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福岡 伸之 さん(実習年度:平成28年)

地域で働くロールモデルとなる先生にお会いできた

福岡 伸之 さん(松前町立松前病院 総合診療科)

地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?
当初は初期臨床研修病院として考えている病院を研修先として選ぼうと考えていましたが、松前町立松前病院の実習プログラムがとても面白そうに思えました。もともと地域医療に興味を持っていたので、地域で必要とされるのはどんなタイプの医師なのか、この機会にじっくり見ておきたいと思うようになり選択しました。
実習先での1日のスケジュール
朝は7:30から始まります。火・金曜は入院患者の症例カンファレンスです。初期研修2年目の先生達がプレゼンしますが、学生もボーッと聞いているだけではありません。他にどんな問診や身体所見をとりたいか、必ず質問されるので、緊張しながらカンファレンスに参加します。水・木曜は全国300箇所以上の病院・診療所が参加する、テレビ会議によるネット講義を受講します。水曜はケースシェアカンファレンスで、勉強になる症例を各病院が持ち回りで発表してくれます。木曜はプライマリ・ケアレクチャーシリーズで、プライマリ・ケアの現場で役立つ知識を、各専門領域に強い先生が持ち回りで教えて下さいます。
8:30~10:00頃までは採血実習です。指導医の監督のもと、血液検査が必要な外来患者さんの採血を担当させて頂きます。準備は万端のはずですが、すんなりいかないこともありました。その都度看護師さんからはフィードバックを、辛いはずの患者さんからは慰めの言葉を頂きました。痛くない採血を一発で決めることが実習中の課題の1つになりました。
10:00~12:00頃までは外来診察の見学です。外来見学では新患患者さんの予診を取らせて頂けます。松前病院の先生方は内科だけではなく外科や小児科も診るので、プライマリ・ケアで遭遇する多くのコモン・ディジーズの診察を見学することができます。
13:30から訪問診療に同乗します。訪問診療では、部屋がきれいか、薬が整理されているか、きちんと食べているか、手すりはあるか、日中何をしているかなど、診察室では見えてこない患者さんの日常を把握でき、何気ないところに注意するポイントがあります。
16:30頃に病院に戻り、担当する入院患者さんの診察に行きます。診察結果と前日の検査結果をカルテに書いていると、救急車のサイレンが聞こえてきます。救急車の受け入れ件数は決して多くはありませんが、私の実習中は2日に1回以上のペースでありました。道南にDr.ヘリが就航するまで松前~函館間の搬送手段は救急車しかなく、片道2時間弱かかっていました。それが、ヘリなら30分弱で搬送できます。患者さんを送る地域の側でみると、Dr.ヘリの意義がしみじみと感じられます。
実習を通して得たもの、学んだことについて
地域のインフラとして活躍する医師のベースには、総合性と救急対応能力があると感じました。総合性は内科全般だけではなく、小児科、外科、整形外科、皮膚科、精神科などの知識・技術も含まれています。いずれは地域で働きたいと考えているので、ロールモデルとなる先生方にお会いできたことが一番の収穫と感じています。
後輩へのメッセージ
札幌を離れての4週間の実習は決して気軽ではないので、必ずしも実習への参加をおすすめしようとは思いませんが、学生の立場で気になる病院に出入りできるのは今年までです。もしこの実習に参加することがあれば、是非目の前で行われていることに興味を持って積極的に診療に関わってください。きっと、望んだよりも多くの知識と経験が得られると思います。

最終更新日:2015年10月04日




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