケアの質を改善することであり、多職種あるいは保健医療福祉のさまざまな専門領域を学ぶ学生が、同じ場所で相互理解し、相互作用しながら学習し合うという方法を用いる教育である。

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IPW 【 Interprofessional Work 】

「専門職連携」。

 複数の領域の専門職者が、それぞれの技術と知識を提供しあい、相互に作用しつつ、共通の目標の達成を患者・利用者とともに目指す協働した活動。

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モデル・コア・カリキュラム 【 Model Core Curriculum 】

 医学教育モデル・コア・カリキュラムでは、教育内容を整理して全体をまとめて表示することとし、従来の基礎医学、社会医学、臨床医学といった区分を用いず、基礎医学と臨床医学を関連づけて学べるような統合的なカリキュラムの編成が重要であるとされている。これまでの3分の2程度の時間数(単位数)で履修されることが妥当と考えられている。残りの3分の1程度の時間で、各大学それぞれの教育理念に基づいたカリキュラムを設定し、学生が余裕をもって自主的に選択できるような先端的内容や周辺領域の内容など、各大学の特色に合わせて多彩なメニューを選択的なカリキュラムとして構築することが必要であるとされている。
 従来、教育者の教え込まなければという使命感から行われてきた講義形式が主な教育形態であった。しかし、能動的学習(課題探求・問題解決能力)態度の育成のために、チュートリアル教育や少人数教育が推奨され、現在では殆どの大学でこの新しい教育形態も取り入れられている。
 すなわち、基本はしっかり押さえながら、それぞれの大学の教育の特色を付加し、各学生の能動性や適性を涵養しようというものであり、大学の個性化にもつながることになる。

       

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NBM 【 Narrative Based Medicine 】

物語に基づいた医療で、患者が対話を通じて語る病気になった理由や経緯、病気について今どのように考えているかということから医師は病気の背景や人間関係を理解し、患者の抱えている問題に対して全人的(身体的、精神・心理的、社会的)にアプローチしていこうとする臨床手法である。NMBは患者との対話と信頼関係を重視し、サイエンスとしての医学と人間同士の触れ合いのギャップを埋めることが期待されている。


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OSCE 【 Objective Structured Clinical Examination 】

客観的臨床能力試験

ステーションと呼ばれる小部屋を多数準備し、各部屋にそれぞれ課題を準備する。学生は順次それらの部屋にローテーションして与えられた時間内に課題をこなす。評価者はあらかじめ準備された評価表に沿って評価を行う。この評価法は臨床実技を評価する。


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PBL 【 Problem Based Learning 】

 「テュートリアル」

問題基盤型学習と訳される。従来の教科区分の学習形態の枠組みを超えて、現実に近い問題をもとに、学習者らのディスカッションを中心に教育プログラムを展開する。医学教育では少人数グループにテュータ(個別指導教員)が付くテュートリアルシステムとして実施する例が多い(PBLテュートリアル)。テュータはファシリテーターとして学習を支援する。



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