新任教授ご挨拶

微生物学講座 教授 横田 伸一(北海道大学理学部卒)

 2013年9月1日付けで微生物学講座教授を拝命いたしました横田伸一です。宜しくお願いいたします。微生物学講座としては藤井暢弘名誉教授の後任ということで、五代目の教授になります。

 私はもともと化学が専攻で北海道大学大学院理学研究科修士課程を修了後、十数年間関西の民間企業で研究員として主にバイオ医薬品の創薬研究にたずさわりました。機会がありまして2000年に本講座に赴任し、現在に至ります。北海道にはいわゆる里帰りということになりました。赴任前までは、細菌感染症の抗体療法や細胞接着因子を作用点とする抗炎症薬の開発などに従事し、研究の主体は感染免疫に集約されます。その中で、探索的研究から生産的研究(タンパク質のパイロットスケール精製や品質管理)、特許対応、海外ベンチャーとの共同開発など医薬品開発の多くのステージを経験することができました。本学赴任以降は、藤井名誉教授からのウイルス感染とインターフェロンの研究テーマを推進してほしいとの要請に応えて仕事を進めて参りました。また肺炎球菌、インフルエンザ菌を中心とした耐性菌の分子疫学的研究や本学赴任以前から取り組んでいたピロリ菌リポ多糖の病原因子としての役割に関する研究も進めてきました。種々の研究テーマをこなしている過程で私の目指すところは「ヒト(あるいはヒト社会)と微生物の関係はどのようにあるべきか」に集約されていることに気がつきました。

 私は常日頃から医学部における基礎医学講座の役割について、臨床実学,臨床研究のバックアップが何よりも重要であると強く思っています。臨床の先生方の疑問にお答えし、未知なることであれば私たちの研究室がエビデンスを生み出していくのが理想です。今後も研究室としては細菌、ウイルスにこだわらず、宿主であるヒトと微生物との相互作用(特にその最前線である自然免疫応答)の面白さを解明していくことを目指します。一方で、抗菌薬耐性菌の薬剤耐性メカニズムの解析研究も推進し、抗菌薬耐性菌の蔓延を起こさない抗菌薬の使い方の提言を基礎の立場で発信できればと思っています。

 「桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す」と申しますが、研究室スタッフの協力のもと多くの人に魅力を与え、何かちょっとした疑問をお持ちの先生方や学生さんたちが私たちのもとに集まってくれるような研究成果と教育を提供できる研究室を目指して頑張っていきたいと思っているところです。


略 歴

氏  名: 横田 伸一(よこた しんいち)50歳
所  属: 札幌医科大学医学部微生物学講座
学  歴: 昭和56年(1981年) 3月 北海道立札幌北高等学校 卒業
昭和60年(1985年) 3月 北海道大学理学部化学科 卒業
昭和62年(1987年) 3月 北海道大学院理学研究科修士課程 修了
平成 3 年(1991年) 5月 薬学博士(東京大学)
職  歴: 昭和62年(1987年) 4月 住友化学工業株式会社 生命工学研究所
平成 4年(1992年)10月 住友製薬株式会社 総合研究所
平成 9年(1997年)10月 株式会社エイチエスピー研究所 副主任研究員
平成12年(2000年) 5月 札幌医科大学医学部微生物学講座 講師
平成16年(2004年) 2月 札幌医科大学医学部微生物学講座 助教授
平成20年(2008年) 4月 札幌医科大学医学部微生物学講座 准教授
平成25年(2013年) 9月 札幌医科大学医学部微生物学講座 教授
所属学会: 米国微生物学会,日本細菌学会,日本ウイルス学会,日本感染症学会,日本生化学学会,日本化学療法学会,日本臨床微生物学会, 日本臨床ストレス応答学会(評議員),日本ヘリコバクター学会,日本エンドトキシン・自然免疫研究会(世話人),緑膿菌感染症研究会(運営委員)
学術関連受賞: 日本ヘリコバクター学会第6回小林六造記念ヘリコバクター賞(平成22年)
資格等: インフェクションコントロールドクター(ICD)