巻 頭 言

会長  柴田 崇行


中央への論文投稿促進

 現在の日本放射線技術学会雑誌第1巻第1号は1944年(昭和19年)に日本レントゲン技術員学会誌という前身で発行されたのが最初である。  この第1巻第1号には11遍の論文が掲載されており,その内6遍は北海道会員からの論文である。このように北海道は輝かしいスタートを切ったのであるが,その後現在まで北海道会員よりの全国誌への投稿論文は逓減のー途を辿っている。  昨年10月函館市で開催されたエックス線発見100年記念秋季大会のモーニングセミナーでも北海道よりの投稿論文は全国平均を大きく下回っている事が指摘された。 しかし,北海道放射線技術雑誌は1号発行以来欠かすことなく現在では通巻55号を数え,この数年飛躍的に質向上を果たし,論文の価値が上がって来ていることは自他共に認めるところである。

 1986年(昭和61年)までは投稿論文を区分せず,そのまま掲載していたが,1987年(昭和62年)の通巻47号より原著,ノート,資料に論文区分をした。 また,一論文の質と価値を高めるため1992年(平成4年)より査読制を導入した,同年加えるに原著,ノートには全論文に英文サマリーを付記しすることが実現し,少しでもインターナショナルに通じる学会雑誌として現在に至つている。  その間北海道放射線技術雑誌はISSN(国際遂時定期刊行物)登録を始めとして,医学中央雑誌に収載もされ,各巻発行毎に国会図書館を始めとして各大学図書館等にも送付している。道内では道立図書館より依頼があり北方資料室に送付し,年1回道内定期刊行雑誌として展示されている。

 ここまで成長してきた北海道放射線技術雑誌への投稿論文の著者は,荷物にならない自分の財産を得たことに自負して戴きたい。今後はインターネットにアブストラクトを載せるべく,現在検討中でもある。

 しかし,全国的視野から見ればー地方の学会誌であることも事実である。一地万の中での自己満足に終わることなく,今後は中央への投稿を促進すべき時が熟している。

 各巻の数遍は若干の手直しで全国学会誌へ投稿しても通じる論文も少なくなく,これからの北海道部会の活動として,論文投稿推進委員会(仮称)を設置し,積極的に日本放射線技術学会雑誌への投稿を促す活動を開始する時期に来ている。そして,意欲のある北海道部会会員の万々は北海道放射線技術雑誌にどしどし論文投稿され,論文作成の登竜門として大いに利用して戴きたい。また,論文投稿推進委員会の事業として「論文の正しい書き方の指導」を検討中である。

 日本放射線技術学会では論文数がー定のポイントに達すると,学術奨励賞,学術賞を授与することになっており,近い将来多くの北海道部会会員が,これらの賞を受けることを心より期待している。



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(社)日本放射線技術学会 北海道部会center>