巻 頭 言


会長  柴田 崇行


道外交流の意義


 平成8年度の事業計画には,昨年に引き続き更なる道外との交流を掲げ,去る4月の総会で承認された。

 私が会長の席を汚してから,今年で6年目を迎えることになるが,その間を顧みると部会の春,秋の大会への参加者は年々若い会員の参加が多くなって来ていることは大変喜ばしく且つ頼もしい限りである。また,彼等は参加するのみで無く,演題発表そして討論の場でも積極的に発言するようになってきた。

 一万,部会運営をあずかる我々も,北海道のしベルアップの為に種々の施策を立案そして可能なものから実行に移してきている。例えば北海道放射線技術雑誌は査読制を取り入れ,各論文には英文サマリーをつけ,論文の価値を高めてきている。この雑誌はご承知の通りISSN登録をうけ,中央医学雑誌にも収載されている。北海道放射線技術雑誌に掲載された論文は認証を受けた証であり,論文投稿者は個人の荷物にならない財産を得たことになる。

 一方,会員の研究意欲の高揚と業績の認証のために,個人の論文数と論文内容により,毎年学術審査委員会からの答申を受けて,それを常務理事会,表彰委員会の審議を経て総会の席上で学術奨励賞,学術賞を贈っている。また,平成4年から北海道放射線技術研究助成金の制度を設け応募された研究テーマから 1題を選び研究の助成をしている。

 いささか自画自賛的な文章になってきたが,大筋ではこれが北海道部会の現在の姿であると思う。

 しかし,我々の研究対象分野は従来の分野に加えCT,MR1,DSA,CR,SPECT,PETなど新しいモダリティーが続々と登場し,それに伴い近年は個々の会員がそれぞれ自分の専門分野を持つようになってきている。

 このような多くの専門分野を,より高度に発展させるには北海道だけでは限りがあり,道外との交流が必要となってくる。道外の学会員と交流し,良い意味での競い合い,切瑳琢磨して,ひいては北海道のしベルアップにつながると思う。

 幸い,私の念願であった東北部会との学術交流が昨年の北海道部会秋季大会で実現をした。東北より6題の口述発表があった。去る6月8日,9日の両日弘前市で東北部会大会が開催され,北海道部会より10題の口述発表があり,徐々に学術交流の成果を挙げている。この東北部会との学術交流は今後も継続し,北日本での放射線技術学の発展に寄与できれば,北海道部会の歴史に残る大きな事柄であると思う。

 放射線技術学という共通の土壌で,道外の多くの会員と接し,大いに討論し,多くの友を持つということは素晴らしいことであると思う。

 一方,北海道放射線技術雑誌は編集部担当理事の努力の結果,他部会,支部より高い評価を得るまでに至っているが,次のステップは日本放射線技術学会誌への論文投稿促進であり,現在,論文投稿促進班を組織し活動に入るところである。

 日本放射線技術学会はー昨年,日本学術会議の団体に登録され,論文の評価がー段と高まってきている中で,北海道部会会員の論文がー篇でも多く中央誌へ掲載されるよう今後理事一同と共に努力をして行くつもりである。



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