平成8年度事業報告

総  括

会長  柴田 崇行


 平成8年は住専問題、厚生省高官による汚職問題、地方自治体における不正経理問題等を始めとして、数限りない腐敗と癒着の構造が露呈され、国民にとっては,やりきれない暗い一年でありました。一方日本経済は低迷を続け、なかなか回復の兆しが見いだせず、株価の暴落が続き、世界経済の中でも信頼と、期待を失いつつある日本に思えて成りません。
 このような社会情勢の中ではありましたが、北海道部会の平成8年度事業は総会でご承認いただきました事業計画に基づき、概ね円滑に会務を遂行して参りました。
特に本年は中央との交流、他部会との交流を柱として事業を遂行して参りました。

 まず、大会開催関係では平成8年4月20日、21日の両日に亘り北海道大学学術交流会館において、第52回北海道部会総会並びに第12回春季シンポジウムを開催いたしました。
今回は高速螺旋CTをメインテーマとして取り上げ、シンポジウムでは「高速螺旋CTの現状と将来」と題し5名のシンポジストで行い、将来展望までも含めた非常に内容の濃いシンポジウムでありました。
教育講演は「ヘリカルスキャンの開発とX線CT技術の現状」と題して藤田保健衛生大学の辻岡勝美先生にお願いをし、また放射線機器薬剤技術発表会は5装置メーカーより「高速螺旋CT装置について」発表をいただき、現在脚光を浴びている高速螺旋CTをメインテーマに取り上げての有益な大会でありました。
今大会では専門委員会合同セミナーも開催致しました。

 次に、北海道部会第52回秋季大会は札幌医科大学講堂において平成8年10月26日、27日の両日に亘り開催致しました。 発表演題は41題であり、特に本大会では口述発表の時間的余裕と十分な討論をして戴きたいという考えから口述時間10分、討論時間3分として開催致しました。従って時間の関係から同時進行複数会場制での開催となりましたが、これがベターだったのかは会員の皆様の率直なご意見、ご批判を戴きたいと思っております。 特別講演は「世界の一員としての北海道」と題して衆議員議員山中子先生にお願いを致しました。
また同時に5専門委員会によるセミナーを開催致しました。
また当日札幌医大放射線部のご協力を得てインターネットデモンストレーションを実施し北海道部会のホームページ(試験的)を見て戴き、インターネットがより身近に感じて戴けたことと思います。
第1日目の夜には論文投稿推進班の発足と第1回ミーティングを開催しました。

 平成8年7月6日札幌サンプラザを会場に、中央との交流の一環として学術委員会ICカードシステム検討班班長の倉西誠先生をお招きして北海道部会特別サマーセミナーを開催致し、「次世代の放射線情報システムの考え方」と題して講演を戴きました。予定出席者数を大幅に上回り、資料が足りなくなる盛況ぶりでした。

 他部会との交流では第34回東北部会大会が平成8年6月8日、9日弘前市で開催され北海道部会会員より10題の演題発表があり、東北部会との交流が定着化してきたことは大変喜ばしいことであります。この交流は今後も続けて行き、北日本の放射線技術学の発展につなげて行きたいと考えております。

 次に、北海道放射線技術雑誌第56号を平成8年7月に発行致しました(284頁 原著6編 ノート4編 シンポジウム他)。また、北海道部会会報は7月と3月に第35号と36号を発行致しました。
 その他、専門部発行の小冊子としてシネ撮影専門委員会より「カテーテルスタッフのためのABC」をRI専門委員会より「腎定量」を発行いたしました。これらの一般的知識を得ようとする方々には大変ためになる入門書であると思っています。

 最後に会計面ですが技術雑誌印刷費はVol.56は頁数が増えた事とカラー頁を入れた事により予算枠を越えた決算となってしまいました。また、道外交流回数が多かった事と部会選出理事の交替などにより役員出張旅費が予算枠をオーバーしてしまいました事をお詫び申し上げ、ご理解を戴きたいと思います。

以上、事業報告の総括といたします。


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(社)日本放射線技術学会 北海道部会center>