NHKつながる@きたカフェ「からだQ&A」に耳鼻咽喉科学講座高野賢一助教が出演

12月28日放送:NHKつながる@きたカフェ「からだQ&A:飲み込みトラブル」に耳鼻咽喉科学講座・高野賢一助教が出演しました

つながる@きたカフェ

つながる@きたカフェ 12月28日放送

NHK つながる@きたカフェ
「からだQ&A:飲み込みトラブル」に耳鼻咽喉科学講座高野賢一助教が出演しました。


○放送日時:12月28日(火)放送 午前11時30分から12時
○NHK 『つながる@きたカフェ』 からだQ&A


<放送概要>
○今回のテーマは「飲み込みトラブル」です。毎年正月になると「おもち」をのどに詰まらせる窒息事故が後を絶ちません。そうした飲み込みトラブルによる事故を防ぐために、お話をうかがいました。

* Q.年始にかけ、飲み込みトラブルによる事故は多い?
o 正月には「お餅」を食べる機会が多いことから、特にお餅による窒息事故が増えます。
o 昨年度の札幌市のデータによると、お餅による窒息事故は、12月から1月にかけてがもっとも多いことがわかっています。
o 医療機関に緊急搬送された人のうち、軽症よりも死亡や入院治療が必要な重症になる割合が高い。
* Q.年齢別で見ると70歳以上の方が多い理由は?
o 一番の理由は加齢による飲み込み機能の低下ですが、さらに脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)の後遺症や、口腔内のがんなど、さまざまな病的要因が含まれている場合があります。
* Q.飲み込み機能の低下を知る方法は?
o 以下のような症状が見られる場合は、一度専門医に見ていただくとよいでしょう。
1. 食事中や食後にむせたり咳が出る。
2. 飲み込むときに、のどにつかえる感じがする。
3. 飲み込んだ後も、口の中に食べ物が残っている。
4. 食事中や食後に痰がからんだような声になる。
* Q.特に注意が必要な症状は?
o 「のど詰まり」と「むせ」です。
o 食べ物がのどに詰まっているように感じることが多い場合は、「お餅」のような粘りがあって飲み込みづらいものや、パンなどパサパサしてまとまりにくい食べ物の場合、のどに詰まると窒息する可能性があるので、注意が必要。
o 食事中むせたり咳が出る場合は、食べ物が食道を通らず、気管へ流れ込んでいる可能性が考えられます。
口の中の細菌が食べ物とともに気管に入り込むと、「誤嚥(ごえん)性肺炎」を引き起こすことがあります。
o 誤嚥性肺炎は、高齢者など、飲み込みの機能が弱まった方に多く見られ、高齢者の場合死に至る場合も多く見られます。
* Q.飲み込みトラブルの予防法はありますか?
o 食事中にいつまでも、ごはんが口のなかに残ってしまうような場合は、はじめから、お餅などの詰まりやすいものは避けるのが良いと思います。
o 食べる場合は、次のことに注意してください。
1. 小さく切って少しずつ食べる(もちは雑煮などで溶かして風味を味わう)
2. 十分にかむ
3. 口の中を湿らせる(食事の前に一口飲み物を含む、お茶などを用意する)
4. 食事をするときの姿勢も大切。あごを少しひいて飲み込むと、食べ物が気管に入りにくくなる。
* Q.詰まったときの応急手当は?
o 意識がある場合は、せき払いをするようにして詰まりを除く。
o 改善しない場合は呼吸が困難そうであれば、まず救急車の手配をする。
o 詰まったものが見える場合は指でかき出す(無理はしないよう注意)。
指を噛まれたり、詰まったものを押し込んでしまわないよう注意
o 腹を上方に圧迫する。
片方の手は握りこぶしで、もう片方の手で握る。おへその少し上あたり(胸骨上ではなく)を、手前上方に圧迫するように突き上げる

※妊婦や乳児の場合はこの方法は取らない。

o 詰まったものが見えない場合
1. 後ろから片手で胸あるいは顎を支えてうつむかせる。
2. 片方の手の付け根で左右の肩甲骨の間を、強く4~5回連続して叩く。
3. 口の中を見て、詰まったものが出てきたら取り除くなど

身体の弱いお年寄りや小さな子どもには、力を入れすぎないように十分注意をしてください。
また、掃除機で詰まったものを取り除いた例がありますが、のどの粘膜や肺を炒める可能性もあるので、緊急時の最終手段と考えてください。

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情報発信元
  • 経営企画課広報