札幌医科大学 
理事長室だより -第9号-



 

第9号 平成20年11月10日

 理事長室だより第9号をお届けします。

  先般、札幌市民憲章推進会議から、本学附属病院ボランティアの会「フローレンス」
が、札幌市民憲章が目指す明るく住みよいまちづくりの模範として、今年度の表彰団体
に決定した旨の通知がありました。フローレンスの地道ではありますが、優しさに満ちた取
組が、札幌市民憲章の実践者として評価を受けたものであり、大変うれしく思っています。
  今後とも、患者さまの明るい笑顔のため、さらなる活発な活動を期待しています。
 それでは、最近の本学の動きをお知らせします。

  ○ 平成21年度医学部定員の増について
  先日、文部科学省が来年度の医学部定員の増員計画を公表しました。
 全国での増員数は693人増で、定員総数は8,486人と過去最大となりました。北海道で
は、本学が5人、北大が5人、旭医大が12人、計22人の増で327人となります。

  深刻化する医師不足に対応するための措置であり、本学としては、増分すべてを今年
度の5名増員 と同様に、道内出身者に限定した特別推薦枠としました。本学の地域医
療に貢献するという使命に鑑みれば、より多くの増員を行いたいところですが、現在の本学
の施設環境を踏まえた最大限の対応をしたところです。
  今回の増員の効果が現れるのは、卒後臨床研修期間も考慮に入れますと、10年ほど
先ということになります。
  私は、現在の医師不足の原因のひとつに臨床研修制度の問題があると考えています。
  先日厚生労働省が主催する臨床研修制度のあり方検討会において、舛添大臣の前
で意見を述べ る機会がございました。そこでは、北海道の医療が極めて厳しい現状におか
れていること、その引き金と  なったのが臨床研修制度であったという趣旨の発言をいたしま
した。地域医療の最前線にいる医師の
 皆さんは、現在大変厳しい環境の中で奮闘されています。微力ではありますが、今後もあ
らゆる機会を捉えて、その実情を訴えていきたいと思っています。


  ○ 公開講座の積極的な実施について
  先月、紋別市と別海町において、医学部道民公開講座を開催し、當瀬医学部長が
講演されました。これらの自治体は、今年のチーム医療実習の受入先として、大変お世話
になり、そのお礼の意味もこめての開催ということでありました。また、今週14日には、保健医
療学部主催の赤れんがフォーラムも開催されることとなっております。
  本学は、法人化を契機として、より一層の地域貢献を求められており、中期計画にお
いても、疾病の 予防や健康づくりに関する道民の意識を喚起するため、公開講座の開催
数を、法人化前に比べ、平成24年までに30%増とするよう取り組むこととされています。
 一朝一夕には行かない目標であります
 が、教職員の皆さんには、開催に向けた積極的検討をよろしくお願いしたいと思います。


  さて、来月3日午後5時30分から、学内の学生、教職員を対象に、GPフォーラムが臨
床1階講堂で 開催されます。平成16年にチーム医療実習がGPとして文科省の採択を
受けて以来、毎年関係教職員の方々の努力のおかげで、様々な教育改革の取組が採択
されてまいりました。そして、この10月の医療人育成センターのスタートを契機として、現在
取り組まれているGP関係者が一堂に会して、その取組を発表し、今後の展望について議
論を交わそうというものです。
  教職員の皆さんはもちろんのこと、実際に教育を受ける立場の学生の皆さんにも積極的
に参加いただき、本学の教育がさらに充実したものとなるきっかけとしていただきたいと考えて
います。