地域の命を守る医療人養成プログラムの実践

〜北海道における医療過疎地ゼロを目指して〜

取組の概要
 地域の量的・質的な医療格差は地域に暮らす人々に不安を与えるだけではなく、地域全体
の活力を失わせるなど北海道においても社会構造にゆがみをもたらしている。
 本取組は、こうした大学附属病院の教育機能を活用し、
医師が地域に定着するシステム
を確立することにより、こうした課題の解決に寄与しようとするものである。
 特に地域医療に従事する医師の不安解消とスキル向上を重点に、心配蘇生や患者搬送な
どの救急救命医療の実践教育を実施する
「緊急時対応能力養成コース」、勤務先地域の
特性と医師の専門性を踏まえたテーラーメイドの集中教育を実施する
「モジュール別コース」
などの事前トレーニングを前期臨床研修と一体で行い、ITを活用したテレビ会議システム
よる合同カンファレンスや医学情報・医療情報をリアルタイムに配信する医療情報の提供を行
うサポート体制を整備し、医師への生涯教育をも見据えた
地域のニーズにあったプライマリ
ケア医の着実な養成
を目指すものである。

 プログラムの各内容については取組紹介パンフレットもご覧ください。
  → PDFファイル(8,089KB)

着任前プログラムのイメージ

〔事業内容〕

 ◇着任前トレーニングプログラム
 (1)
緊急時対応能力養成コース
   @AED・ACLS技術の修得
    ・AED(心停止状態となった患者に電気ショックを与えて機能回復を行う装置)
    ・ACLS(人工呼吸や心マッサージなどの一次救命措置に対し、気管挿入・薬剤投与などの高度な心肺蘇法。
     二次救命措置。)の実地訓練のため、トレーニングマネキンを用いて、心肺蘇生トレーニングを実地。
   A搬送システムの理解
    ・赴任先病院で受入れ困難な患者が搬送された場合の症例別の搬送体系や的確な判断を養い、救急患者の
     搬送体制を理解させる。
 (2)
モジュール別コース
   
@地域実態の把握
    ・赴任先地域の医療の特性ニーズを把握するため、医療関係者を招へいし、札医大で講義を実施。
   Aモジュールによる実習
    ・赴任先地域に必要な医療分野(特に派遣者の専門分野以外分野)の技術修得を図るため、呼吸器、消化器
     等の細部門毎に作成された指導方策・研修医用マニュアル(モジュール)により技術修得を図る。


 ◇着任後サポートプログラム
 (1)
日常的支援システム
   
@テレビ会議システムの導入
    ・臨床講座教授が講座内で行うカンファレンス(症例検討会)や講座教員との個別相談をテレビ会議により札医
    大とモデル病院間で実施。
    ・講座で実施しているプライマリケア医基礎講座をテレビ会議により放映。
   A医学・医療情報の提供
    ・市販の臨床医学基礎文献(電子版を購入し、モデル病院の医師に提供)
    ・他大学、研究機関の先進的事例を調査の上、プライマリケアに関する学内資料を整理、分類し電子化するとと
     もに大学院講義等を録画し、モデル病院の研修医に放映。

 ◇地域との相互評価システムの導入
   @地域医療の状況調査の実施

   ・勤務病院の医療体制や地域の協力体制等地域情勢を収集し、着任前トレーニングに反映させる。
   A地域住民アンケート調査の実施
   ・地域住民や地域医療機関を対象としたアンケートを実施し、研修医及び本学に対する要望を調査。
   B短期スクーリングの実施
   ・地域に勤務する予定の医師を対象に短期間の研修を大学病院で実施。

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