放射線機器・薬剤技術発表会
        −−乳房撮影用感材の現状と将来−−



                 座長 小林 雄一


1.乳房協影用感材 現状と将来(アナログ系)

        日本コダック株式会社
        メディカルイメージング事業部
               大久保 伸治


 乳房撮影用感材は,片面増感紙一フィルムシステムの開発と専用装置の導入により,20年余の間にめざましい進歩を遂げている。

 特に欧米ではマンモグラフィーによるスクリーニング検診が一般化しており,被曝線量の低減と病変の早期発見の目的から,高感度,高コントラストタイプのフィルムが主流となっている。

 一方国内においては,従来,精査の為のマンモグラフィーが主流で,撮影件数がそれ程多くないこともあり,欧米と比べてそれ程コントラストが高くない感材系が広く使われている傾向にあった。

 最近では,国内でも乳癌検診にマンモグラフィーを導入する検討がなされており,最適な感材系を再検討する必要があるだろう。体格の違いや乳房の大きさ等により一概に欧米と同様な感材を選択することが最良とは言えないが,今後マンモグラフィーの果たす役割の変化に伴い,最適な感材系の選択が重要な要素になると考えられる。

 今回は,現在使用されている感材の種類と特徴,及びコダック社としての乳房撮影用感材の将来の展望について発表する。


2.乳房撮影用感光材料の現状と将来

        コニカ株式会社医用技術グループ
               竹内 浩美


 マンモグラフィー用のスクリーン/フィルムシステムの設計においては,被曝線童の削減,高画質化のほかに,コントラスト設計も重要な因子と言えます。特に,最近の撮影技術 1) グリッド使用 2) 撮影条件・管球 3) 拡大撮影等を考慮したシステム設計が必要となっております。


 コニカマンモシステム

   フィルム:CM      スクリーン:M−100

        CM−H          M−150

                      M−200


 さらに,設計されたフィルムの感度,コントラストを維持・管理しやすい処理性能も重要な性能です。また,今後の集検化に向けてのマンモ撮影システムの検討も必要と言えます。


3.FCRによる乳房画像の現状と将来

        富士写真フィルム株式会社
        宮台技術開発センター主任研究員
               中島 延淑


 FCRシステムはディジタル画像処理技術を活用して,各種の診断目的に適合したX線画像を安定して提供するのが基本的な考え方である。

 安定したFCR画像を実現する画像処理が自動濃度/コントラスト設定処理であり,各種の診断目的への最適化は各撮影メニューごとに独立に設定可能な階調処理・周波数処理,さらにはダイナミックレンジ圧縮処理などである。

 当会では乳房を対象とした,以下の項目を延べる。

  1. FCRの画像設計
       乳房撮影を目的としたイメージングプレート
       HRタイプ及び,画像処理の設計
  2. FCRのご使用状況
        市場での画像処理条件の使用例及び評価状況
  3. FCRの今後の展開


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