第41号  平成19年1月22日

 学長室だより第41号をお届けします。
 
 今年は本学にとって、大きな節目ともなります法人化が約2ヶ月後
に控えています。
 そのことに関連しまして、私の思いを年頭のご挨拶でお伝えした
内容を改めて述べさせていただきたいと思います。
 なお、内容が長くなっておりますので、今回も含め3回に分けて、
お伝えいたします。
 
◎大競争時代に突入した大学

 少子化を背景に、まさに19年度からは大学全入時代といわれ、
定員割れの学部が国公私立問わず、少なからず現れてくる事態と
なると言われています。

 また、学生のキャリア重視志向、就職の安定性からも「国家資格」
を重視した大学が増加してきており、医療人の育成が使命である
本学も、まさに激化している大学間競争の中に突入している といっ
ても過言ではありません。

 こうした中、国では大学の横並び意識を打破するため、数々の競
争的プロジェクトを導入してきておりますし、大学への社会的要請も
即戦力を求めると共に、より具体的な知的貢献、地域貢献が求めら
れるように変化しています。

 国の施策の例を挙げても、教育改革プログラムとしていわゆる特
色GPや現代GP、さらに医療人教育支援やがんプロフェッショナル
育成支援などといった医科系大学に対応したものも拡充されてきて
います。

 研究面においても来年度予算案では「トレンスレーショナルリサーチ
イニシャチブ研究拠点」の形成や「グローバルCOEプログラム」などと
いった拠点化、重点化する事業が盛り込まれているほか、社会的ニー
ズにマッチした大学院を支援するプログラムなども導入されることにな
っています。
 
◎変化する公立大学の役割

 公立大学が創設された当初は、国立大学や私立大学との役割分担
のもと、地域のニーズ に沿った大学づくりが目指す方向であったと思
います。

 このことは大学の存在そのものがいわゆる地域への貢献であったと
考えても良いでしょう。しかしながら、地方分権といわれる時代が到来
すると共に、その役割は地域に応じた施策を支える「知の拠点」となり、
公立大学協会の分析では、今後はより具体的な地域貢献を実現する
戦略的大学づくりが求められると言われています。

 こうした視点から、本学の使命も教育・研究面では北海道に根ざす質
の高い学生の安定的な確保を目指すこと、そしてそのためには医療人
を志向する学生にとって魅力ある教育を展開することであり、地域医療
の質の向上のため、世界に通用する研究を行うことと考えられます。

 また、もう一つの大きな使命でもあります地域医療への貢献の面では、
医師をはじめ、コメディカルスタッフの地域偏在の解消と地域医療サービ
スの向上を目指すこと、そして、附属病院では高度先端医療の開発・提
供を行う中核的医療機関として、より一層の医療サービスの充実と向上
を図ることが必要と考えます。