第5号  平成16年11月29日


 すでにご承知のことと思いますが、11月26日深夜、本学の山本事務局長が逮捕され
ました。突然のことで大変驚いております。

 本学事務局のトップである局長がこのような事態になったことは、誠に遺憾なことで
あり、皆さんにご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。今後、本学と
しては、その捜査の状況を見守り、その結果を踏まえて適切に対処していかなければ
ならないと考えております。

 今回の不祥事を、一部の職員の不適切な行為ととらえるような気持ちでいることに
なると、道民の信頼を回復し、この窮地を乗り越えることは困難となります。本学と
しては、学生や患者様をはじめとした道民の信頼がなければ、本学の存在も危うい
ものになってしまうという危機感を、我々が共有しなければならないと思います。やはり
一番大切なのは、道民の皆様のための大学であるという認識であると思います。どうぞ、
このようなときこそ、原点に帰り、少しでもよい仕事をするように、心をひとつにがんばって
いただきたいと思います。
 
 また、先週11月24日には本学に関係して「札幌医科大学のあり方について」が
設置者により決定され、25日には議会に報告されました。

 その中で、「より一層の大学の活性化と地域に貢献できる魅力ある大学づくりを目指す
大学改革を推進するために本学を地方独立行政法人法の公立大学法人とする。」旨の
発表がされています。本学は昭和25年の創立以来、北海道における医学・医療の教育・
研究」と「地域医療への貢献」という建学の精神のもとに、「知の拠点である医育機関」
として、医学の発展と道民の健康維持・増進のために努力してきたものと考えております。

 しかしながら、大学を取り巻く環境は大きく変化しており、大学としても、より道民に支持
され愛される大学を目指していかなければならないものと考えてきたところであり、道立
大学の設置者である知事が「法人化が大学改革にとって有効な手段である。」と判断
されたものと受けとめております。

 私としても法人化を契機に道民に「将来に向けたビジョン」をお示しするためにも、
教職員の皆さんとこれまで以上に学内議論を重ね、また、設置者とも協議していか
なければならないものと考えております。

 いずれにしても少子化を背景とした大学全入時代の到来や国立大学の法人化など
大学間競争が激化しており、今まで以上に道民に信頼され、また、これまで先輩諸氏が
死にものぐるいで築き上げてきた札幌医科大学をより発展させるためにも大学改革は
急がなければなりません。今後の取組については、改めてお知らせしたいと思いますが、
教員、職員の皆さんの積極的な参加なくしては進めることはできません。
 
 今回、事務局長の不祥事がありましたが、皆さん方におかれましてもこれまで以上に
気持ちを引き締めると共に、公務員倫理の確立のためにも全力を挙げて取り組まれる
ようお願いします。また、大学改革は遅れてはなりません。重ねて皆さんのご協力
よろしくお願いいたします。