平成7年度事業報告

総  括

会長  柴田 崇行


 平成7年は阪神淡路大慶災に始まり,地下鉄サリン事件に端を発したオウム関連事件,経済面ではバブル崩壊の爪跡に代表される住専間題そしてなかなか明かりの見えない経済の低迷,一方政治は政界の再編と,なにかしら世紀末を暗示するような暗いニュースの続いた1年でした。
 特に政治,経済は我が国の戦後から今日まで続けてきた政策,論法,施策を全世界的な観点に立った大きな発想の転換をしなければ我が国の21世紀の繁栄は期待出来ないとさえ感じる1年でした。
 しかし,放射線を取り扱う私達にとってはしントゲン博士がエックス線を発見してから100年目という非常に記念すべき節目の年でありました。

 さて,事業報告ですが,事業計画に基づき概ね円滑に会務遂行して参りました。
 まず,大会開催関係では平成7年4月22日,23日いかでる27" を会場に第51回総会並びに第11回春季シンポジウムを開催致しました。近年日本の乳癌の発生率は年々上昇し,死亡率も上昇している現況を考え今回は乳房撮影一本に焦点を絞り,教育講演には医師の立場より北海道大学第一外科の高橋弘昌先生に「乳癌診療における最近の進歩」と菌し謙演を戴き,シンポジウムは石岡菟君の座長のもとで「乳房の画像検査-より良い画像を求めて-」と題し4名のシンポジストで行われた。

 また,宿題報告は「画像診鮪における超音波の役割」と魔し新日傷病院細野明男君が長年の研究と函床経験をもとに今後の示唆までも含めて話され,意義深い報告であった。 また,平成7年10月14日,15日両日にわたりエックス線発見100年記念第51回北海道部会秋季大会と位膚付け函館市において開催致しました。

 このエックス線発見100年という記念すべき年に,私の念菌でありした東北部会との初交流が実現出来ましたことは本当に意義深く,北海道部会の歴史に残る大会であったと思います。採用演函数は53題(内東北部会より6肉)と過去に例を見ない演歯数であり1演題討粉時風1分という理密プログラムとなり,各セッション毎に討鷺室を利用するという盛況ぶりでありました。

 特別鷺演は「放射線技師の立場から見た研究の進め方についてーと題し,放射線技師学校を出られて工学博士号を取得されている熊本大学医療技術短期大学部東田善治先生にお競いをし,先生は自らの経験の上に立った研究の進め方についてのお話を熱っぽくご講演され,これからの21世紀を担う北海道部会の若い会員の方々には将来に向けての大きな夢と希望を与えたことと思います。

 また,2日目早朝のモーニングセミナー「技術学会(放射線技術)の足跡と期待を考える」は四宮恵次先生の司会により,川上学会長を始めとして6名のメンバーにての鼎談を行い,事前に全く開示しない「ぶっつけ本番」で,正に生々しい意見交換を行うことが出来ました。この大会の準備,運営をして戊いた田中雄二大会長,村屋保実行要員長始め道南ブロックの実行委員の皆様にこの紙面をお借りしまして心より感謝とお礼を申し上げます。

 次に出版関係では「北海道放射線技術雑誌Vol.55」を7月に発行致しました。 会員の皆様もご承知のことと思いますが北海道部会技術雑誌は全国的にも商い評価を戴いていることをご報告申し上げます。また,例年通り部会会報を2回発行致しました。

 専門委員会小冊子は前年度の積み残しであったMR専門委員会よりGAPLESSが7月に発行することが出来ました。MRの基礎理論からルーチンの撮影法を平易に簾説した小冊子です。これからMRを始める方の入門書として大いに参考になることと思います。


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(社)日本放射線技術学会 北海道部会center>