診断学とは
放射線診断学が今日の臨床医学でどういった位置付けになっているのか、例を挙げて説明しましょう。
癌診療での放射線診断の役割
癌の初期診断には
どこに存在するのか
周囲への広がり、浸潤
リンパ節転移の有無
遠隔転移の有無
の評価が重要になります。
正確なstagingが行われないと適切な治療戦略を立てることができません。
放射線診断医はこの領域で中心的役割を果たしています。
画像を見て診断するだけ?
「初期診断をしたら仕事は終わり?」ではありません。治療後の経過観察にはCT・MRI・FDG-PETなどの画像検査が行われます。再発の有無を判断したり、治療効果を評価することも放射線診断医の重要な仕事です。病気のことだけで無く、画像の特性(解像度やスライス厚)も十分理解していないと「増大」・「縮小」・「有意な変化なし」の判断を誤ってしまいます。放射線診断専門医が評価していないと治験は認められませんし、最近の医学雑誌では受理されない傾向にあります。
癌以外では
放射線診断が重要なのは、癌診療に限ったことではありません。整形外科領域の骨・関節評価にMRIは欠くことができません。循環器領域でも、冠動脈や心機能評価にCT・MRI・SPECTは重要な役割を果たしています。
新たな時代
放射線診断は、病変の性質(良悪性鑑別)・広がりや進行度(staging)などの評価にとどまらず、病変の持っている生物学的な悪性度・微細構造などに基づいた治療に対する反応性の予測、つまり「予後予測」にまで領域を広げつつあります。最近の技術革新によるPET/CTやPET/MRの開発により、核医学と従来からの放射線診断学の新たな融合の時代に入り、生まれ変わろうとしています。
いつの時代も新たな分野を切り拓くのは若い力です。放射線診断学領域に関心を抱き、情熱のある人材を求めています。発展途上の新しい医学分野に挑戦してみませんか。