学科長挨拶と概要
学科長挨拶
■ 理学療法士を志す皆様へ
他の先進諸国に比べ、わが国は少子化に伴い高齢者の占める割合が最も多くなることが推測されています。従って、骨・関節系の変性疾患および骨粗鬆症の罹患率も高くなり、特に北海道では、冬期間中の転倒・転落による骨折が増えています。また、食生活の欧米化や運動量の減少により生活習慣病も増加の一途をたどっています。
理学療法士は、障害に陥った人々に対して早期から運動療法や物理療法を通して運動機能の回復に携わり、装具や福祉機器の活用により日常動作における自立を促進し、障害を有する人や高齢者が‘生きがいのある生活’を送れるよう支援するリハビリテーション医療専門職のひとつです。また、理学療法士はヘルスプロモーターとして健康増進や障害予防を指導する役割も担っています。
私達の教育目標は、疾病や外傷および障害の予防と治療を目的とした理学療法の基本的な臨床能力を培い、科学性と幅広い知識を有する人間性豊かで、社会や地域のニーズに応えて貢献しうる理学療法士を育成することです。
本学の特徴として、@1学年から4学年を通じて3学科合同で実施される保健医療総論、A保健医療学部、医学部学生合同の地域滞在型実習カリキュラム、B卒業後は大学院(修士課程、博士課程)における理学療法専門分野のより高度の学習・研究等が用意されています。教員は国際的な知識・技術をもってそれぞれの分野で活躍しており、情熱を持って教育に当たっています。
他人を思いやれる、向学心に燃えた学生諸君を歓迎いたします。
理学療法学科 学科長 乾 公美
理学療法とは
理学療法とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行わせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいいます。治療体操その他の運動法は運動療法と呼ばれ、筋骨格系、神経系、内臓諸器官の不調、不全、破綻などに起因する運動能力の障害に対し、医学ならびに運動治療学などの基礎理論にもとづき治療に応用されます。また、物理的手段を加える治療法は物理療法と呼ばれ、疼痛軽減、呼吸・循環改善、筋緊張抑制、創傷治癒促進などを目的に温熱・寒冷、光線、電気、音波、力学エネルギーなどを治療に応用します。