現在位置の階層

  1. ホーム
  2. 臨床実習ガイド
  3. 先輩からの臨床実習体験談
  4. 平成26年度
  5. 西村友佑さん(実習年度:平成26年)

西村友佑さん(実習年度:平成26年)

地域包括型実習だからこそ学べた地域全体での医療

地域包括型診療参加臨床実習を選択した理由は?

 興味のある分野、特にcommon diseaseについて、より実践的に、たくさんの症例に触れることで、近い将来臨床の場で活かせる経験を積む事ができると考え選択しました。
 市立函館病院はマッチングの選択肢の1つとして考えている病院であり、それも含めてアピールができるかな、また、地元なので慣れ親しんでいるといった本来の趣旨から外れた意図も若干あり、選択しました。
実習先での1日のスケジュール
西村さん

西村さん
(市立函館病院)


8:00 担当患者さんの診察、カルテ記入。
9:00 指導医と合流し、回診後、病棟でのエコー検査や腹腔穿刺な
   どの処置に参加。
12:00 食堂にて昼食
13:00 内視鏡室にて、ポリペク、ERCPなど見学。
           食道や胆管のステント留置なども見学。合間をみてファント
    ムでの内視鏡の練習。
16:00 医療連携室カンファレンスに参加。
終末期の患者さんで、自宅で最期を迎える決意をした方がいらっしゃいました。その方の家族、消化器内科や緩和チームの医師、看護師、地域医療連携室のスタッフ、さらには今後この患者さんを支えていくことになる訪問看護ステーションの職員の方が一堂に会し、サポート体制について協議していくものでした。1つ1つの質問に対し丁寧に答え、参加者全員でサポートする姿が印象的でした。

17:00 症例発表会の内容について指導医と打ち合わせ。
18:00 回診し、カンファレンスに参加後、実習終了。
実習を通して得たもの、学んだことについて

 私は、化学療法を中心に勉強しました。地域の基幹病院として実に多くの患者さんを受け入れているため、比較的一般的症例についての疾患はレジメンの選択のアルゴリズムが自然とわかるようになりました。腹腔穿刺など、清潔操作が求められる手技も指導医の下で希望すれば経験させて頂けました。どんなことでも経験を積まなければできないということを、実感するいい機会になりました。
 死亡確認に立ち会うことも何度かありました。実習開始日から診させて頂いていた患者さんの死は特に辛いものでした。しかし、終末期の段階を含めて、患者さんのご家族への指導医の対応を見ていると、非常に勉強になりました。医療の枠を超えて、命について考える機会にもなりました。大学での実習ではこういった機会は多くないので、非常に有意義な体験ができたと感じています。
 学生症例発表会のスライドを作成する過程では、指導医のチェックを受けるうちに、「医学的な表現」、「簡潔で伝わりやすい言い回し」など、プレゼンテーションの流儀を学ぶ事ができました。
 さらに、地域「包括」という面でも多くの学びがありました。担当していた患者さんの1人がホスピスへ転院されたのですが、サテライト施設実習でそのホスピスを見学させて頂く機会があり、そこで患者さんと再会しました。発症からの経過を知っている症例を介して、基幹病院の医師と小規模なホスピスの医師それぞれの役割、その連携について知ることができました。また、夜間急病センターの見学中、訪れた患者さんが市立函館病院へ搬送となり、私も市立函館病院へ戻って治療を見学しました。こういった経験も、地域全体での医療を体感する貴重な機会となりました。
後輩へのメッセージ

 1つの症例を担当し、じっくりと掘り下げながらその疾患について学ぶこと。たくさんの症例を次々と目の当たりにし、ルーティーンで行われる検査や処置、治療について体で覚えていくこと。この2点を平行して経験できるのがこの「地域包括型診療参加臨床実習」の長所であると思います。診察はもちろん、日々のカルテやサマリーの記載などを通して、多くの患者さんの経過を追っていけることは疾患についての理解を深める絶好の機会です。今まで学んできた知識をどの程度アウトプットできるか、活きた知識になっているかを試してみることもできます。緊張しますが、気負わずに飛び込んでみてはどうでしょうか。
 4週間の学外での実習は長いように思えるかも知れません。しかし、地域医療の最前線で活躍されている指導医、研修医の先生方と共にする時間はとても刺激的です。自分の将来像を具体的にイメージすることができ、その経験は実習を終えて帰ってきてからもモチベーションとして活きてくるものとなります。各地域ならではの美味しい食べ物等を、先生方の熱いメッセージと共にいただける機会もしばしばあるでしょう。そういった機会に恵まれたら、医学的な内容に捕われる必要は無いので色々な話をしてみてください。1人でも多くの先生の、医師としての生き様を感じてみてください。そこから、今自分がするべきこと、考えるべきことが見えてくることもあります。みなさんの実習が実り多いものになることを祈っております。

最終更新日:2014年10月02日




サイト・マップ