『21世紀の北方圏医療の発展をめざした札幌宣言』

【趣旨】

  私たちは、これまで北方圏地域に住む人々の健康と福祉の向上を願い、医学・保健医療分野における技術の発展・研究充実をテーマとして交流を重ねてきた。

  この度、札幌医科大学開学50周年を記念し、これまでの交流の成果を踏まえ『北方圏医学と保健医療に関する国際シンポジウム』を北海道札幌市で開催した。

  このシンポジウムを通じて、私たちは21世紀の医療・保健医療の一層の発展に向けて共通の目標を掲げ、一つとなって努力し、協力することが必要であることを確認した。

  このことから、私たちは更なる医療交流の推進と友好の絆の拡大を誓い、ここに札幌宣言を行うものである。

1 これまでの交流から生まれた知識や技術を活用し、今後とも研究、教育、診療の分野において協力しあい、その一層の発展をめざす。

2 北方圏諸国の気候・風土、生活環境における多くの共通点を明確にし、地域医療やプライマリーケアなどの分野において、より優れた医療や診療の確立をめざす。

3 テレコミュニケーションなどの新たな技術を活用し、共同研究や診療の進展を確実なものとする。

4 従来の研究者の交流に加え、学生や研究生、若手研究者、医療従事者の交流を推進し、北方圏の医学・保健医療に新しい息吹を取り入れる。

5 これらの活動を通じて得られた成果や知識、技術を北方圏諸国以外の地域に住む人々に普及し、人々の健康と福祉における世界的な水準の向上に向けて貢 献する。以上のことを確認して、2000年6月24日、日本国北海道札幌市において、この宣言に署名する。