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アレルギー疾患(気管支喘息・アレルギー性鼻炎)・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

1)強制オシレーション法を用いた呼吸抵抗評価

機器の写真
気管支喘息、COPD、間質性肺炎症例を中心として強制オシレーション法を用いた呼吸抵抗評価を行っています。
当院では詳細な呼吸機能検査を施行することができ、この値と比較的新しい総合呼吸抵抗計であるMostgraph-01(チェスト株式会社)を用いて、発作時・非発作時の状態や、臨床病期毎のデーターや疾患毎のデーターの差異を解析し、それぞれについて起こりうる呼吸様式の変化を早期に検出可能か、また呼吸周期における呼吸抵抗値の変化から肺にどういった変化が起こっているのか検出可能かを検討しています。
データ比較表とグラフ

2)気管支喘息におけるロイコトリエン受容体

脂質メディエーターであるロイコトリエンは強力な気管支収縮物質であり、これまでに夜間喘息、喘息発作期に関与していることを報告してきました。その受容体にはCys-LT1とCys-LT2 が知られていますが、喘息におけるCys-LT2の意義については不明な点が多いとされています。喘息発作には好酸球上のCys-LT1とCys-LT2受容体が増加することがわかり、さらにはCys-LT2はインターフェロンγによって上昇することを明らかにしました。喘息治療にはCys-LT1と同時にCys-LT2を遮断する方法があると考えられます。
説明図A

3)鼻アレルギーにおける呼気一酸化窒素

呼気中の一酸化窒素 (Fractional exhaled nitric oxide, FeNO) は,気管支喘息の非侵襲的な気道炎症のマーカーとして用いられています。気管支喘息とアレルギー性鼻炎はどちらもアレルギー素因を基礎とし、気道粘膜周辺の好酸球性炎症を主体としており共通する点が多いといわれています。
本学耳鼻咽喉科学講座との共同の研究で、当院を受診した鼻炎の患者さんを対象に検討したところ、アレルギー性鼻炎 (AR) は,血管運動性鼻炎 (VR) および健常な人よりもFeNO値が高く,アレルギー性鼻炎の患者さんではFeNO値と鼻症状スコア (Total nasal symptom score, TNSS) に相関があることがわかりました。 
説明図
 また治療法別に検討したところ、薬物治療群(鼻吸入ステロイドによる局所療法)と特異的免疫療法群では治療効果に有意な差はない場合でも、免疫療法群でFeNO値がより低くなる傾向を認めました。FeNO値はアトピー素因と強く関連していると報告されていますが、免疫療法群(アトピー素因を改善する全身療法)の方が、より気道炎症を改善させる可能性があると考えられました。

最終更新日:2016年01月12日

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