第37号  平成18年8月29日

 学長室だより第37号をお届けします。

 日中は暑いですが、朝夕は涼しい風になってきました。学生の皆さんは、
それぞれ夏休みに入っておりますが、別海や釧路での地域密着型チーム
医療実習をはじめ、利尻島における臨海実習、また、アルバータ大学での
語学研修など、それぞれ勉学に励まれている方も多いかと思います。
 お盆などで故郷に帰省されている方も、リフレッシュしていただき、新学期
に備えていただければと思います。

◎「地域密着型チーム医療実習」に同行しました。

 8月21日(月)から道東で実施された「地域密着型チーム医療」に昨年に
引き続き、私も参加しました。
 地域で対応していただいた関係機関のご協力により、学生の皆さんもいろ
いろと学んだことも多いかと思います。私も直接、学生の皆さんのお話を聞
きましたが、充実感にあふれていたような気がします。
 相馬助教授を中心としたコアスタッフの皆さんや下支えをしている学務課
の皆さんの並々ならぬ努力の賜と思っています。

 このGPの取組も3年目を迎え、来年度は国からの助成はありませんが、
私としては今後の地域医療を担う医療人を育てる上でも重要な取組である
と認識しています。
 この取組を今後も定着させるため、来年度どのような体制、規模、内容で
進めていくかについて等、関係された教職員の皆さんや学生の皆さんのご
意見を聞いて、進めていきたいと思っています。

 国の特色ある教育改革の取組は、採択されますと2年から4年程度の助
成の期間があります。それを学内にどう根付かせるかが大きな課題だと思
います。採択されるまでは一生懸命であってもそれを学内に定着させていく
ことが本当の取組ではないでしょうか。
 
◎平成18年度保護者懇談会が開催されました。

 8月25日(金)に今年度の保護者懇談会が開催されました。私もできる限
り多くの機会に保護者の方々に大学の取組も情報提供することが使命と考
えています。特に昨今の大学を取り巻く情勢、19年度法人化する大学のあ
り方をはじめ、教育改革などに積極的に取り組む本学の対応についてもお
知らせしていきたいと思います。

 また、近年、ご心配の多い学業や進路、就職、学生生活の問題についても
きめ細かく相談体制ができるよう対応していきたい考えております。今後とも
後援会と共に、情報交換できる体制を充実させたいと考えています。
 
◎現代GP「高大一貫型プログラムによる効果的職業教育」が採択され
 ました。

 今年度の現代GPの取組で、イーラーニングを活用して保健医療学部で取
り組むプログラムが採択になりました。
 
 この内容は前回も触れましたが、大学に入る前の高校生にもっと学部教育
の中身や職業を事前に知ってもらうことなどにより、自己の適性も含めて、学
生になって一番重要な入学してからの半年間を乗り切ってもらおうという取組
です。

 イーラーニングというのは、先行している大学を見ますと特に情報系の大学
が様々なシステム開発を中心に取り組まれている事例を多く見ます。私として
は高大連携といった日常的に対応していくシステム開発も重要ですが、今回
の取組は、システムにのせるコンテンツをどう作成するかにかかっているもの
と確信しております。

 医療人として最も重要なコミュニケーション能力の開発を基本に、看護学科、
理学療法学科、作業療法学科といった学科の特徴をどう理解してもらうか、さ
らに入学してからの教養科目の重要性などもわかるコンテンツが保健医療学
部の教員の皆さんの真摯な議論の中に生まれていってほしいと思っています。
 ホームページを中心とした保健医療学部の情報発信を充実させる取組も進
められているところですが、多くの医療系の大学の先進的取組となるよう是非、
よろしくお願い致します。
 
     ※                              ※

 本学の法人化に向けて、設置者でも中期目標について検討がされております。
 8月7日(月)に実施した学内懇談会でも中期計画のたたき台に関連して触れ
ているところですが、この素案については9月から始まる道議会でも議論される
と言うことです。
 今後、パブリックコメントなどでも本学への期待も含め、教育・研究をはじめ、
大学運営や附属病院の関連、地域医療への貢献や産学連携など幅広い意見
が寄せられると思います。本学としても学内の皆さんにもできる限り情報提供し、
ご意見を伺いたいと思います。
 
 18年度の特定医学研究推進事業について、学内の審査を踏まえ、先端的研
究7件と奨励的研究6件を選定させていただきました。
 私としては、教員一人ひとりの取組がこうした学内の取組を足がかりに、より
大きなもの、革新的なものに育っていってほしいと思います。秋にはまた、科学
技術研究費補助金の募集がはじまります。大学としては建学の精神にあるよう
に「医学・医療への攻究」が一つの柱です。できる限り多くの研究者の皆さんが
挑戦していただくことを期待しておりますのでよろしくお願いします。
 
 先月末の附属病院の収入が昨年に比べ、大きく上昇しているという分析結果
が出たとのことです。医療制度の変更の影響もありますが、患者数及び手術件
数の増加が大いに寄与しているとのことで、これは一重に病院で頑張っておら
れる医師のみならず、コ・メディカルスタッフの皆さんのおかげと思っております。
病院長を中心に、今後ともよろしくお願いします。