退職の挨拶

札幌医科大学 泌尿器科学講座 教授 塚本泰司

 1995年7月に教授に就任し、その後18年間札幌医科大学泌尿器科学講座の舵取りを任されてきました。このたび、定年を1年前倒しし退職することになりました。1973年4月に本講座に入局(一昔前の言葉ではありますが)してちょうど40年が過ぎたことになります。この間、熊本名誉教授、多くの先輩、後輩に支えられながら何とか職務を果たすことができ万感の思いです。

 この40年間に泌尿器科学は格段の進歩を遂げました。泌尿器科医としての歩みを始めた時点と比べると、何よりも患者層が劇的に変化しました。当時と比較すると70歳以上の患者さんの割合が圧倒的に増加しました。これは泌尿器科だけには限りませんが、元来高齢者の病気を扱うことの多い泌尿器科ではその変化は劇的です。年齢が高いために手術ができないとしていた状況が大きく変わりました。このような患者さんに安全な手術を提供できるようになったことは、この間の状況に身を置いていたものにとっては、眼を見張る変化と言って言い過ぎではないように思われます。

 第二には、もちろんこのような変化を支える泌尿器科学、泌尿器科診療、手術に大きな進歩があったことは言うまでもありません。特に、教授に就任した1995年以降の変化はまさにObama大統領の言葉そのものの”change”にふさわしいものと言えます。手術治療の進歩、なかでも腹腔鏡手術、さらにはロボット手術の臨床への導入など、まさにこれにふさわしい大きなイベントでしょう。このような治療は今後も益々進歩していくものと思われます。当泌尿器科でもロボット手術が今後開始される予定になっていますので、期待が膨らむところです。

 この40年間、楽しくまた建設的に仕事ができたことは非常にありがたいことでした。島本学長、黒木医学部長をはじめ歴代の学長、医学部長、本大学の各教授、教員、職員の方々には多くのご支援をいただきてきました。改めて御礼申しあげます。また、苦楽をともにしてきた多くの先輩、後輩の皆さん、現教室員にはただただ感謝あるのみです。私の人生において実りある時期をともにしていただき、ありがとうございます。

 最後に、”forgive, but do not forget”と言いながら支えてくれた多くの患者さんに感謝いたします。