学生実習

小児科の実習では、将来小児科医にならなくとも、基本的な小児の診察ができる医師になってもらうことを目標としてカリキュラムを組んでいます。

医学部5年生の実習について

医学部5年生のBSL(ベッドサイドラーニング)では、いよいよ実際の小児患者さんを診察してもらいます。実習の合間の時間には、小児の診察方法や救急疾患・感染症などを復習します。幅広く小児診療の全体像を把握してもらうことが目的です。大学病院では専門性の高い希少疾患を、学外病院では感染症や喘息など一般的な疾患を経験することができます。実習最終日には、小児科実習の総まとめを行い、みなさんが卒業後、こどもの診療に少しでも自信が持てるように小児診療の基本を確認します。

必修臨床実習(第5学年)
集合場所・時間

病院5階西病棟 教育診療室 午前8時45分

内容

教育主任が2週間の集合場所、時間、課題などのスケジュールを説明する。各専門分野を担当する準教授、講師、助教、診療医が実習を指導する。

目的

系統講義などで学んできたことを、臨床の場における実践を通じて実際に経験することを目的とする。特に病歴聴取、現症の把握、検査計画、それらの総合判断による治療方針の決定、患者およびその家族への説明、他の医療従事者との連携などを体験する。

実習内容
  1. 学生は、診療指導担当医とともに入院診療、外来診療に臨床実習として参加する。
  2. 入院診療では感染・免疫・内分泌、血液・腫瘍、循環器、神経・筋の4診療グループに分かれ、診療指導担当医師とともに入院患者を受け持つ。
  3. 病歴、身体所見の取り方、診療録記載を学ぶ。
  4. 診療グループ内での各種検査、処置、治療に参加し、これらを理解できるよう務める。
  5. 入退院カンファレンス、総回診、机上回診、各診療グループカンファレンスに出席する。カンファレンス、総回診では担当患者の症例提示を行う。
  6. 外来診療では各診療グループの診療を通して、病歴の取り方、小児の診察法、現症の取り方、患者およびその家族への説明を学ぶ。
  7. OSCEにて小児疾患の問診、診察、説明について学ぶ。受け持った患者についてのレポートを提出する。
  8. ミニレクチャーを通して系統疾患について理解を深める。
  9. 北海道立子ども総合医療・療育センター(コドモックル)の実習(第1週木曜日予定)を通して、小児外科疾患を含めた専門治療を見学する。
実習スケジュール例(大学病院実習の1週間)
午前午後
月曜オリエンテーション、病棟実習専門外来見学
火曜教授回診・プレゼンテーション
ミニレクチャー
専門外来見学
水曜病棟実習 ミニレクチャー専門外来見学 OSCE
木曜病棟実習もしくはコドモックル専門外来見学
金曜病棟実習ミニレクチャー(1週目)
レポートプレゼンテーション(2週目)
実習目標
  • 小児の正常発育、発達の基本を正しくとらえ評価する。
  • 小児疾患の基本的主要症候を認知すると共に検査の意義・治療方針を理解する。
  • 小児治療に必要な基本手技を理解する。
評価

担当教員による実習態度、知識、実技の評価およびレポートによる。積極的に発言し、診察および診療録の記載や症例提示を行う姿勢が望まれる。

担当教員連絡先

小児科学講座 坂井拓朗 011-611-2111 内線34130

医学部6年生の実習について

医学部6年生の高次修練では、大学病院での各診療グループでの実習以外に、関連病院での実習が可能です。また、小児科研究室で基礎研究の実習を行うこともできます。各人の興味に応じた、より高度な実習をしてもらいます。指導熱心な先生方のもとでの実習は、大変貴重な経験となると思います。小児科診療の幅広さを感じ、興味のある分野への理解を深めていただきたいと思います。

必修臨床実習(第6学年)
集合場所・時間

各実習病院小児科部長とあらかじめ打ち合わせを行う。

内容

教育担当者がスケジュールの説明を行う。

事前調整

選択実習の全体のスケジューリングが決まり次第、実習病院の希望調査などを行う(2月)

実習内容

学生は、4週間の選択臨床実習期間のうち、1-3週間を関連病院(北海道立子ども総合医療・療育センター、北海道医療センター、NTT東日本札幌病院、JCHO札幌北辰病院、市立函館病院、市立釧路総合病院、苫小牧市立総合病院、岩見沢市立総合病院、砂川市立病院、北海道社会事業協会小樽病院、製鉄記念室蘭病院)より1-2病院、残りの1-3週間を札幌市内関連病院(NTT東日本札幌病院、札幌社会保険総合病院、北海道立子ども総合医療・療育センター)から選択し2ヵ所にて臨床実習を行う。学生は診療指導担当医師とともに入院患者を受け持ち、病歴の取り方、小児の診察法、現症の取り方を学び、検査・治療計画の立案に参加しこれらを理解し、治療の実際を補助できるよう努める。

実習スケジュール例(大学病院実習の1週間)
午前午後
月曜オリエンテーション、病棟実習新生児・発達外来見学
火曜教授回診・プレゼンテーション専門外来見学、医局勉強会
水曜病棟実習、手技練習専門外来見学
木曜NICU実習病棟実習・ミニレクチャー
金曜在宅診療・往診同行在宅診療・往診同行
実習目標
  • 小児の正常発育、発達の基本を正しくとらえ評価する。
  • 小児疾患の基本的主要症候を認知すると共に検査の意義・治療方針を理解する。
  • 小児治療に必要な基本手技を理解する。
評価

指導医師による、実習態度・症例プレゼンの評価を中心に行う。

担当教員連絡先

小児科学講座助教 野上和剛 011-611-2111 内線34130