MRIの実際
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水の2状態とMRI
鏡モチのT1強調像 鏡モチのT2強調像
T1強調像 → 結合水が高信号
T2強調像 → 自由水が高信号
モチの水分は巨大分子
(デンプン)に束縛された結合水
ミカンの水分は巨大分子に
運動制限を受けない自由水
(画像提供秋葉英成先生秋葉英成先生
T1強調像 T2強調像

MRIの特徴

1.高い組織コントラスト

鏡モチの例でわかる様にモチとミカンの違いをはっきりと区別できる

2.多彩な撮影法

T1強調像 T2強調像 FLAIR像 拡散強調像
T1強調像 T2強調像 FLAIR像 拡散強調像
撮影法(パルス系列)を変えるだけで全く別種の画像が得られる
パルス系列が開発される度に新たな画像診断の可能性が広がる

3.自由なスライス方向

矢状断像 斜めスライス 冠状断
矢状断 斜めスライス 冠状断
CTで上の様な画像を得るためには画像処理を要するが
MRIは画像処理なしに最初からこの様な断層像が撮れる

MRI用造影剤

1.ガドリニウム系

脳転移巣は見えない 脳転移巣が見える 脳転移巣が明瞭に見える
造影剤なし 造影剤投与 造影剤倍量投与
あらゆる部位の撮影に広く用いられている

2.鉄コロイド系

肝転移巣はボンヤリとしか見えない肝転移巣が白く浮き出てハッキリ見える
造影剤なし造影剤投与
正常肝細胞は鉄コロイドを貪食するので信号が低下するが
貪食能のない病変は信号が低下しないので白く浮き出て見える

多彩な撮影法

1.脂肪抑制

MR乳房撮影
(左写真はMR乳房撮影)
予め脂肪の共鳴周波数のパルスを印可して
読影の邪魔になる脂肪の信号を抑制し
病変を浮き上がらせている

2.MR angiography(MR血管撮影)
MR血管撮影
通常動いた部分はMRIでは黒くなり見えないが
逆に動いた部分だけ画像化することもできる
time of flight 法と phase contrast 法の
二種類の撮影方法がある

3.MR spectroscopy

MR spectroscopy
物質の構成比から正常脳実質(左)と
脳腫瘍(右)とを鑑別診断できる
(画像は当院放射線部より借用)
元々MRは化学の分野で
この様な分析に使われていた

4.heavy T2強調像

内耳
MR内耳撮影
リンパ液のみを描出している

5.magnetization transfer contrast

MTC off MTC on
MTC off MTC on
水分子の共鳴周波数より少しズレた周波数のパルスを印可すると
あたかも共鳴が起きたかの様に高分子部分の水の信号が抑制される

6.functional MRI(機能画像)

左足を動かす 機能画像 右足を動かす
左手を動かす 右手を動かす
体を動かすとその部分に対応した脳の運動野が高信号になる
酸素消費量増加によるヘモグロビンの磁性の変化を検出している

7.不等方拡散像

不等方拡散像
拡散強調像の応用で矢印と直角に走行する神経線維のみを描出

8.tensor image(軸索画像)

軸索画像
不等方拡散像をさらに発展させ
各々の部位の神経線維の走行方向を
線でベクトルの様に表している

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2003.3/24更新