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悪性腫瘍

口の『がん』とは?

口の中にも良性あるいは悪性の腫瘍(がん)ができます。口の中にできるがんを「口腔がん」と呼んでいますが、日本人で最も多いのは舌がん、次に多いのは歯茎にできる歯肉がんと呼ばれるものです。
  • 舌癌
    舌がん
  • 頬粘膜癌
    頬粘膜がん
  • 下顎歯肉癌
    下顎歯肉がん
  • 上顎歯肉癌
    上顎歯肉がん
  • 口底癌
    口底がん
  • 硬口蓋癌
    硬口蓋がん
口腔の粘膜は唾液にぬれてつるつるしていますが、写真でもおわかりのように、口腔にがんができると、その部位が局所的に増大して硬い塊(腫瘤)をつくり、その表面はザラザラして凹凸不整を呈します。このような癌の表面性状(顔つき)から
①口の中のただれ
②白いできもの
③紅いできもの
④何かに触れたときに痛いキズ(接触痛)
⑤食べものや飲みもので痛みを感じるキズ(刺激痛)
⑥盛り上がったできもの
⑦えぐれたキズ

がみられた時には、何でもないと自分で診断したり、お酒で痛みをやわらげたりしないですぐに当科を受診してください。

当科の治療成績

治療成績
  札幌医科大学口腔外科:2004年から2014年の183

国際共同研究:2001年から2010年の2003 Cancer 2013; 119: 4242-4248.

(アメリカ、ドイツ、イタリア、オーストラリア、インド、台湾の6カ国の共同研究)

 

当科の治療成績はいずれにおいても国際共同研究の治療成績を上回っているか、同じ割合であることが特筆すべき点です。

超選択的動注化学療法

 1990年代に入り、がん組織に栄養を送りこんでいる動脈に直接抗がん剤を注入し、同時に放射線を照射する超選択的動注化学療法が開発されました。通常、抗がん剤は静脈から投与しますが、がんに栄養を供給する動脈から直接抗がん剤を投与することによって、静脈から投与する方法と比較すると高い濃度の抗がん剤ががんに行き渡り、より高い治療効果が期待出来ます。口腔がん に対する超選択的動注療法は耳の前あるいは耳の後ろにある動脈(浅側頭動脈、後頭動脈)からカテーテル(管)を挿入し、造影剤や染色液を用いて腫瘍に栄養を供給している動脈(顎動脈、顔面動脈、舌動脈)にカテーテルを挿入する方法と鼠径部の大腿動脈からカテーテル挿入を行うセルジンガー法の2つの方法があります。当科では、放射線治療科のIVR専門医と連携し、セルジンガー法による治療を行っています。 この方法は複数の栄養血管に支配される進行がんや正中を占拠するがんの場合、患側と健側の両側に抗がん剤を注入できる利点があり、大きな原発巣(口腔内のがん)や所属リンパ節転移に高い効果が期待できます。この方法と放射線療法を併用することで単独で行う場合に比較してより高い治療効果が期待できます。
  • 血管造影3DCT
    血管造影3DCT
  • 染色
    染色液でがんを染めた状態
  • IVR風景
    IVR専門医と連携した動注化学療法

手術療法

 当科では年間約60例の悪性腫瘍手術を行っております。手術は術後のQOLを考慮した術式を選択しております。広範囲な顎骨切除の必要が生じた場合は、形成外科との連携治療により、血管付き骨皮弁を用いた再建を行い、術後の顔貌の変形や口腔機能の低下を最小限にする治療を行い良好な結果が得られております。さらに、当科は広範囲顎骨支持型補綴装置(保険適応インプラント治療)治療が可能な施設として認められており、咬合・咀嚼機能の改善を目指した機能再建に積極的に取り組んでいます。また、基礎疾患を持った患者さんの治療は内科、外科などの各診療科と連携し、安全かつ効果的な治療を提供できる体制を整えております。
 

分子標的薬

 分子標的薬はがん細胞に特異的に発現している分子を阻害し、がん細胞の増殖を抑える抗体医薬品で、口腔がんではセツキシマブが認められています。
  • 従来から口腔がん治療で行われている標準化学療法に加え、分子標的薬を取り入れた化学療法を病状に合わせて積極的に取り入れております。
  • 分子標的薬による、皮膚症状をはじめとする特別な副作用に関しては、皮膚科やがん化学療法看護認定看護師が専門的治療を行いながら治療をすすめます。
  • 当科で行っている化学療法は札幌医科大学附属病院化学療法プロトコール委員会で検討され、採用されているレジメンにしたがって治療をすすめております。

当科の口腔がん治療

札幌医科大学附属病院は地域がん診療連携拠点病院として、がん治療を専門に行う専門職で構成されたチームが口腔がん治療を支えています
口腔がん治療

自主臨床研究『口腔癌の免疫応答増強剤併用ペプチド免疫療法(癌ワクチン療法)の第一相臨床試験』について

臨床研究により新しい治療法を確立することは大学病院の使命であり、患者さまのご協力により成し遂げることができるものです。今回参加をお願いする臨床研究は“自主臨床研究”と呼ばれるもので、実際の診療に携わる医師が医学的必要性・重要性に鑑みて、立案・計画して行う治療です。製薬会社などが行う新薬の安全性・有効性を得るための臨床試験、いわゆる“治験”ではありません。この試験については、当院の臨床研究審査委員会の審議に基づく病院長の許可を得ています。試験に参加されるかどうかはあなたの自由意志で決めて下さい。参加されなくてもあなたが不利益を被ることはありません。 
 

研究の背景

あなたの病気(口腔癌)の治療には、手術、抗癌剤ならびに放射線療法があり,がんの大きさや占拠部位によって単独あるいは併用療法が行われます.しかし、がんの進展範囲によってはこれらの治療法で、完全に腫瘍を取り除くことができない場合があります。現在,当科では上記治療法以外の新たな治療法として免疫療法の研究・開発を進めています。
免疫は、ウイルスや細菌などに対する生体の防御反応として知られ、同時にがん細胞など体の細胞から変化したものに対しても免疫はそれらを死滅させることによって生体を守る作用があると考えられています。しかし、時として免疫監視の目をかいくぐってがん細胞が増殖して進展してゆくことが知られています。がん細胞は正常な細胞が持っていないような特殊なタンパク質を持っていることがわかっており、このようながん細胞に特有なタンパク質はがん抗原と呼ばれています。がんワクチン療法というのは、体の中の免疫細胞にがん抗原の情報を教えてあげることによってがん細胞だけを認識して破壊するリンパ球を増やし、がんに対する自然の抵抗力を増強する治療法です。
今回の臨床試験で実施する免疫療法では、がん細胞に高率に現れる「サバイビン」というがん抗原タンパクを小さく断片化したものを合成し(合成ペプチド)、ワクチンとして定期的に皮下投与します。「サバイビン」はがん細胞の生存能力(サバイバル)を高める働きをしているタンパクであり、種々のがん細胞においては非常に強く発現していますが、精巣、胸腺、胎盤以外の正常な成人の細胞では発現していません。このがんペプチドワクチンは、がん患者さんのリンパ球によって認識され、攻撃されうる性質を持つことを、私たちは確認しています。このペプチドを皮下投与することで体の免疫機構にサバイビンを十分に認識させ、癌に対する特異的な攻撃を誘導できる可能性があります。
当施設において、2003年9月から、このサバイビンの合成ペプチド単剤での安全性および抗腫瘍効果に対する臨床試験を施行しており、それによりこの合成ペプチドの安全性は評価に値するものであることがわかりました。次なるステップとして、更に強力な抗腫瘍効果を誘導する目的で、この合成ペプチドとIFA、IFN-αという免疫増強剤を併用投与する必要性があり、今回の臨床試験を計画しました。すでに本学外科学第一講座では、消化器癌および内分泌臓器癌に対して同様な臨床試験が開始されていますが、副作用はほとんどなく抗腫瘍効果を高めることができています。
サバイビン

研究の目的

この研究は第一相臨床試験です。第一相臨床試験は、患者さんの同意を得た上で、新しい治療方法の安全性を判定することを第一の目的とします。第二の目的は、治療の有効性を判定することです。 

研究の方法

この研究への参加に同意していただければ、まずあなたの白血球のタイプ(HLAといいます)を調べるために採血をさせていただきます。人によって血液型が異なるように,がんペプチドを乗せるHLAにもさまざまな型があります.ワクチンはHLAの型にあわせて開発されます.今回試験を開始するがんワクチンはA24型というHLA型に適合したワクチンです.日本人の約6割がA24を持っています.A24の型を有していた場合には実際に治療を開始できます。タイプが合わない場合は、この研究の対象者となれません。
治療は次のような手順で行います。ペプチド1mgを生理食塩水に溶解後、IFAという免疫増強剤を混合します。原則として腫瘍周囲の皮下あるいは粘膜下と同側前腕の皮内に注射します。この投与は2週間毎に4回行います。IFN-αは週1~2回、ペプチドの注射と同部位の皮下に注射します。4回投与終了時に治療効果の判定を行います。効果や副作用の判定のために、各投与の前後に、血液検査を行なうとともに、治療開始前と4回投与終了後にCTあるいはMRIなどの画像診断も行います。その他、必要に応じて採血などの臨床検査を行うことはありえます。また、検査のために採取した血液、組織などの一部は,鍵のかかる部屋の超低温冷凍庫などに保管し、本研究のために使わせていただきます。

期待される効果

 ペプチドの投与によって、腫瘍が縮小する可能性があります。しかし、どの程度の効果を得られるかは予測できません。効果を得られないことも考えられます。ペプチドの効果は、腫瘍の縮小以外にも、遅延型過敏反応によっても評価されます。遅延型過敏反応は、一般的にペプチドを皮内に接種して48時間後に皮膚での免疫反応の状態を判定するものです。また、患者さんの血液からリンパ球を分離して、癌細胞やペプチドに対する反応性の有無も判定します。 

最終更新日:2016年02月15日