巻 頭 言

会長  柴田 崇行


日本のなかの北海道部会


 日本放射線技術学会北海道部会の部会長として3期(6年間)が間もなく過ぎようとしています。
 この間を振り返ってみますと勝浦元部会長,萩原前部会長の多大なご尽力により,真の学会組織としての基盤整備をして戴き,その後を引き継がさせて戴いた私は大変幸せ者だと常々感じております。
この6年間先輩が造られた基盤の上に立って,北海道部会が少しでも発展,向上するためにと思いを巡らすものの,いつもその考えの主流となっているものは,日本の中の北海道という事です。
 私が部会選出理事になり,年に6〜7回は会議で京都へ出かけ,会議終了後情報交換も兼ね近くで全国の理事の方々と酒をくみ交わす事が多く,このような席の中でちょくちょく「技術学会は西高東低だ」という言葉が飛び出し,その都度怒りが込み上げ議論をしたことが数度あります。
北海道部会の事業内容があまり正しく評価,理解されていない悔しさと共に,より自ら部会活動のレベルアップを計らなければならないという思いと同時に,中央との人的交流,学問交流を促し,北海道部会の真の姿を見てもらい理解してもらおうと常務理事の協力を得て微力ながら努力してきました。

 まず,北海道放射線技術雑誌の発刊にあたり査読制を導入し,更に各論文に英文サマリーを付し論文価値の向上に務め,現在では全国的にも高い評価を戴いております。
 一方,道内において,私は部会長として各地方で開催される研究会,セミナー,講演会等に出席させて戴く機会が多くありますが,どの地方会へ出席しても会員の方々は本当に知識欲旺盛で向学心に燃えている姿を目にして頼もしいものを感じています。
 2,3の地方会では会員研究論文を冊子として発行している所もあります。これからは各地方で終わることなく,北海道放射線技術雑誌にどしどし投稿して戴くことを期待しています。 さらに,この北海道放射線技術雑誌を登竜門として,または,論文を書くトレーニングの場として考え,日本放射線技術学会誌へ投稿して戴きたいと願っている次第です。
 幸いにして,昨年部会の中に論文投稿推進班を設置致しました。投稿に際しての論文作成の助言,お手伝いができるものと確信しています。
 日本放射線技術学会は日本学術会議のメンバーに加わり,論文の評価,価値は大変上がって来ています。会員の皆様,自分の論文は自分だけの荷物にならない財産として残ります。
 一方,研究発表大会は2年前より北海道部会と東北部会との相互乗り入れが実現し,定着化して参りました。今後一層の交流を深め,良い意味で切磋琢磨し,この事によって北日本における放射線技術学の発展に大きく寄与するものと思います。
 また平成10年秋には第26回全国秋季学術大会が札幌で開催されます。10年ぶりの北海道での開催となりますが,北海道部会会員の皆様の叡智と協力をいただき,質素な中にも21世紀を見据えた,先見性を含んだ実りある大会を開催し,北海道の実力を遺憾なく発揮しようではありませんか。



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(社)日本放射線技術学会 北海道部会