よくある質問Q&A

眼瞼下垂

Q. 眼瞼下垂を手術して、偏頭痛の改善は望めますか?

45歳の女性です。
長年、頭痛や偏頭痛に悩まされてきました。
日常生活にも影響が出ていて、薬を服用しながら生活しています。
まぶたは二重のラインが増え、まぶたの上がくぼみ、少し眠たそうな顔になっています。
ハードコンタクトレンズは20年以上使用しています。
以前テレビで、眼瞼下垂を手術して頭痛や肩こりも改善されたという番組を見ました。
私のような偏頭痛とまぶたの状態で、手術によって改善は望めますでしょうか? 
A.
まず、片頭痛と眼瞼下垂の関係ですが、直接関係があると証明された訳ではないと考えております。
眼瞼下垂と頭痛の両方の症状がある患者さんに手術を行った場合、視界が広がるだけでなく、頭痛も良くなった、という結果が多くあるため、関係があるのではないか、という考え方です。
手術方法は、私は他大学の先生方の手術方法を直接見学させていただいたわけではないので、細かい部分では違いがあるかもしれませんが、基本的には同じ方法の手術を行っています。
もし手術が適応となる場合は、基本的には余った皮膚を切除し、筋肉の膜(腱膜)をぬい縮め、二重のラインを作る、という手術になると思います。
まぶたが出ている患者さんの場合は余分な脂肪も切除しますが、くぼんでいる場合は切除しません。 

Q.眼瞼下垂の手術までに通院は何回必要ですか?

私の母が眼瞼下垂であり、新患で診ていただいて手術の予約をしたいのですが、手術までに通院は何回ぐらい必要なのでしょうか。 
A
眼瞼下垂の手術をする場合、基本的には前日入院・部分麻酔による治療になります。
新患での受診の際に手術日まで具体的に決まってしまえば、基本的には入院日までの間、外来受診は必要ありません。
ただ、手術予約が大変混み合っている場合、手術予約が2〜3ヶ月先になることも予想されます。
その場合、手術日からさかのぼって1ヶ月前に、採血検査が必要になりますので、入院の前に1回、外来受診が必要になります。
ですから、新患での受診に1回、検査に1回外来受診し、その後入院となります。 

Q.眼瞼下垂の診療日は月曜日だけですか?

眼瞼下垂については月曜日しか診療はしていただけないのでしょうか? 
A
眼瞼下垂自体は、 形成外科で治療する一般的な疾患ですので、 月曜日しか診察しないということはありません。
ただ、形成外科は扱う疾患が幅広く、各医師により専門が異なります。
まぶたの疾患を主に治療している医師の外来担当が月曜日であるため、月曜日を「まぶたの外来」とさせていただいて、診療している、ということです。
ですので、診察自体は月曜日以外でも可能です。 

Q.眼瞼下垂と肩こりの関係性は?

48歳男性です。
肩こりが年々、激しくなり毎日気分が優れません。
「眼瞼下垂」を自分では疑っています。
治療できますでしょうか。 
A
他施設の高名な先生がテレビに出演された際、肩こりと眼瞼下垂のつながりをお話されていましたが、100%つながりがある訳ではないと考えています。
ですので、眼瞼下垂の手術を行っても、肩こりが治る保証はできません。
しかし、眼瞼下垂と肩こりの両方を患っている患者さんが手術をうけて、両方とも良くなっている場合があるのも事実ですので、難しいところです。
また、48才というと一般的な加齢性の眼瞼下垂にしてはやや年齢が若いという気がしますので、もしかしたら先天性の眼瞼下垂があるのかもしれません。 

Q.眼瞼下垂の診断のときはなにをするんですか?

わたしは最近あるクリニックで眼瞼下垂と診断されましたが、別のクリニックでは眼瞼下垂ではないと言われ、とても困っています。
両方とも特に何か検査らしきことをするわけではなく、恐らく見た目から判断されたのだと思いますが、札幌医科大学さんでは何か眼瞼下垂を診断する際に検査などをして判断するのですか? 
A
眼瞼下垂かどうかは実際に診察させて頂かないとはっきりしません。
当科では、診断の際に眼瞼の縦の幅、瞳孔中心から上まぶたまでの距離、眼瞼挙筋機能(まゆ毛を押さえた状態で、まぶたが正常に開くかどうかの検査です)、上まぶたの皮膚のあまり具合などを検査して、眼瞼下垂かどうかを判断しています。
眼瞼下垂には美容的な面もどうしても含まれてしまうため、患者さんの訴えでは下垂症状が出ていても、実際の検査では下垂の診断がつかない場合もあります。
保険適応外の治療は当大学病院では行っていませんので、その場合は信頼できるクリニックを紹介させてもらっています。 

Q.眼瞼下垂の手術で目の印象は変わってしまいませんか?

眼瞼下垂の手術をしたら、二重になってしまうのでもともとが一重の患者は少し顔の印象が変わってしまうという資料を読みました。
もしも片眼が眼瞼下垂だった場合、片方が一重で片方は二重という状態になってしまうのでしょうか?
また、手術をするとまぶたを上げ過ぎてびっくり目になってしまっただとか、怖いお話も聞きます。
瞼の上げ具合や二重のラインについてはどのように決めるのでしょうか? 
A
眼瞼下垂の手術ですが、基本的に3段階にわけられます。
簡単に説明しますと、
  1. 下垂した皮膚のみ切り取る 
  2. まぶたを上げる筋肉を短縮する
  3. からだの他の部分から筋膜を移植してまぶたを上げる
となります。
下垂の程度に応じて手術が決まりますが、どの手術でも二重になります。(奥二重様にはできます)
片方のみ下垂の場合は、まず下垂側を手術して、バランスが悪いようであればもう片方を二重にする手術を行います。
また、二重のラインについては、たいていの患者さんは生理的二重のラインが薄くありますので、そのラインを参考にしますが、はっきりしない場合や一重の場合は日本人の平均ラインの高さ(7ミリメートル)を基準に、患者さんそれぞれのまぶたの大きさを考慮して決定します。 

Q.眼瞼下垂の手術をしてから何日ほどで目の見た目は戻りますか?

手術の時には一週間ほどの入院が必要だということですが、初対面の方でも特に違和感を感じないほどになるにはお化粧をしたとしてどのくらいかかりますか?
それともやはり手術を受けたのだからある程度の違和感というものは覚悟するべきですか? 
A
当院では、高齢者の方が多いため、手術後の安全を考慮して約1週間の入院をお勧めしています。
手術後はまぶたが腫れて、視野が悪くなり、日常生活に支障を来す可能性があるためです。
最短では2泊3日ですが、手術後の見た目の悪さもあるため、入院を延長される方も少なくありません。
手術翌日が腫れ・内出血のピークで、1週間でかなり引けますが、特に違和感を感じなくなるのはやはり1ヶ月程度かかるかと思います。
手術後は、まぶたの形が変わるので患者さん的には違和感を感じるかと思いますが、下垂症状など総合的に判断して手術方法や皮膚切除量を決定しますので、あまり外見が変わらないようにすることも可能な場合もあります。 

Q.まぶたが重く感じるのは眼瞼下垂ですか?

50代、女性です。
1年位前から、初めは右の、次は左のまぶたがとても重たくて、いつも眠たいような、ぼーっとした感じです。
まぶたの見た目の変化は、くぼんだはっきりした二重だったのが、ぷっくりとした腫れまぶたのようになり、二重部分の幅もだんだん無くなってきています。
何かを見るのに大きく目を見ひらく癖がついてしまい、目のまわりが疲れてかなり辛いのですが、これが、眼瞼下垂というものなのか、どうなのか…。
この程度で、そちらを受診しても良いものなのか考えています。 
A
徐々に眼瞼下垂の症状が出てきているように感じます。
お若い方で、皮膚の下垂が比較的弱いか、またはほぼない方でも、まぶた自体が徐々に下がってきてしまうケースが最近増えております。
コンタクトレンズなどは使用しておられますか?
コンタクトではソフトでもハードでも20年程度で下垂になる可能性が高くなります。
治療を行う場合、診察させて頂き、現在の状態で手術方法は変わりますが、大きくわけてまぶたの皮膚を単純に切除するのみの方法と、まぶたの奥の方の筋肉を縫い縮めて軽い力でまぶたが開くようにする方法と2種類あります。 

Q.子供でも眼瞼下垂の手術は行えますか?

3歳の息子の片目が眼瞼下垂で近所の眼科へ通院しています。
現在の視力は両眼ともに1.0あり、物を見る時も両眼を使っていて今のところ、見た目以外の問題はなさそうです。
就学前に手術が出来ればと考えておりますが、年齢的にどうでしょうか?
あまり身体が小さいと全身麻酔だと負担がかかるとアドバイスを受けた事もあります。 
A
幼少時の眼瞼下垂で問題となるのは視力です。
視力が弱くなるようでしたら、早めの手術が必要となりますが、そうでない場合は待つのも一つの方法です。
先天性眼瞼下垂の場合、手術方法は大きくわけて二つあります。
今あるまぶたの筋肉を使って下垂を治す手術と、頭や太ももから筋膜を移植しておでこの筋肉でまぶたを上げるようにする手術です。
まぶたを上げる筋肉の力が弱くて下垂していることが多いのですが、その力の弱さに個人差があるため、このどちらの手術になるかは診察してみないとはっきりとは言えません。
3歳であれば、現在の全身麻酔の技術であれば負担や危険性などはかなり少なくなっているので、麻酔に関しては心配することはないと思います。
ただ、早めに手術してしまうと、顔の成長に伴ってどうしても左右差が出てしまうので、修正術が何回か必要になります。
見た目的に、まず小学校に入る前に一度手術を行うのは一つのタイミングだと思いますが、わずかな下垂であれば手術せずに、成長を見てから、という方法もあります。 

Q.下がってきたまぶたを再度手術することは可能ですか?

5~6年前にそちらの眼科で、左目の斜視の手術を受けています。
その左のまぶたが下がってきて、手術を受けたいと思ってますが、手術は可能でしょうか? 
A
同じような、斜視の手術後に眼瞼下垂を生じた患者さんを何人か手術させていただいていますが、基本的に手術は可能と考えられます。
外来にて直接診察させていただければ、詳しいお話ができるかと思います。 

Q.希望日に手術することは出来ますか?

眼瞼下垂の手術で入院でとありましたが、何日の入院ですか。
また、希望日に手術をしていただくことは可能ですか。 
A
眼瞼下垂の入院は、基本的に両側同時に行う場合となっています。
手術前日に入院し、手術1週間後の抜糸まで入院していただきますと合計9日間になります。
ただ、眼瞼下垂の手術後は数日経つと痛みもほぼなくなり、ガーゼも必要ない場合が多いので、抜糸の前に退院し、抜糸は外来で行うことも可能です。
そうなると入院は4〜5日で済みます。
また、当院の手術曜日は火曜日と木曜日になります。
枠が空いていれば早めの手術も可能ですが、通常は約1ヶ月ほど先の手術になるとお考えください。 

眼瞼の腫瘍

Q.まぶたのできものを診てもらうことはできますか?

左まぶた(上側)にできものが2カ所ほど1年前から目立って来ていて消えません。
診ていただけるものでしょうか。 
A
まぶたの皮膚のできものに関しては、もし気になるようでしたら切除も可能かと思います。
大きさにより、手術方法が異なってきます。

Q.外反症を手術せずに治せますか?

3歳の娘の下まぶたに霰粒腫ができて、半年間通院していましたがよくならず、病院を変えたところすぐ手術をすすめられ、手術を受けました。
手術後、下まぶたがあっかんべー状態で「外反」となりました。
担当医に、次第に元通りになるといわれましたが、5年経った今でも変わりません。
いろいろ地元の形成外科など尋ねましたが、大がかりな手術でしか治らないと言われ、娘も手術は嫌だと言うのですが、見た目に目立つので何とかならないものかと思っています。
A
おそらく霰粒腫を皮膚側より切除してしまったのでしょうか。
皮膚が不足した状態での外反症状である場合は、他の部位から組織を補充しないと改善しない場合もあります。
もし当科を受診できるのであれば、一度診察させて頂くことでより具体的なお話ができると思います。 

Q.傷が目立たないように腫瘍を治療できますか?

3、4年前より左目下瞼(泣袋)に平たい白っぽい色の膨らみが現れ、現在は1センチメートルに成長し膨らみも目立つため化粧しても分かるようになりました。
それ程目立ちませんが、右目下瞼にも似たような出来ものがあるように思います。
地元では処置して下さる医療機関がありません。
傷が目立たないように、専門機関での治療を受けたいのですが、どのような治療になりますか? 
A
下眼瞼に平たい、白っぽいふくらみができる疾患は、二つ考えられると思います。
一つは黄色腫という、コレステロールが沈着した状態の腫瘍です。
悪いものではありませんが、治療は手術による摘出が必要です。
もう一つは、汗管腫というもので、こちらも悪性ではないですが、手術による治療か、または液体窒素による冷凍凝固治療が必要です。
下眼瞼は皮膚も薄く、手術しても線状の薄い瘢痕になるため、傷を比較的目立たなくすることは可能ですが、消すことはできません。
診察しないとはっきりとしたことは言えませんが、大きさが1センチメートルとのことですので、もしかしたら手術時に傷をジグザグに縫うなどの工夫が必要な場合があります。 

Q.手術にはどのくらいの通院が必要ですか?

まぶたの外来では遠方からでも治療を受けられますか?
また、手術にはどのくらいの通院が必要なのか教えていただきたいと思います。 
A
手術を行うとすれば、腫瘍の大きさにもよりますが小さければ日帰り手術で局所麻酔(部分麻酔、まぶたに直接麻酔薬を注射します)による治療になります。
スケジュールとしては、まず一度来院していただいて手術の予約をします。(手術が立て込んでおりますので、だいたい1ヶ月待ち程度です)
次に、手術日に来院して頂き、手術をします。
手術は午後になります。
手術後はそのままお帰りになれますが、通常、翌日に処置を行います。
遠方からの場合、手術当日に1泊入院して頂き、翌日外来にて術後処置を行った後に帰宅して頂く方が良いかと思います。
抜糸は約1週間後ですので、その時はまた来院していただくことになります。
抜糸後は、通常1ヶ月後くらいに外来再診の予約を取りますが、もし通院が困難でしたら近くの形成外科がある病院をご紹介も出来ます。 

眼瞼の外傷・骨折

Q.頭突きされてから右眼に違和感があります。治療は可能でしょうか?

私は以前、右眼を思いっきり正面より頭突きされ、その後一ヶ月位で症状は良くなりましたが、左右が違い、右目がくぼんで奥にいったように見え、疲れてくると、更にくぼんで、まぶたが、黒ずんで見えるようになっています。
凄く恥ずかしいです。
たまに、二重に物が見えたり、痛みがあったりします。
治療は可能でしょうか。 
A
おそらくケガの際に、眼窩底骨折(がんかていこっせつ)を受傷されたのだろうと予想されます。
眼球(目玉)は、眼窩(がんか)という、骨に囲まれた部分の中にありますが、強い衝撃を受けると眼球が乗っている骨(厚さ1ミリメートル程度です)が割れて、眼球が下に落ち込んでしまいます。
受傷直後はかなり目のまわりがはれますので、くぼみは気になりませんが、はれが引けると目がくぼんだようになります。
左右で眼球の位置が違うので、ものが二重に見えたり、痛みを伴う場合もあります。
ケガした直後(2週間以内)ですと、目の下の皮膚を切って、落ち込んだ眼球を元に戻すことで症状はかなり改善しますが、患者さんの場合はケガから1年以上経過しているため、落ち込んだ眼球が骨折部とくっついてしまっていると考えられます。
診察や、検査(CT検査)をしてみないとはっきりとはいえませんが、手術により完全に元の位置に戻せる場合と、戻せない場合があります。 

Q.両まぶた全体のやけどの跡は手術で良くなりますか?

両まぶた全体をやけどして瘢痕跡になっていて目も外反しているのですが、手術でよくなるのでしょうか? 
A
まぶたのヤケドのあとに対する治療ですが、一般的には大きくわけて2回の手術が必要になると思います。
まず、外反しているまぶたを戻す治療が必要です。
外反が弱い場合には、皮膚移植のみで治療できると考えますが、強くめくれている場合には、皮膚のみでなく、軟骨などの移植も必要となる場合があります。
次に、ヤケドあとの皮膚をなるべくきれいな皮膚に置き換える治療が必要です。
この場合は、耳の後ろなど、比較的まぶたに近い部分から皮膚移植を行うことで、より質感や色を近づける治療を行います。
いずれにしても全く元通りにすることは難しいと考えれられます。 

その他

Q.健康保険は適用になりますか?

まぶたの外来は、健康保険は適用になりますでしょうか。
A
少なくとも診察の時点では、普通の健康保険が適応になります。
大学病院では基本的に保険外診療や私費診療は行っておりません。 

Q.かかっている病院の紹介状は何科でも大丈夫ですか?

かかっている病院の紹介状があると良いとありますが、何科でもいいのでしょうか? 
A
紹介状は何科からでも構いません。
初診料がだいぶ下がりますので、ぜひ持参して頂ければと思います。 

Q.施術のどれくらい前から通院しなければいけませんか?

札幌医大で手術をして頂く場合、紹介状を貰ってからの通院になるかと思いますが、施術のどれ位前から通院するものか教えて頂けますか? 
A
こちらで手術をする場合は紹介状を持ってきて頂くと初診料が安くなります。
大学病院の手術枠は少なく、平均して手術まで1ヶ月ほど待って頂くことが多いです。