感染・免疫
通称『GENERAL班』、略して『GENE班』と呼ばれております。感染・免疫・内分泌・腎臓・アレルギーの各専門分野をカバーしております。肺炎や気管支喘息のように小児科の中では数多く見られる疾患から、不明熱や不明炎症疾患の鑑別・精査まで幅広く対応しております。常勤スタッフは津川毅教授、要藤裕孝准教授、鎌﨑穂高講師、石井玲助教、長岡由修助教、國崎純助教、野上和剛診療医から成ります。津川毅教授、要藤裕孝准教授は感染症・免疫を、鎌﨑穂高講師、石井玲助教は内分泌を、長岡由修助教は腎臓を、國崎純助教、野上和剛診療医はアレルギーを専門としております。それ以外に非常勤のスタッフとして、膠原病・リウマチ疾患を専門とする木澤敏毅非常勤講師が、附属病院入院患者に対して専門的立場からの診療支援を行っております。
<外来診療>
肝炎外来を要藤准教授が、予防接種外来を津川毅教授が、内分泌外来を鎌﨑穂高講師、石井玲助教が、腎臓病外来を長岡由修助教が、アレルギー外来を國崎純助教、野上和剛診療医が担当しております。詳細はそれぞれのグループ紹介をご参照ください。<膠原病・リウマチ疾患専門外来>
膠原病外来は毎週水曜日の午後に行っております。木澤敏毅(非常勤医師、日本小児科学会専門医、日本リウマチ学会専門医)が担当しており、小児のリウマチ性疾患(若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス等)、不明熱の鑑別、周期性発熱や自己炎症性疾患に至るまで幅広く診察しております。
普通の風邪では説明できないような熱が続く、関節などの痛みが続く、周期的に熱が出るといった症状の患者さんもしくはそのような患者さんを診られている医療機関様におきましてはぜひ気軽にご相談ください。
<ヒトパルボウィルスB19に関する研究の紹介>
ヒトパルボウイルスB19は小児の伝染性紅斑(いわゆる「りんご病」)の原因として知られています。ウイルス自体の偶然による発見は1975年までさかのぼりますが、その後しばらくはヒトへの病原性が不明でした。1981年に先天性溶血性貧血患者の無形成発作(Aplastic Crisis)を起こすことが判明し、1983年に伝染性紅斑の原因であることがはじめて報告されました。1989年に要藤裕孝が札幌医科大学大学院に入学し、千葉峻三教授にテーマとして与えられたのがヒトパルボウイルスB19でした。当時は発見からまだ時が経っておらず、このウイルスに関して知られていることはまだ多くはありませんでした。Polymerase Chain Reaction(PCR)法というDNAを増幅し高感度に検出できる手法が出てきたのもその時期でした。武蔵村山市にある国立感染研究所にて、研修生として3ヵ月間ヒトパルボウイルスB19の基礎を松永泰子先生に学んだ後、札幌に戻り実験を始めました。大学の小児科研究室に保存してあった様々な疾患の凍結血清に関して、ヒトパルボウイルスB19が検出されるものはないかとローラー作戦を開始いたしました。
その結果として、まず脳炎・脳症を起こした症例を見いだし報告いたしました(Yoto Y et al. Lancet.1994;344:624-625)。また、当時川崎病の原因としてヒトパルボウイルスB19が関与しているとの報告に対して、否定的なデータを持っていたため反論いたしました(Yoto Y et al. Lancet.1994;344:58-59)。その後、原因不明の急性肝炎にヒトパルボウイルスB19感染例が関与していることを明らかにし、Lancetへ短報ながらも原著にて掲載することができました(Yoto Y et al. Lancet. 1996;347:868-9)。また、脳炎・脳症に関してはデータを揃えてあり、他の報告に対して補完する目的でのLetterを投稿しております(Yoto Y et al. Lancet. 2001;358:2168)。
2002年に米国ミズーリ大学に研究留学した際には、ヒトパルボウイルスB19の(mRNA)転写調節に関して研究を進めていきました。2005年まで3年間にわたり滞在し、今まで知られていなかった転写産物を発見した結果などをまとめて報告いたしました(Yoto Y et al. J Virol 2006;80:1604-1609, Guan W et al. 2008;82:9951-9963)。
2005年に帰国し再び、札幌医科大学小児科にて研究を続けております。当初のローラー作戦にて見いだした多数の血清検体に含まれるウイルスDNAの塩基配列を調べることにより、伝染性紅斑の流行期間中に起こるマイナーな遺伝子変異と大流行前に起こるメジャーな遺伝子変化を発見し、(当時)大学院生の鈴木将史医師が報告しております(Suzuki M, Yoto Y et al. J Virol 2009;83:10975-10980)。ウイルスの遺伝子変異の研究はその後和田芳雅医師、朝倉啓文医師に引き継がれており、現在データを整理し投稿準備中となっております。また、様々な疾患ごとへのヒトパルボウイルスB19のDNA定量を石川亜貴医師が調べた結果の論文はすでにアクセプトされており、現在掲載を待っているところです。現在は、鎌田惇医師がLoop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP)法によるヒトパルボウイルスB19の検出系の確立を目指し、研究を進めております。
<胃腸炎ウイルスに関する研究の紹介>
当教室では1970年代より40年以上継続してウイルス性胃腸炎の研究を行ってきました(中尾亨.小児感染症学 1978、秋原他.医学のあゆみ 104:670,1978)。北海道立中央乳児院での急性胃腸炎集団発生例の原因ウイルス(Sapporo agent)の報告による功績が認められ、現在は札幌にちなんで「サポウイルス」と命名されています(Kogasaka R et al. J Med Virol 8:187-193,1981)。その後も同乳児院での急性胃腸炎集団発生例の原因ウイルスの報告(Chiba S et al. Lancet 2:417-421,1986. Nakata S et al. J Infect Dis 181:2029-2032,2000)、急性胃腸炎の入院症例や外来症例での原因ウイルスの報告(Sakai Y et al.Pediatr Infect Dis J 20:849-853,2001. Nakanishi K et al. J Clin Virol 46:94-97,2009)を継続的に行うと同時に、ロタ、ノロ、サポウイルスの診断法(Honma S et al. J Med Virol 65:413-417,2001. Tatsumi M et al. J Med Virol 68: 285-290,2002. Honma S et al. J Clin Microbiol 45:2641-2648,2007.)、分子疫学的特徴(Tsugawa T et al.J Clin Microbiol 44:177-182,2006. Nakanishi K et al. Microbiol Immunol 55:657-660,2011. Nagaoka Y et al. J Med Virol 84:832-838,2012. Tsugawa T et al. J Gen Virol 96:590-600, 2015)や病原性(Tsugawa T & Hoshino Y. Virology 380:344-353,2008. Tsugawa T et al. J Virol 88:5543-5558, 2014. Tsugawa T & Tsutsumi H. Infect Genet Evol 45:6-10, 2016)との関連を報告しています。また、先進国で初となる「G8型ロタウイルス胃腸炎流行の分子疫学・臨床像の解析」を報告した(Kondo K et al. Emerg Infect Dis 23:968-972, 2017)現在、津川毅教授はAMED研究開発「下痢症ウイルス感染症の分子疫学および流行予測に関する研究」において研究分担者として「下痢症ウイルスのゲノム網羅解析および分子疫学と臨床的特徴に関する研究」を行い、赤根祐介大学院生は日本で初となるウマ様G3型ロタウイルス胃腸炎の地域的流行の分子疫学的特徴」、本庄紗帆大学院生は「成人散発性ノロウイルス胃腸炎の分子疫学的特徴」を主なテーマとして研究を行っています。また、津川教授は厚生労働省「ロタウイルスワクチン作業班」構成員(2012~2015年)、日本小児感染症学会 評議員、日本小児保健協会「予防接種・感染症委員会」委員、日本ウイルス学会誌「ウイルス」編集委員(2014〜2017年)、「日本小児消化管感染症研究会」世話人、「ウイルス性下痢症研究会」幹事などの学会活動も積極的に行っています。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、ICD(infection control doctor)
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医、日本感染症学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本内分泌学会(小児科)専門医・指導医、日本小児内分泌学会評議員、札幌市マススクリーニングコンサルタント医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、臨床遺伝専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本腎臓学会専門医、日本透析学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会小児科専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医・指導医
〔小児科/教授〕津川 毅(平成10年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/准教授〕要藤 裕孝(平成元年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/講師〕鎌﨑 穂高(平成2年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/助教〕石井 玲(平成12年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/助教〕長岡 由修(平成15年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/助教〕國﨑 純(平成22年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕野上 和剛(平成23年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科リウマチ外来非常勤講師〕木澤 敏毅(平成11年 札幌医科大学 卒業)
内分泌・代謝
<小児内分泌外来>
- 小児内分泌疾患(主に成長障害、甲状腺疾患、副甲状腺疾患、副腎疾患、性成熟異常、性分化疾患、骨系統疾患、糖尿病など)の診療を行なっており、鎌﨑穂高(講師)、石井玲(助教)が担当しております。日本内分泌学会の認定教育施設になっており、大学病院の診療のほか複数の関連施設でも専門診療を行ない連携しております。札幌市新生児マススクリーニング(内分泌)相談も担当しております。
- 小児の内分泌疾患には様々なものがありますが、以下のような症状でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談下さい(外来は予約制です)。
- 低身長(身長が低い)
- 高身長(身長が高すぎる)
- 多飲,多尿
- 夜尿
- 肥満,メタボリックシンドローム
- 学校検尿で尿糖陽性,
- 糖尿病(1型、2型)
- 思春期早発(乳腺腫大,陰毛,性器出血)
- 思春期遅発(生理が出現しない)
- 多毛
- 甲状腺が腫れている
- 外性器異常,小陰茎,尿道下裂など
- 新生児マススクリーニングで精密検査が必要と言われた
- 「低身長」「生活習慣病」「夜尿症」の診療につきましては札幌医科大学附属病院ホームページもご参照下さい。
- 私たちは内分泌・代謝の視点からこどもたちの健康と未来をみつめる診療を心がけております。
<小児生活習慣病外来>
- 肥満・メタボリックシンドロームに関しては小児生活習慣病外来に特化して診療しております。鎌﨑穂高(講師)が担当しております。
小児の生活習慣病(肥満)は将来にわたって様々な疾病のリスクになることが知られており、早期からの予防が重要です。当科では栄養指導、運動指導、行動療法等を取り入れた専門診療を行なっております(外来は予約制です)。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本内分泌学会(小児科)専門医・指導医、日本小児内分泌学会評議員、札幌市マススクリーニングコンサルタント医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、臨床遺伝専門医
〔小児科/講師〕鎌﨑 穂高(平成2年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/助教〕石井 玲(平成12年 札幌医科大学 卒業)
血液・腫瘍
<臨床>
小児の血液疾患(再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少症、凝固異常症など)、悪性腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、神経芽腫、脳腫瘍、骨肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫など)に関して全国・国際標準の治療を行っており,常時15~20名の入院治療を担当しています.小児の悪性腫瘍は比較的まれな疾患であるため、今後治療法を発展させてゆくためには、多施設が協力して臨床試験を行う必要があります。血液・腫瘍グループは、日本小児がん研究グループ(JCCG)に参加し、小児がんの臨床試験に登録することにより、最先端の治療を行っています。固形腫瘍の患者さんについては、当院外科系各科および北海道立子ども総合医療・療育センター血液腫瘍内科・小児外科とも連携し診療にあたっています。
同種造血幹細胞移植は,病棟の無菌室2床で年間5-10例行っており,難治性の悪性固形腫瘍に対しては自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行っています。
近年はがんゲノム解析によって、小児がんの詳細な遺伝子異常を解析し、分子標的療法の適応なども検討しています。
<研究>
上記の全国規模の臨床研究以外に、造血幹細胞移植後の重大な合併症の一つである移植片対宿主病に関する研究や造血幹細胞移植時の免疫抑制状態でのウイルス感染や再活性化に関する基礎研究も行っています。スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本血液学会専門医・指導医、日本小児血液がん学会専門医・指導医・評議員、日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本血液学会血液専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会小児科専門医・指導医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会小児科専門医
〔小児科/講師〕山本 雅樹(平成10年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/助教〕赤根 祐介(平成23年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕家里 琴絵(平成17年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕浜田 亮(平成24年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕甲谷 紘之(平成25年 札幌医科大学 卒業)
心臓・循環器
医療の進歩にともない診療科はより多様化しているのが現状です。小児科も例外ではなくその診療体系から内科系・外科系と単純に分けるとすれば内科系と考えられ小児科内でも成人の内科と同じに専門化しております。われわれ、小児科心臓班の診る疾患も多岐にわたり先天性心疾患は当たり前ですが、小児科特有の後天性心疾患である川崎病をはじめとして不整脈、心筋疾患、心臓腫瘍、そして感染性心内膜炎などの感染症など本当に枚挙に暇がありません。
その診察する年代も、皆さんの想像を遙かに超えております。たとえば胎児の心エコーで気づかれる心疾患の患者さんからお年寄りの心不全で見つかり、精査してもわからず初めて我々に紹介されて明らかになる先天性心疾患患者さんなど生まれていない胎児からお年寄りまで患者背景も何もかも本当に多種多様です。
そのため診断に関する知識および手技にも多岐に及びます。触診および聴診などで五感を研ぎ澄まし診察すると同時に心電図、レントゲン写真、超音波検査、CT、MRI、RI検査などのモダリティを駆使して診察にあっております。そして診断精度は上がっていく反面、それらのモダリティの進歩について行くために日々精進しております。
その証のひとつとして平成25年より胎児心臓病学会より胎児心臓超音波検査専門施設に認定されております。
加えてカテーテルデバイスの進歩により以前では開心手術でしか治せなかった疾患もカテーテルで治療可能となってきております。
また、われわれが住んでいる北海道は広大な面積を有しこれをカバーするために地域の中核病院や他の小児循環器を専門とする諸先達の方々と連携して患者さんの診察および治療にあたっております。
しかし、医療の専門化に伴う知識・技量を会得するために邁進しなければならないこと、他の施設や医師との綿密なる連携の必要性は、我々に限ったことではなく、医療を志すものとしてごくごく当たり前のことであります。
ただ、われわれが他の医師とは違うところは小児科医であることです。すなわち、総合的に『ひと』を診察しております。人間は、脳・心臓・消化器などとパーツパーツで生きているわけではありません。一つ一つのパーツを専門とし治療に当たるのも重要ですが、われわれは、小児科医として『こども』を診ているわけです。たとえ生まれる前の胎児から壮年期の方であっても循環器を専門としながらその先に『ひと』を診ているつもりでおります。
現在、我々大学の小児科心臓班は以下の2名で診察にあたっております。
札幌医大小児科循環器グループに興味をお持ちの学生、研修医の方の見学をお待ちしております。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本小児循環器学会専門医
〔小児科/助教〕和田 励(平成16年 旭川医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕春日 亜衣(平成13年 札幌医科大学 卒業)
児童精神
<児童思春期こころと発達外来について>
札幌医科大学小児科では昭和37年に精神衛生外来を開設し、昭和60年からは氏家武医師が主導してきました。自閉症や発達相談に始まり、時代とともに不登校や心身症、摂食障害などで悩むこどもが増えてきました。また、広汎性発達障害や注意欠陥多動障害など発達障害がクローズアップされるようになり、様々な問題が表面化してきました。こどものこころと発達の問題に関する社会のニーズが高まるにつれて、外来受診者数も増加の一途を辿るようになりました。そのため、札幌医科大学小児科では精神科と協力の上、平成19年4月より「児童思春期こころと発達外来」を立ち上げました。
平成24年度からは、精神科の業務を見直し、初診対象年齢を15歳以下(中学生以下)としています。平成26年度の医師スタッフは、須見よし乃(小児科医)、國重美紀(小児科医)、増山裕太朗(小児科医)、館農勝(精神科医)です。また、手代木理子、谷内早苗、上出真奈、三崎千鶴子、岩瀬貴嗣の5名の臨床心理士が、心理検査や遊戯療法、カウンセリングなど心理療法を行い、医師と協力してこころの診療にあたっています。
<診療について>
院内および院外医療機関と連携を取って、診療に当たっています。その他にも、療育機関、教育機関、保健センターや児童相談所などと連携を図っています。外来は、新患、再診とも完全予約制を取らせていただいています。新患の場合、症状や背景を詳しく聞くため診察時間を多めにとる必要があり、予約までの期間が長くなる場合があります。ご不便をかけて申し訳ありませんが、ご了承下さい。入院は一般小児科病棟で、主に摂食障害や身体症状を有するケースが対象になっています。
対象疾患は、発達障害、不登校、心身症、不安神経症、摂食障害などです。(詳しくは、下の表を参照。)小児科という特徴を生かし心身両面の治療を行うことが、当外来の大きな特色となっています。
<対象疾患>
- 発達障害:広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)、注意欠如多動性障害、学習障害、知的障害など
- 行動上の問題:不登校、いじめ、ひきこもりなど
- 心身症:起立性調節障害、過敏性腸症候群、頭痛など
- 摂食障害、気分障害、不安障害(社交不安障害、強迫神経症、過換気症候群など)
- 排泄や睡眠の問題
- チック、習癖(爪噛み、抜毛など)
- 慢性疾患に伴うストレスから生じたこころの問題
- 環境要因が影響するこころの問題
<平成25年度のデータ>
新患者数 | 189人 |
---|---|
年間外来患者 | 3833人 |
心理件数 | 1357件(うち心理検査341件) |
入院 | 13人(うち摂食障害9例) |
新患内訳 (他精神疾患との重複含む) |
|
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
〔小児科/助教〕國重 美紀(平成9年 島根医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕増山 裕太郎(平成22年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科児童思春期外来非常勤講師〕下村 遼太郎
神経・筋
<グループ紹介>
札幌医科大学小児神経グループでは急性疾患から慢性疾患まで全ての小児神経疾患に対応しています。
1、対象疾患
- 発達の遅れの原因検索や治療
- けいれんの原因検索や治療
- 変な運動(突然ぴくっとしたり、奇妙に手足を動かしたり)の原因検査や治療
- 運動障害(最近転びやすい、力が入らない、目の動きがおかしい)の原因検査や治療
- 感覚異常(しびれや頭痛)の原因検査や治療
- 意識、睡眠障害の原因検査や治療
対象疾患は、てんかん、脳症、末梢神経筋疾患、重症心身障害、脳奇形、変性疾患、先天性代謝異常、頭痛、不随意運動など多岐にわたります。
2、大学病院小児神経チームの特徴
てんかん、てんかん様運動に対する長時間ビデオ脳波モニタリング
てんかんに対しては、検査部での脳波検査だけでなく、主に発作時脳波や間際らしい運動の鑑別目的に長時間ビデオ脳波モニタリングを行っています。興奮やこだわりのため脳波をなかなかつけさせてくれない方にも長時間脳波だとうまくいくことが多いです。
また難治症例に対しては、外科適応を含め、各科(脳神経外科、神経科学、リハビリテーション科、神経内科)と院内の脳機能カンファレンスに症例提示し、連携して治療にあたっています。
脳炎・脳症に対する集中治療
院内ICUと協力して、脳炎・脳症に対し、持続脳波モニタリングのもと集中治療(大量ステロイド療法、脳低温平温療法、血漿交換療法)を行っています。
<最近の急性脳症症例数>
2014年度 4例
2015年度 5例
2016年度 3例
2017年度 0例
2018年度 8例
2019年度 10例
2020年度 1例
2021年度 2例
神経筋疾患に対する呼吸器、非侵襲的呼吸器、呼吸リハビリテーション導入、呼吸評価
筋疾患や重症心身障害児などに対し、医療法人稲生会のスタッフの協力のもと、呼吸評価、呼吸器導入を行っています。
筋疾患、神経疾患に対する電気生理学的検査、筋・神経生検
末梢神経伝導検査、反復筋電図、針筋電図を行っています。また神経内科と協力して、単線維筋電図により重症筋無力症の診断や評価を行っています。
<最近の生検数>
2013年度 筋生検1例
2014年度 0例
2015年度 筋生検4例 神経生検1例
2016年度 筋生検3例
2017年度 筋生検2例
2018年度 筋生検5例
2019年度 筋生検4例
2020年度 筋生検1例
2021年度 0例
原因不明の疾患に対する各種検査、遺伝子解析
まずは原因不明疾患に対して、全身検索として、丁寧な身体所見診察、画像検査(MRI、CT、SPECT、PET)、電気生理学的検査(脳波、末梢神経伝導検査、筋電図)、検体検査(血液、尿、髄液)、耳鼻科・眼科的診察などを行い、障害部位やその特徴をはっきりさせます。それでも原因不明の疾患に対しては、全国の各研究機関と協力して網羅的遺伝子解析を行っています。新しく発症した方ばかりでなく、長年未診断だった方も最近の診断技術の進歩から診断に至ることもあります。
ポリソムノグラフィーによる睡眠評価
睡眠障害の精密検査として、無呼吸モニター、ポリソムノグラフィー、長時間ビデオ脳波モニタリングを行い、睡眠評価を行います。
<研究内容>
レスベラトロールの筋疾患に対する臨床応用について薬理学講座の協力の元、川村医師を中心に行っています。また難治てんかんに対する骨髄間葉系幹細胞による新規治療法開発の研究について、福村医師により神経再生医療講座の元で行っています。スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・評議員、臨床遺伝専門医、日本てんかん学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
〔小児科/講師〕福村 忍(平成14年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕山本 晃代(平成21年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕土田 晃輔(平成24年 札幌医科大学 卒業)
参考:当院および関連施設での経験症例(疑い例を含む)
数字 | 14番染色体父親性ダイソミー (UPD(14)pat) 症候群 |
---|---|
14番染色体母親性ダイソミー (UPD(14)mat) 症候群 | |
18qモノソミー | |
1p36欠失症候群 | |
22q11.2欠失症候群 | |
4pモノソミー症候 | |
5pモノソミー症候群 | |
英字 | Aarskog-Scott症候群 |
Aicardi症候群 | |
Allan-Herndon-Dudley症候群(MCT8異常症) | |
Angelman症候群 | |
ATR-X症候群 | |
Beckwith-Wiedemann症候群 | |
Bickerstaff型脳幹脳炎 | |
Branchio-oto-renal (BOR)症候群 | |
Cardio-facio-cutaneous (CFC)症候群 | |
Charcot-Marie-Tooth病 | |
CHARGE症候群 | |
COL4A1-related disorder | |
Colpocephal | |
Cornelia de Lange症候群 | |
Cowden病 | |
Dandy-Walker症候群 | |
Down症候群 | |
DRPLA(歯状核赤核橋ルイ体萎縮症) | |
Goldenhar症候群 | |
Guillain-Barre症候群(GBS) | |
Hopkins症候群 | |
Horner症候群 | |
HPRT欠損症(Lesch-Nyhan症候群・Kelley-Seegmiller症候群) | |
Joubert症候群を含む小脳虫部低形成/無形成 | |
Kabuki(Niikawa-Kuroki)症候 | |
Kallmann症候群 | |
Klippel-Feil症候群 | |
Larsen症候群 | |
Lowe症候群(眼・脳・腎症候群) | |
Marinesco-Sjogren症候群 | |
Megalencephaly-capillary malformation-polymicrogyria(MCAP) | |
Miller-Dieker症候群 | |
Mobius症候群 | |
Mowat-Wilson症候群 | |
PKCもしくはPKD(発作性運動誘発性ジスキネジア) | |
PNKD(発作性非運動誘発性ジスキネジア) | |
Rasmussen脳炎 | |
Rett症候群 | |
RPLS/PRES | |
Sjogren Larsson症候群 | |
Stiff-person症候群 | |
Sydenham舞踏病 | |
Tolosa-Hunt症候群 | |
Turner症候群 | |
Vogt-小柳-原田病(ぶどう膜髄膜脳炎) | |
Walker-Warburg症候群 | |
X連鎖性遺伝性水頭症(XLAG) | |
X連鎖精神遅滞症候群 | |
あ | アトピー性脊髄炎 |
アレキサンダー病 | |
アレキサンダー病 | |
亜急性硬化性全脳炎 | |
い | インフルエンザ脳症 |
異所性灰白質 | |
異染性脳白質ジストロフィー | |
遺伝性ジストニア | |
遺伝性圧脆弱性ニューロパチー | |
遺伝性痙性対麻痺 | |
お | 横断性脊髄炎 |
か | 海綿状血管腫 |
外眼筋炎 | |
外傷性急性硬膜外血腫 | |
外性器異常を伴うX連鎖性滑脳症 | |
核間性眼筋麻痺(内側縦束症候群) | |
滑脳症 | |
川崎病(中枢神経系合併症) | |
眼球運動失行と低アルブミン血症を伴う早発型失調症 | |
き | キアリ奇形 |
急性ウイルス感染症 (単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1),2型(HSV-2) ・サイトメガロウイルス (CMV)・エンテロウイルス71型・麻疹ウイルスなどによる脳炎,脊髄炎,髄膜炎,神経根炎,末梢神経炎など) |
|
急性散在性脳脊髄炎(ADEM) | |
急性小脳炎 | |
球脊髄性筋萎縮症 | |
巨大大槽 | |
巨頭症 | |
巨脳症 | |
く | くも膜下出血 |
クラッベ病 | |
グルコーストランスポーター1欠損症症候群 | |
クロイツフェルト・ヤコブ病 | |
け | 結節性硬化症 |
結節性多発動脈炎 | |
こ | ゴーシェ病 |
ゴーリン症候群 | |
コケイン症候群 | |
孔脳症 | |
抗NMDA受容体脳炎 | |
抗VGKC複合体抗体を伴った辺縁系脳炎 | |
高フェニルアラニン血症(フェニルケトン尿症) | |
高血圧性脳症 | |
さ | サルコイドーシス |
細菌性髄膜炎 | |
し | シトリン欠損症―成人型シトルリン血症 |
視神経脊髄炎 | |
若年性パーキンソン病 | |
周期性失調症 | |
重症筋無力症 | |
出血性脳梗塞 | |
小頭症 | |
小脳形成異常・小脳低形成 | |
小脳梗塞 | |
松果体嚢胞 脈絡叢嚢胞 | |
色素性乾皮症 | |
心原性脳塞栓症 | |
神経セロイドリポフスチン症 | |
神経線維腫症 | |
す | 水無脳症 |
髄鞘形成異常症 | |
せ | 瀬川病(ドパ反応性ジストニア:DYT5ジストニア) |
脆弱X症候 | |
脆弱X症候群 | |
脊髄空洞症 | |
脊髄脂肪腫 | |
脊髄腫瘍 | |
脊髄小脳変性症 | |
脊髄性筋萎縮症(Werdnig-Hoffmann病・Kugelberg-Welander病) | |
脊髄動静脈奇形 | |
先天性グリコシル化異常症(CDG症候群) | |
先天性水頭症 | |
先天性大脳白質形成不全症 | |
先天性皮膚洞 | |
線維筋性形成異常症 | |
全身性エリテマトーデスに伴う神経障害(精神神経ループス) | |
全前脳胞症 | |
た | 多小脳回症 |
多嚢胞性脳症 | |
多嚢胞性脳軟化症 | |
多発性硬化症 | |
大腸菌髄膜炎 | |
ち | 中隔視神経異形成 |
中枢神経系血管炎 | |
中枢神経系血管炎 | |
て | 低酸素脳症 |
と | 糖質代謝異常症 |
頭蓋縫合早期癒合症 | |
動静脈奇形(AVM) | |
銅代謝異常症 | |
特発性正常圧水頭症 | |
に | 二分脊椎 |
乳児神経軸索ジストロフィー | |
尿素サイクル異常症(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症など) | |
ね | 捻転ジストニア |
の | 脳幹梗塞 |
脳幹出血(中脳・橋・延髄) | |
脳梗塞 | |
脳硬膜下血腫 | |
脳室周囲結節状異所性灰白質 | |
脳腫瘍後てんかん | |
脳腫瘍後神経障害 | |
脳膿瘍 | |
脳梁欠損症 | |
脳瘤 | |
脳腱黄色腫症 | |
は | 肺炎球菌髄膜炎 |
橋本脳症 | |
反対側(小脳)大脳機能解離 | |
反対側小脳機能解離 | |
ひ | ビタミン依存症 |
皮質下出血 | |
皮膚筋炎・多発性筋炎・封入体筋炎 | |
肥厚性硬膜炎 | |
平山病 | |
ふ | ファブリー(Fabry)病 |
福山型先天性筋ジストロフィー | |
ペリツェウス・メルツバッハー病 | |
ペルオキシソーム病(副腎白質ジストロフィーなど) | |
片側巨脳症 | |
は | ポンペ(Pompe)病 |
傍腫瘍性神経症候群 | |
ま | 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー |
慢性多発性チック症(Gilles de la Tourette 症候群) | |
み | ミトコンドリア病(MELAS・MERRF・カーンズ・セイヤー・CPEO) |
む | ムコ多糖症(MPS) |
め | 免疫介在性脳炎 |
も | もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症) |
モリブデン補因子欠損症 | |
毛細血管拡張性運動失調 | |
ゆ | 有機酸代謝異常症 |
り | 良性遺伝性舞踏病 |
れ | 裂脳症 |
新生児
当院新生児集中治療部門(Neonatal Intensive Care Unit, NICU)は平成18年1月1日に認可を受け、現在6名の専属の小児科医が診療に当たっています。早産児・低出生体重児の管理を中心に、新生児呼吸管理、新生児循環管理を行い、特に、リスクのある赤ちゃんのintact survival(障害なき生存)を目指して、肺に優しい呼吸管理、早期抜管からNasal CPAP、DPAPの管理、低血圧許容の循環管理、ガイドラインに基づいた未熟児動脈管開存症の管理、また、重症例に対応すべく、一酸化窒素吸入療法、脳低温療法が行える体制も整えています。
母体合併症や胎児診断例などのリスクのある母児に対して、医療の専門化、高度化の流れの中、大学病院としての利を生かして関係各科との連携や、外科対応が必要な疾患においては北海道立子ども総合医療・療育センター(コドモックル)とも密に連携し、あらゆる事態に対応できる体制を取っています。
日常の診療において、特に健やかな成長発達を促すことを目指して、ディベロップメンタルケアの一環としての赤ちゃんのポジショニング、両親によるカンガルーケアに加え、リハビリ科と連携して、新生児期早期の神経発達評価に基づく早期介入も行っています。
また、最新の新生児蘇生法を習得してもらうように、医師、助産師、看護師を対象とした新生児蘇生法講習会を定期的に開催しています。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本周産期新生児医学会専門医(新生児)、新生児蘇生法専門コースインストラクター
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、日本周産期新生児医学会専門医(新生児)、新生児蘇生法専門コースインストラクター、国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC®)
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、新生児蘇生法専門コースインストラクター
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医、日本周産期新生児医学会専門医(新生児)、新生児蘇生法専門コースインストラクター
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、新生児蘇生法専門コースインストラクター
〔小児科/産科周産期科 助教〕坂井 拓朗(平成18年 札幌医科大学 卒業)
〔周産期科/助教〕五十嵐 リサ(平成8年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕寺田 光次郎(平成19年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/診療医〕房川 眞太郎(平成21年 札幌医科大学 卒業)
〔小児科/大学院生〕本庄 紗帆(平成22年 旭川医科大学 卒業)
遺伝
先天異常を中心とした遺伝性疾患のお子さんの診療を専門とする外来です。
- 原因不明の多発奇形・発達遅滞のお子さんの診断
生まれつき何らかの形態的あるいは機能的異常を有することを先天異常といいます。先天異常は一般集団の約3-5%に認められ、その多くは原因がはっきりしません。先天異常は根本的治療が困難ですが、正しい診断をすることによって、診断に基づいて健康や生活に関する正しい情報を親御さんに還元することができます。そして疾患の自然歴を知ることで、今後起こりやすい合併症や行動特性を考慮し、適切な健康管理や治療を行い、療育や教育の支援をしていくことができます。
確定診断のために、お子さんの身体的特徴や成長・発達の過程、家系内の疾患情報などを参考に診察し、必要に応じて遺伝学的検査を含めた様々な検査を行います。
丁寧な診察とわかりやすい説明を心がけて診療致します。◆未診断疾患イニシアチブ(IRUD)について
大学・研究機関・検査会社などと連携しながら行っております。
保険診療内で可能な検査もございます。◆遺伝学的検査について
未診断疾患イニシアチブ Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases(IRUD)とは、日本全国の診断がつかずに悩んでいる患者さんに対して、遺伝子を幅広く調べ、その結果と患者さんの症状を照らし合わせることで、患者さんが罹患している稀な病気または新しい病気の診断と原因解明を目的とする研究事業です。 さまざまな症状を持ちながら、これまで確定診断がつかずにお悩みの方はご相談ください。
参考(IRUD専用HP):http://web.sapmed.ac.jp/genetics/irud/ - 遺伝性疾患をもつお子さんの健康管理
遺伝性疾患(多発奇形症候群・染色体異常症、骨系統疾患など)の多くは、合併症が多岐にわたり、症状がさまざまな臓器にそれぞれ異なった時期から出現することもまれではありません。それぞれの合併症に対して各診療科と連携しながら、お子さんの年齢や状態に配慮して定期的に健康管理を行います。また必要に応じた療育や教育の支援もご提案いたします。 - 遺伝カウンセリング
「遺伝性疾患」あるいは「先天的な疾患」と聞くと不安を抱かれるご家族も多いと思います。当外来では認定遺伝カウンセラーと共に、遺伝カウンセリングにも対応しております。 その体質、疾患とはどういうものか、どのように家系内(きょうだいや次の世代)に伝わっていくか、などそれぞれのお悩み、不安に耳を傾けながら丁寧に説明させていただきます。
尚、次のお子さんの出産に与える影響について心配されている方には、院内の臨床遺伝外来をご案内していますので、ご相談ください。
臨床遺伝外来HP:http://web.sapmed.ac.jp/genetics/clinic/ - 移行医療の調整
先天異常、遺伝性疾患は生涯付き合っていく症状や、成人期以降に発症する合併症も少なくありません。生涯に渡り適切な医療を提供し続けるために、適切な時期に成人医療への移行をコーディネートさせていただきます。当院には臨床遺伝外来があり、同じ医師が担当しているため、遺伝性疾患をもつ成人の方、もしくはお子さんと同じ体質をもっている成人のご家族の方は臨床遺伝外来にてフォローさせていただくことも可能です。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医・指導医、臨床遺伝専門医・指導医、日本人類遺伝学会評議員
〔遺伝医学/助教〕〔遺伝子診療室/副室長〕石川 亜貴(平成12年 札幌医科大学 卒業)
参考:これまでの経験症例(疑い例含む)
- ダウン症候群
- ウィリアムズ症候群
- アンジェルマン症候群
- ヌーナン症候群
- CFC症候群
- CHARGE症候群
- Waardenburg症候群
- 外胚葉異形成症
- クリッペル・ファイル症候群
- ルビンシュタイン・テイビ症候群
- Saethre-Chotzen症候群
- Kleefstra症候群
- 神経線維腫症1型
- 先天性無虹彩症
- CINCA症候群/NOMID
- シルバー・ラッセル症候群
- アペール症候群
- ソトス症候群
- PTEN過誤腫症候群
- Kabuki症候群
- 結節性硬化症
- Myhre症候群
- マルファン症候群
- エーラス・ダンロス症候群
- ビールス症候群
- 先天性QT延長症候群
- ブルガダ症候群
- Lelli-Weil症候群
- OAV spectrum
- 大理石骨病
- 片側肥大症
- 伊藤白斑
- ヤング・シンプソン症候群
- クラインフェルター症候群
- 筋強直性ジストロフィー
- 先天性福山型筋ジストロフィー
- 染色体異常症(不均衡型転座、 微細欠失症候群等)
- 先天奇形症候群
- 精神運動発達遅滞
- 発達障害
- 自閉症
ご紹介いただく患者さまは、稀少疾患であることが多く、患者さまやご家族へ最新の医療情報や心理社会的支援を提供するために、事前準備が必要です。お手数ですが、ご紹介いただく際には、ご家族へお渡しする診療情報提供書と同じ資料を、事前に郵送いただけると幸甚に存じます。
また当科における診断、 検査、 治療が一段落した場合は、 定期的なフォローアップを貴施設でお願いすることがあります。 その際には診療協力の程宜しくお願い致します。
石川 亜貴 〒060-8556 札幌市中央区南1条西17丁目
札幌医科大学医学部 遺伝医学/札幌医科大学附属病院 遺伝子診療室
TEL:011-611-2111(内線 27950) FAX:011-688-5354
腎臓
小児腎臓・小児泌尿器の病気を担当します。
- 偶然発見された尿検査異常や腎機能障害
- 3歳児検尿や学校検尿で勧められた精密検査
- 見た目に明らかな血尿
- 日中の漏れを伴う夜尿症
- 胎児エコーで見つかった水腎症や嚢胞性腎疾患
- 尿路感染症後の腎尿路異常検査
などを扱っています。
身体計測、血圧測定、尿検査を基本として、血液検査や、超音波・CT・MRI・シンチグラムなどの画像検査を行います。尿検査異常や腎機能障害が続く場合は腎生検を行い、病理診断に基づいた診断・治療を行います。
腎尿路異常が疑われる場合は、必要に応じて排尿時膀胱尿道造影検査を行います。外科的な評価や治療が望ましいと判断した場合は、北海道立子ども総合医療・療育センター泌尿器科と連携して診療にあたります。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医、日本腎臓学会専門医、日本透析学会専門医
〔小児科/助教〕長岡 由修(平成15年 札幌医科大学 卒業)
アレルギー
<診療について>
現在は食物アレルギーを中心とした診療を行っています。食物アレルギーの方には、他のアレルギー性疾患、例えば、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎をもつ方も多く、それらに関してもあわせて診療を行っています。また、スギ・ダニに対する舌下・皮下免疫療法も行っています。
食物アレルギーについては、2019年5月より入院での食物経口負荷試験を開始しています。現在は、一部の方に外来でも経口負荷試験を行っています。負荷試験後は、一般的な食事指導も行っていますが、早期に自然獲得が困難な症例を対象に経口免疫療法も行っています。
<当院における食物経口負荷試験について>
食物経口負荷試験は、食物アレルギーの診断や診断後の治療に重要な検査です。当院では主に1泊2日入院で検査を行っています。
9時頃 | 入院 |
10時頃 | 検査開始 |
14~15時頃 | 検査終了 |
夕方 | 検査結果の説明、今後の栄養指導など |
翌朝 | 退院 |
<新規に受診を希望される方へ>
当科では現在、紹介状をお持ちの方のみの予約受付とさせていただいております。受診を希望される方は、まずかかりつけ医に御相談いただけますよう宜しくお願い致します。
受付時間は、毎週月曜の朝9時~11時半、13時~15時半となっています。
<医療機関の先生方へ>
御紹介いただく際には、御家族へお渡しされる診療情報提供書と同じ資料を、事前に郵送いただけますと幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。
患者さんに行き過ぎた生活制限を強いることなく、最新の知見を取り入れたアレルギー診療をもとに具体的な指導を行えるように心がけています。お困りの際は、御相談ください。
スタッフ
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医
- 資格・学会認定:
- 日本小児科学会専門医