札幌医科大学医学部遺伝学部

ゲノム医療の新時代を拓く

遺伝医学とは?

かつての遺伝医療は、そのほとんどが小児科領域の先天的な病気や、胎児の異常や不妊といった産科領域の問題に限定していました。
しかし、1980年代以降に多くの遺伝性疾患の原因遺伝子が明らかにされて、内科をはじめとする他の診療領域でも遺伝性疾患の診療が可能となり、臨床遺伝学は大きな広がりを遂げました。

そして、21世紀に入り、人類はヒトの全遺伝子情報を入手し、さらにはその解析技術の驚異的な進歩によって、今やすべての人が自身の遺伝情報を持ち歩く時代が来ようとしています。
医療においても、遺伝情報はその領域を問わず、患者さんの診断や治療、健康管理に欠かせない情報となりつつあります。

こうした新しい時代を向え、遺伝情報を適切に扱い、最善の医療を提供するためには、遺伝医学に関する専門的な知識と技術を持つ医療職者が欠かせません。
札幌医科大学医学部遺伝医学では、附属病院の臨床遺伝外来で最新の遺伝医療を提供するとともに、これからの遺伝医療時代を支える人材を育成することを使命としています。

遺伝医学のご案内

札幌医科大学医学部遺伝医学は、現代の医療においてますます重要性を増す遺伝医学の研究、教育、臨床の充実をめざしています。

これまでの歩み

平成25年4月札幌医科大学医学部に新たな学科目「遺伝医学」を開設、担当教授として櫻井晃洋が着任
平成25年7月石川亜貴が助教として着任
平成25年10月札幌医科大学附属病院に臨床遺伝外来を開設。11月から診療を開始。
平成26年2月臨床遺伝専門医制度委員会より専門医研修施設として認定
平成26年6月認定遺伝カウンセラー制度委員会より、遺伝カウンセラー養成課程として認定
平成27年4月大学院医学研究科修士課程遺伝カウンセリングコース開設

札幌医科大学

医学部遺伝医学

研究のテーマ

研究のテーマ

  • 遺伝性腫瘍症候群に関する臨床的・基礎的研究
  • 小児先天異常に関する臨床的・基礎的研究
  • わが国の社会風土に即した遺伝医療のあり方に関する臨床的・社会学的研究
  • 社会における遺伝リテラシー向上に関する臨床的・社会学的研究

遺伝カウンセリングコースのご案内

遺伝医学の進歩に伴い、あらゆる領域の医療において遺伝情報の重要性が高まっています。適切な遺伝性疾患の診療と遺伝情報の扱いのためには、医学的、社会的、倫理的な専門知識と技術を有した医療者の関与が不可欠です。

わが国では、この目的で臨床遺伝専門医制度と認定遺伝カウンセラー制度が運営され、あらゆる領域の医療で臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが活躍しています。

このたび、北海道における遺伝医療・人材育成の基幹施設としての整備を進めるべく、新しい分野の人材である認定遺伝カウンセラーを高い水準で養成するコースを設置いたします。

札幌医科大学大学院医学研究科では、医学の幅広い領域の人材を養成する目的で平成20年より修士課程を開設しています。本研究科修士課程に2年以上在学し、専攻の所定の授業科目について30単位以上を修得し、かつ必要な研究指導を受けた上で、本大学院医学研究科が行う修士論文の審査および最終試験に合格することで修士(医科学)の学位を認定しています。

遺伝カウンセリングコースでは,上記に加え,認定遺伝カウンセラー認定試験受験資格取得に必要な課程を自由選択として履修します。

札幌医科大学大学院医学研究科
修士課程 2年以上在学
↓
専攻の所定授業科目
30単位以上取得
↓
遺伝カウンセリングコース
自由選択科目
16単位取得
↓
研究指導を受け修士論文作成
↓
修士論文の審査
↓
最終試験に合格
↓
修士(医科学)の学位認定
認定遺伝カウンセラー認定試験
受験資格取得

カリキュラム

遺伝カウンセリングコースでは、遺伝医学・医療の十分な知識、遺伝カウンセリングに必要なコミュニケーション・スキル、医療倫理にのっとった医療人としての基本的態度を身に付け、社会に貢献できる人材を育成するためのカリキュラムを用意しています。

教員は医学部遺伝医学の専任教員2名の他に、本学の多岐にわたる専門分野の臨床遺伝専門医が領域別の教育を担当します。また、人文科学、社会科学系の教育については、本学医療人育成センターの教員が兼任として担当します。

本学ならびに本学附属病院における講義および演習のみで不十分な点は、非常勤講師による特別集中講座を実施するほか、札幌市内の臨床遺伝専門医が在籍する医療機関における実習で補完します。

取得できる学位・資格

  • 医科学修士
  • 認定遺伝カウンセラー認定試験受験資格

履修科目について

学内の多領域の専門教員による協力を得て、広い領域にわたる臨床医学の知識をえるようカリキュラムが組まれており、遺伝カウンセリングコースの学生もこれらを履修します。また、課程以外にも定期的な成書の輪読会やセミナーを開催し、遺伝医学の基礎知識の向上を図ります。

遺伝カウンセリング実習

一年次後期からは臨床に貢献できる人材育成を重視する立場から、来談者の承諾を得た上で遺伝カウンセリングの場に陪席するとともに、定期的に開催する症例検討会の議事録と症例記録を作成し、その内容について担当教員との討論を行い、実践力を養います。

学会・セミナーの参加

遺伝医学・医療に関する広い知識と遺伝カウンセリング技術を習得するため、関連学会が主催するセミナーへの積極的な参加を奨励しています。

お知らせ

ご挨拶

櫻井教授

札幌医科大学医学部遺伝医学のホームページにお越しいただきありがとうございます。当教室は2013年4月新設された若い研究室で、遺伝医学,特に臨床遺伝学の診療と研究、教育に取り組んでいます。

20世紀の臨床遺伝学は主に小児科、産科が中心の領域であったと言えます。実際、しばらく前までわが国の臨床遺伝専門医は小児科医、産婦人科医が大多数を占めていました。もちろん新しい命をはぐくむ医療分野としてその重要性は今後も変わることはなく、この領域でも次々と新しい知見や技術が得られています。

一方で遺伝医学の急速な進歩に伴い、内科系、外科系を問わずあらゆる領域の一般診療で遺伝情報が不可欠となってきました。特に多因子疾患や腫瘍など成人疾患における遺伝医療や薬理遺伝学の重要性は今後確実に大きくなっていきます。札幌医科大学附属病院では2013年に臨床遺伝外来を開設し,遺伝性疾患の当事者の方や,遺伝に関する心配,悩みをお持ちの方に対して正確な情報をお伝えするとともに,それぞれの方が抱える問題を解決し,将来へ向けての自己決定をするためのお手伝いをする「遺伝カウンセリング」を提供しています。

さらにゲノム解析がより安価で迅速になるのにともない、遺伝医療がこれまでのような特定の遺伝子や染色体の情報を扱うものから、全ゲノム情報とその発現情報を扱うものへと変貌していくことは疑いがなく、新たな遺伝医療体系の構築が求められています。これからの遺伝医療の体制整備、遺伝医学教育の体系化に関しては、医療の全領域に関与する横断的な専門分野という視点がこれまで以上に重要であり、多くの診療科・部門との協力体制が不可欠です。私たちはこうした「新ゲノム医療時代」に,少しでも多くの患者さんやご家族に対してゲノム情報に基づくよりよい医療を提供できるよう努力しています。

これからの医療を担う医師をはじめとしたすべての医療職者が、十分な遺伝学的知識とその情報を扱う技術を身に付けるための教育活動も、私たちの重要な使命のひとつです.遺伝医学の重要性の高まりにともない,医学部の学生が卒業前に習得すべき内容をまとめた「医学教育モデル・コア・カリキュラム」(文部科学省)でも、2017年の改訂で新たに「遺伝医療・ゲノム医療」という項目が新設されました.私たちは今回の改訂以前から,遺伝情報をどのように扱い,どのように医療に活かすか,という視点で遺伝医学卒前教育を行っています。また,2015年からは遺伝に関する専門知識と技術を有する専門職である,認定遺伝カウンセラーを養成する「遺伝カウンセリングコース」を大学院医学研究科修士課程に設置しています。さらに、将来認定遺伝専門医を目指す医師が集中的に研修を行う、全国6大学による文部科学省課題解決型高度医療人材陽性プログラム「難病克服!次世代スーパードクターの育成 NGSDプロジェクト」にも連携校として参画しています。

私達は、これからの日本における遺伝医療・ゲノム医療の拠点として、さらなる発展をめざして進んでいきます。

教授 櫻井 晃洋

  • 櫻井晃洋
    センター長

    櫻井 晃洋(さくらい あきひろ)

    昭和34年(1959)、新潟県妙高市生まれ。

    所属

    札幌医科大学医学部 遺伝医学 教授

    略歴

    1984年6月
    新潟大学医学部附属病院 医員(研修医)
    1985年4月
    信州大学医学部附属病院 医員(研修医)
    1986年6月
    佐久市立国保浅間総合病院 内科医
    1987年9月
    シカゴ大学医学部甲状腺研究部 研究員
    1991年10月
    信州大学医学部附属病院 医員
    1993年4月
    JA長野厚生連篠ノ井総合病院 内科医
    1994年2月
    信州大学医学部附属病院老年科 助手
    2003年4月
    信州大学医学部社会予防医学講座 遺伝医学分野 助教授
    2007年4月
    信州大学医学部遺伝医学・予防医学講座 准教授
    2013年4月
    札幌医科大学医学部遺伝医学 教授 現在に至る

    所属学会

    人類遺伝学会(理事,教育推進委員長),日本遺伝カウンセリング学会(理事,遺伝教育委員長),日本遺伝子診療学会(理事),日本内分泌学会(北海道支部長,評議員),日本内科学会,日本糖尿病学会,日本甲状腺学会(評議員),日本家族性腫瘍学会(評議員),日本性差医学・医療学会(評議員),日本癌学会,日本医学教育学会,米国人類遺伝学会,欧州人類遺伝学会,米国内分泌学会

    専門医

    日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医・指導医,日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医・指導医,日本糖尿病学会 糖尿病専門医

    趣味

    夏山歩き、(苦しくならないペースの)ジョギング、古い地図を持って現在の街を歩くこと

    ひと言

    どんなことでも遠慮なく相談してください。
  • 石川亜貴
    副センター長

    石川 亜貴(いしかわ あき)

    北海道美瑛町生まれ。

    所属

    札幌医科大学医学部 遺伝医学 助教

    略歴

    2000年3月
    札幌医科大学医学部医学科 卒業
    2000年5月
    札幌医科大学医学部附属病院 小児科(研修医)
    2001年4月
    市立釧路総合病院 小児科
    2004年4月
    岩見沢市立病院 小児科
    2006年4月
    札幌医科大学医学部附属病院 小児科
    2009年4月
    神奈川県立こども医療センター 遺伝科(研修)
    2011年4月
    北海道立子ども総合医療療育センター リハビリ小児科
    2013年7月
    札幌医科大学医学部遺伝医学 助教 現在に至る

    所属学会

    日本人類遺伝学会(評議員),日本遺伝カウンセリング学会,日本小児科学会,日本小児神経学会

    専門医

    日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医,日本小児科学会専門医・指導医

    ひと言

    誰もが気軽に相談することができる、身近な存在でありたいと思います。

入学に関するお問い合せ

選抜方法・試験

選抜は学力試験(英語)ならびに口頭試問の結果、および成績証明書その他提出書類を総合して判断します。

募集人員

遺伝カウンセリングコースは修士課程の一専攻分野として若干名を募集します。

※入学希望者は、願書提出前に必ず責任者(櫻井晃洋)と面談し、受験承諾書を受ける必要があります。

募集要項・学費などのお問い合わせ

  • 札幌医科大学事務局学務課主査(大学院)
  • 電話番号:011-611-2111(内線2177)
資料請求

札幌医科大学医学部遺伝医学のキャラクター

サン&ミーナSun & Mina

サン&ミーナ

アイヌ語で「子孫」という意味の「サンテク」から「サン」、アイヌ語で「笑う」という意味の「ミナ」と「みんな」から「ミーナ」と名づけました。
「先祖から未来の世代まで、みんなが笑っている」という意味をこめています。