合同セミナー発表要旨
    テーマ『放射線技術の向上に向けて』--肝疾患を中心に--



                日本放射線技術学会北海道部会専門部


 日本放射線技術学会北海道部会には,撮影,画像,CT,R1,MR,シネ撮影,治療と7つの専門委員会があり,それぞれセミナーを開催したり,講演会を企画している。

 しかし,時間の関係からすべてを一度に聴講できないこともあり,今回,初の試みとして合同でセミナーを開催することとした。

 ブーマとして選んだ肝臓については,その形態の把握,生理,疾患の検査法,治療に多くの放射線技術,画像技術が必要とされる。特に,緊急処置の必要性や,良性・悪性の判別,機能の評価,などに占める割合は多大であると考える。

 各委員会で,それぞれの分野についてわかりやすく解説してもらい,それらを基にフロアーの皆様と意見交換をして見たいと考えています。

 いつものセミナーは比較的講演の要素が強いようですが今回は,肩の凝らない会にしたいと思いますので,会員各位の御協力をお願いします。

 各委員会の演者と発表内容は以下の通りです。


〈司会・進行〉

                田口 英雄(社会保険中央病院)

                山本 悌二(市立小樽病院)


 まず,司会の方で肝臓の働きや,疾患について,診断の流れ,その歴史等を述べ,肝臓についての認識を再確認する。

〈画像専門委員会〉

                横山 英辰(北海道大学医学部附属病院)


 フィルムやCRTに於ける画像評価について種々の検討がなされている。

 肝疾患に対する検査は,CRT画像を読む物が多くなっている。今回は,CRT表示装置が臨床画像にどの ような影響を与えているのか,一連のCRT画像表示を踏まえて検討した。

〈技影専門委員会〉

                上田 譲司(札幌厚生病院)


 肝臓の画像診断の第一歩である超音波検査について述べる。まず,画像診断上の肝の区域解剖をその描出を基にのべる。また,正常像はどうか,echoのゲインについても考える。さらに,echo検査をするに当たり留意すべき点について解説する。

〈RI専門委員会〉

                荒井 博史(北海道大学医学部附属病院)


 肝に対するRI検査は形態検査としての役割をほぼ終え,現在は機能検査の一つとして,99mTc-GSAを使用した肝機能評価が普及してきている。今回,肝のこの方法について述べ,時間があれば,食事をした時にどう肝機能が変化をするかについて話す。

〈CT専門委員会〉

                阿部 俊男(市立小樽病院)


 最近の螺旋状CTの普及により,検査上の重要性が増した様に思えるが,従来のCTの役割は,現在でも多大である。質的診断への寄与として造影法の検討がなされているのでそれらを述べ,肝の皿流動態にも触れてみたい。また,螺旋状CTの撮影タイミングなども紹介したい。

〈MR専門委員会〉

                信田 修壱(北海道勤労者医療協会中央病院)


 MRIは形態のみならず,機能や代謝に関する情報も採取できる。また,任意の断面を取り出せるという特徴があり,新しい撮像法も開発されている。これらの方法と合わせてMRダイナミックなどを紹介し,治療後の評価なども時間があれば触れてみたい。

〈シネ撮影専門委鼻会〉

                作田 健一(札幌医科大学附属病院)


肝癌治療法としてのTAEなどに対する技師のサイドのサポートについてDSAを利用したこれら検査の方法を検討すると共に,簡単な血管解剖や,皿流の時間的因子も考える。

〈治療専門委員会〉

                外田  稔(市立札幌病院)


 肝癌そのものに対する放射線治療はあまり行われていないが,陽子線治療の報告があるので紹介する。また,肝関連臓器に対する密封小線源治療,リンパ節に対する術中照射,そして広く行われている転移性骨腫傷の治療について言及する。



 以上,一人15分の時間で重点的に話を進めてもらい,補足する部分や質問等を随時おりまぜて会を進行したいと考えていますので,会員各位の御参加をお願いします。



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