子宮筋腫/子宮内膜症/子宮腺筋症/骨盤臓器(子宮)脱について
子宮筋腫
子宮筋腫は女性の10人に3人に発症する良性の腫瘍です。生命を脅かすものではありませんが、放置しておくと10kgを超える大きさになることもあります。
子宮筋腫は女性ホルモンによって大きくなりますが、閉経後には小さくなることもあります。複数できることが多く、その大きさやできた場所によって症状が違ってきます。
子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)に分けられています。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所に点状に散らばり、そこで毎月、子宮内膜と同じく、肥厚と消退を繰り返す病気で、生殖年齢にある女性の、5%~10%に発症すると言われています。
基本的に良性疾患ですが、進行していくことで、関連痛(痛み)などにより日常生活が困難となり、不妊症(不妊)の原因にもなることがあります。
卵巣嚢腫
卵巣嚢腫とは、卵巣内に液体や脂肪がたまってしまう、触るとやわらかい腫瘍のことです。肥大するとこぶし大やそれ以上になることも少なくありません。
なぜ、こうしたのう腫が形成されるのか、原因はまだよくわかっていません。卵巣のう腫は、中身によって次の3種に分けられます。これらは9割が良性であるといわれています。
チョコレート嚢腫(内膜症性嚢胞)
子宮内膜症では、卵巣嚢腫(のうしゅ)の一種で、“ チョコレート嚢胞(のうほう)″という状態に発展することもあります。
チョコレート嚢胞とは、内膜組織が片方または両側の卵巣内で増殖を繰り返し、通常の月経のように排出されず、血液などが、チョコレートの様にドロドロした黒いものとしてたまっていき、卵巣が大きくはれてしまう病気です。
骨盤臓器脱
骨盤内にある子宮、膀胱、腟、直腸などが本来の位置から下垂して腟から脱出してくる病気の総称を骨盤臓器脱と呼びます。
40歳代後半から60歳代に多く見られます。中でも出産回数の多い女性や、長時間にわたる立ち仕事、下腹部に力の入る仕事に携わっている女性がなりやすい病気です。