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岩佐 真実 さん(実習年度:平成28年)

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岩佐 真実 さん(市立釧路総合病院 小児科)

地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?
5年生の実習を終え、6年生の選択クリクラで経験したかったことは3つあります。同じ患者さんの経過を継続して見ていくこと、札幌から遠い病院で実習すること、commonな疾患のマネジメントを理解することです。これを同時に叶えてくれるのが地域包括実習でした。特に2つ目の理由に関しては、札幌生まれ札幌在住の身であることも大きな理由の1つでした。将来、北海道で医師として働きたいと思っているにも関わらず、地方の医療を見ずして学校生活を終えるのが何かしっくりこないところがありました。それならば思い切って1カ月、自分の知らない土地で勉強してみたいと思い市立釧路総合病院を選びました。
実習先での1日のスケジュール
【8:30~新生児回診】 NICU担当の先生と新生児の回診し、集中治療が必要な赤ちゃんのバイタルや哺乳量、体重変化、血糖値をチェックします。ここでは指導医の指導のもとで採血や血液ガス分析の介助をしました。退院時診察では生まれて数日の赤ちゃんの診察をさせていただきました。最初は先生の診察を手伝うだけでしたが、慣れてくると一連の診察を自分でできるようになりました。
【10:00~一般外来見学】指導医の外来を見学します。commonな疾患から、珍しい先天性疾患の子まで幅広い症例を経験することができました。特徴的な所見があれば一緒に診察します。病態の難しい疾患についてはその都度先生が詳しく指導してくださいました。
【13:30~乳児健診】1カ月の乳児をメインに健診を行います。毎週火曜に行っている乳児健診ですが、3週目からは実際に診察からカルテ記入までさせていただきました。親御さんへの問診や簡単な説明も行いました。健診とはいえ、小さな変化に敏感な親御さんも多く「安心させる」技術が求められると思いました。
【16:30~病棟回診】指導医と共に回診します。喘息発作や胃腸炎の自然歴やよく処方される薬剤の一般名がわかるようになります。
【17:30~小児科カンファレンス】入院患者さんの紹介を行います。先生方の熱心な議論は大変勉強になりますし、わからないところは1質問すれば10返してくださいます。
実習を通して得たもの、学んだことについて
低身長の子にとって成長ホルモン補充療法がどれだけ怖いものか、NICUから出られない赤ちゃんに母乳をあげに来るお母さんに対して必要な支援は何か、自分の子が熱性けいれんを起こしたとき親御さんはどんな顔をしているか、ここに来なければわからなかったことは数知れません。患者さんはどんな顔をしていて、どんな風に寝ていて、どんな風に食べているのか。どれくらい元気で、どれくらい笑顔をみせてくれるか。親御さんはどんな顔つきで病状説明を聞いているか。教科書はそれほど多くのことを教えてくれません。
そんな、小児科医として当たり前に向き合わなければならないことが理解できていなかったと気が付きました。これまでの病院実習でも似たような場面はありましたが、どれも断片的な経験でしかありませんでした。多くの時間を4階小児科病棟で過ごしたからこそ、感じられたことでした。国家試験に役に立つ経験ではなかったかもしれません。しかし、自分が将来医師として患者さんに接する上で大切なことを学べたと思います。
後輩へのメッセージ
私自身、とても気が小さい人間です。1ヶ月もの間知らない土地に住むのは勇気のいることでした。だからこそ、地域包括実習を選びました。大学最後の学年で「新しい環境」にチャレンジし、少しでも自信をつけて研修医2年間を迎えたいという気持ちがあったと思います。実際、新しい土地、新しい病院、新しい人間関係の中に身を置くことで見えてくることがありました。
1ヶ月という短くも長い実習は、自分次第でいくらでも充実したものにできます。大学病院での実習よりも一層自ら学ぼうとする姿勢が求められますが、6年生で何かチャレンジしてみたい方にはおすすめします。

最終更新日:2015年10月04日




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