北の地札幌から世界へ羽ばたく医学研究の展開 |
札幌医科大学大学院医学研究科は、1950年に開設された医学部を基礎に1956年に発足して以来600人以上の医学博士を輩出し、その間、国内のみならず国際的研究をはじめとする多くの業績を上げてまいりました。 |
21世紀を迎えるにあたり、競争的環境の中で個性が輝く新しい大学像を設立するという札幌医科大学の教育方針のもとに、従来の講座単位による研究体制となっている生理系専攻、病理系専攻、社会医学系専攻、内科系専攻、外科系専攻の5専攻を再編し、基礎医学と臨床医学の複数の講座が連携した領域の導入を図るとともに、入学定員も31名から50名へと増員し、入学機会の拡大を図りました。 |
新しい大学院は、学術研究の高度化のみならず、高度専門職業人の育成機能、社会人の再教育機能を取り入れた、地域医療人間総合医学専攻、分子器官制御医学専攻、情報伝達制御医学専攻の3専攻による構成で、2001年4月1日からスタートいたしました。 |
札幌医科大学は、昨年開学50周年という節目に最新情報設備を誇る図書館、情報センターをはじめ最新鋭の研究機器を備え、医学研究の拠点となる教育研究機器センターを組み込んだ15階建ての基礎医学研究棟を完成させ、従来の、がん研究所と合わせ医学研究を究める上での物理的環境が整備されました。札幌医科大学医学部の伝統である癌研究をさらに総合的に、しかも分子生物学を中心とした生命探求に必要な遺伝子解析を含めた総合的研究センターの整備構想も現在展開中であり、大学全体が21世紀に向かい変化しつつあります。 |
大学院生諸君には、幅広く多くの可能性を秘めた研究の場が設定されております。癌の診断や難病の治療法の開発に真っ正面から取り組むのもよし、生命の神秘にチャレンジするのもよし、諸君の希望する全ての領域に十分答えるべく研究環境が整っております。 |
さらには、大学院に入って自分の研究の成果を国際学会において研究発表し、世界に認められる研究者への第一歩を踏み出すとともに、世界一流の研究者と直接話し合える機会が得られるよう、札幌医科大学学術振興会による資金の補助があります。また、将来の研究指導者としての訓練を行うティーチング・アシスタント制が導入され、経済的援助も図られております。大学院学生の実験実習のマニュアルの整備をはじめ、臨床系においては、臨床実習期間も大学院のカリキュラムに組み込まれ、大学附属病院において臨床実習を行う場合は、保険医の登録制など身分的保障も確保されております。国内、国外の優れた研究者による医学研究セミナーを年間少なくとも10回以上開催することとしており、一流の研究者と直接コミュニケーションを図る場も設定されております。 |
21世紀に向けて大きく変化を遂げた新たな大学院医学研究科で、マンツーマン形式による研究指導のもと、「北の地札幌から世界へ羽ばたく医学研究の展開」のため、共に邁進しようではありませんか。 |
2001年9月 |
札幌医科大学 大学院医学研究科長 神 保 孝 一 |