活動紹介

神経再生医療学部門の研究成果や学会・論文発表など、活動内容を紹介いたします。

<お知らせ> 6月22日(日)、本望教授が道新ぶんぶんクラブ「すこやかライフ講座」で講演しました。

<お知らせ> 6月22日(日)、本望教授が道新ぶんぶんクラブ「すこやかライフ講座」で講演しました。
 

脳梗塞の予防と最新治療は~すこやかライフ講座

道新ぶんぶんクラブ、札幌医科大学共催の本年度第1回「すこやかライフ講座」が6月22日(日)、同大で開かれました。同大医学部の本望修教授(神経再生医療学部門)が「脳梗塞の予防と最新治療~後遺症が残ってもあきらめない、再生医療で要介護ゼロを目指す~」というテーマで講演。ぶんぶんクラブ会員約300人がメモを取りながら、熱心に聞き入りました。


脳卒中は要介護になる原因の3、4割を占める疾患ですが、発症してもすぐに分からず、治療が遅れて、重症になりがちです。脳の血管が詰まるタイプと、破れるタイプがありますが、近年は血管が詰まる「脳梗塞」が増えています。


本望教授によると、脳梗塞の最大の治療は「予防すること」。高血圧、糖尿病、高脂血症、不整脈は脳梗塞の危険因子です。これらの病気の薬を飲んできちんと治療することが、脳梗塞の最大の「治療」なのです。また「急に力が抜けて、ペンやはしを落とす」「ろれつが回らない」「体の片側がしびれる」などの兆候があったら、すぐに専門医を受診することが大切だそうです。


脳梗塞にかかると、運動麻痺や感覚障害、言語障害などの後遺症があります。現在の治療はリハビリしかありませんが、札医大で「再生治療」の治験が進められています。


再生治療は、患者本人の骨髄幹細胞を取り出し、体外で増やし、点滴で戻すというもの。骨髄幹細胞は体が持つ「自然回復力の本体」ですが、そのままでは脳梗塞を治すには数が足りません。数を増やして点滴してやると、自然に脳の傷んだ部分へ行って治し始め、新しい血管を作り、幹細胞自身は神経に変化します。早い人では、点滴した日のうちに何らかの効果が現れます。1回の治療で、改善効果は半年以上続きます。本人の細胞を使うので副作用も少ないそうです。



再生治療は脳梗塞以外にも、パーキンソン病や蘇生後脳症にも効果が見込まれています。本望教授は「治験はゴールではなくスタート。いろいろな患者、病気に使えるように発展させたい」と結びました。

2014/06/22