【研究成果】エクササイズが骨格筋にもたらす“再生”と“変性”のメカニズム

エクササイズが骨格筋にもたらす“再生”と“変性” ~間葉系前駆細胞の“老化”は骨格筋の再生を促す! 細胞老化を味方にする新しい治療戦略への期待~

札幌医科大学医学部解剖学第二講座の齋藤悠城助教、同講座の藤宮峯子教授、北海道大学大学院保健科学研究院の千見寺貴子准教授(プロジェクトリーダー)らの研究グループは、運動刺激に応答して生じる骨格筋間葉系前駆細胞(Fibro-adipogenic Progenitor: FAP)の細胞老化が、骨格筋の再生に重要であることを明らかにしました。一方で、慢性炎症性筋疾患モデルマウスではFAPの細胞老化が不十分で、運動がむしろ筋の線維化を悪化させることがわかりました。さらに、慢性炎症性筋疾患モデルマウスに対して、運動刺激と薬物治療の併用でAMP-activated protein kinase (AMPK)の活性化とともにFAPsの細胞老化を誘導することで、高い治療効果を発揮できることを明らかにしました。これらの成果は、運動刺激がなぜ、筋再生を促す場合と線維化や炎症を悪化させる場合があるかという、臨床上の問題点を解決する、新しいメカニズムのひとつを解明したものであり、慢性炎症性筋疾患に対する安全で効果的な治療につながることが期待できます。

なお、本研究成果は、2020年2月14日(金)公開のNature Communications誌にオンライン掲載されました。