小耳症の治療 ホームページ

ごあいさつ

小耳症は、5000〜6000人に一人とされる比較的稀な疾患です。今このホームページをご覧の方の多くは、我が子に小耳症という聞き慣れない疾患名を告げられ、大きな不安を抱えてここにたどり着いた方も多いことと思います。

私は形成外科医として、外傷・腫瘍・先天異常などに対する顔の再建をライフワークとして診療を行って来ましたが、近年は特に小耳症や口唇裂・多指症などの先天性疾患の治療のため、全国から多くの方に受診いただくようになっております。小耳症に対しては、これまでの種々の手術法から発展させた術式を開発し、本物に近い耳を再現することができるようになり、最近は四ッ柳法として知られるようになっています(アメリカ形成外科学会誌、2015)。現在は年間で120〜130件位の小耳症の手術を手掛けており、全国大学病院の中で小耳症の手術件数が最も多い施設となっております。

小耳症は、適切なタイミングと適切な施設で治療を行えば、パッと見ただけではわからないような立派な耳が得られます。しかし未だ数多くの悲惨な耳が形成されてしまい、作り直しにお越しになる方が後を絶たない状況も続いております。この理由としては、耳という複雑な形を作り出すためには、一般的な形成外科の水準をはるかに超えた技術とセンスが要求されること、耳の治療に力を入れて行っている医師が国内ではきわめて限られてしまうこと、などが挙げられます。従って形成外科で治療をすれば、どこでも同等の結果を得られるようなものではない、ということもご理解いただいた方がよいかと思います。

本疾患においては、まずは自身できちんとした知識を持つことが重要です。このホームページはそのための一助となることを祈念し、小耳症に対する考え方や治療結果を公開しているものです。なお、記載事項はあくまで私の行っている方法と考え方についてであり、これは施設によって異なりますので、実際に治療を受ける際は、それぞれの施設で十分ご確認ください。多少なりともこのホームページが皆様のお役に立てましたら幸いです。

札幌医科大学医学部形成外科学 教授 四ッ柳高敏