合同セミナー発表要旨

「脳神経外科領域における母近の画像診断」

--CT・MR を中心にー-

 昨年初めての試みとして7つの専門委員会で合同セミナーを開催いたしましたが,今年は内容の充実と充分な討論時間を設けるためにCT・MRの2つの専門委員会と,臨床医として北海道大学医学部脳神経外科学轟座,皮爾宝金 清博先生を交えての合同セミナーを開催します。
 高速螺旋状CT装置・高速撮像法が使用できるMR装置の普及により,脳神経外科領域における画像診折法も近年変わりつつあり,特に脳血管障害の画像診断は,CTとMRが中心に行なわれ,その役割分坦も確立してきました。そこでテーマとして,CT・MRを中心とした最近の脳神経外科領域の最近の画像診断の現状を第一線で活躍されている,3名の演者のかたに発表していただき,その後会場の皆様と討論して有用なセミナーにしたいと考えております。

司会・進行   山本 悌二(市立小樽病院)
        東  靖晃(札幌麻生脳神経外科病院)
CT専門委員会  平野  透(札幌医科大学附属病院)
MR専門委員会  加藤 徳史(北斗病院)
        宝金 清博(北海道大学医学部脳神経外科学講座)


脳血管障畠詩病変における3D-CT Anglographyの撮影技術

札幌医科大学医学部附属病院放射線部 平野 透

 従来,脳血管障害病変に対してCTは,出血の有無又は梗塞によるlow densityの確認が主たる画像診断であった。近年,高速螺旋CTが普及してきてもアキシャル画像上での診断は従来型のCTと同じである。
 しかし高速螺旋CTは,短時間に広範囲のスキャンが可能となり,更に造影剤をbolus岬ection した場合には,非常に高い造影効果が得られる為,高品質の3次元画像が本当の意味で臨床の場に使えるようになってきた。
 しかし装置の方はある程度北海道内においても普及しつつあるが,造影剤注入方法を含めた撮影法や,画像処理の万法はそれぞれの施設で異なり,試行錯誤の状態でないかと思われる。そこで今回のセミナーでは,脳血管障害領域における3D.CT Angio匁aphyを行う上で留意しなければいけない造影剤注入方法や画像表示方法,更に3次元画像処理用ワークステーションを使用した場合におけるカラーの設定や透明度の使用法について,自分なりのー考察を述べたいと思う。

脳血管障害における MRl, MRAの役割

北斗病院 加藤 徳史

 MRは密度分解能に優れ,任意の断面を自由に撮像できる利点があるが,最近は高速化が進み,MR angiographyや,高空間分解能の画像が得られ,中枢神経系において必要不可欠な検査となった。
 脳血管障害におけるMRIとMRAの有用性を中心に報告し,最後に拡散強調画像(Diffusion weightedlmage)と潅流画像(Perfusion image)を紹介する。

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(社)日本放射線技術学会 北海道部会