第35号  平成18年6月26日

 学長室だより第35号をお届けします。

 6月下旬になりましたが、天候不順な毎日が続きます。北海道では
梅雨がないといわれますが、こうした肌寒く曇った毎日が続きますと
農作物への影響などが心配です。

 今号では先日、実施しました特別シンポジウムの話題とあわせまして、
法人化に向けた取り組みについてお知らせしたいと思います。
 
◎ 人間力の育成(人間としての成長)について

 前号でも触れましたが、6月8日(木)に「大学と地域貢献のあり方を
考える」と題して、特別シンポジウムを開催しました。
 基調講演をされた寺島実郎氏からは、「人間力の育成を」という提言
をいただきました。

 本学にとってもこの言葉には大きな意味があるものと思います。特に
建学の精神にもあるように研究、教育、診療に積極的に取り組む、果敢
に新しいことに挑戦していくそのための人間力ということもあるかと思い
ます。

 人間力が重要な理由のひとつは、特に、私たち医療人が病める人を
相手にする仕事に就いていることです。生と死に少なからず関わる仕事
です。このためには、単なる知識や技術の取得だけでは医療人としては
十分ではありません。この点、一般教育の重要性を指摘したいと思いま
す。

 ただ、私はこの人間力は必ずしも実習や授業からだけではなく、日常
的な事象からも是非、学生の皆さんには体感していただければと思いま
す。学生の皆さんだけでなく、教職員の皆さんも今一度、この人間力とい
うことを考えていただければと思います。
 働く喜びが、道民の皆様や周囲のかたにも影響を与えるような法人に
なることを願っております。
 
 当日のシンポジウムで、大学連携が話題になりました。小樽商科大学
とは昨年からすでに協定を締結し、産学官連携コーディネーターの配置
や客員研究員の受け入れ、マッチングフォーラムの実施をはじめ、保健
医療学研究科における大学院の講師派遣や本学教員の研究の技術移
転の具体化など実績が各分野に広がりつつあります。

 もう一つの室蘭工業大学は工業集積のある道央地域の技術力を支える
単科の国立工科大学として大きな実績があります。情報系や材料系など
様々な研究分野があると思いますが、産学官連携コーディネーターなどを
活用して、連携の可能性の芽を検討していきたいと考えております。
 
◎ 法人化の取組について

 6月12日(月)に法人化検討委員会を開催しました。現在、取り組んでい
る課題は中期計画のたたき台です。このことについては前号でも触れまし
たが、このたたき台についてはこれまで「教育」と「研究」については学内
懇談会などでもお示ししているところです。

 今回は公立大学法人の特徴ともなります地域医療を中心とした地域貢献
とあわせて業務改善などの分野についても方向性を検討して一括した内容
で整理したものです。

 特に検討の中では、地域医療面では自治体の診療支援、教育面での取り
組み、そのほか、産学連携や高大連携などについても議論したところです。
 また、業務改善での面でも法人化の特徴を視野に入れた考え方も盛り込
んでいるところです。

 今後、教授会や学内懇談会をはじめ、学内ホームページにも掲載し、幅広
くご意見を伺いたいと思っています。

 中期計画については、設置者である道が中期目標を策定することになって
います。
 この目標は今後、道の機関として設置される評価委員会などの意見を聞い
てまとめられることになりますが、その目標に沿って最終的に調整することに
なります。この機会に教員、職員一人ひとりの皆さんが是非、目を通していた
だきたいと思います。
 
       ※                              ※

 文部科学省で現在、科学技術の不正行為を防止するための委員会が設置
され、検討が進められています。これは、研究のねつ造や盗用などが昨今、
問題になり、倫理問題も含めてルールや方向性を考えていこうとするものです。
 これらと同時に、学会や日本学術会議などでも科学者の行動規範を作って
いこうという動きがあります。

 また、近年、企業の情報開示などについても様々な問題があったことを反省
して、行動規範をつくり、それを顧客や株主、取引先など利害関係者に幅広く
公開しています。国立大学法人でもこうした行動規範を策定し、それに基づき
学内の倫理規定などを策定しているところもあらわれてきています。

 本学も法人化しますと北海道という一つの枠組みから独立しますので、学生
の皆さんや患者さま、企業、道民の方々に対して、教員、職員がどう行動する
のか一つの規範を考えていくのも重要かというふうに考えます。今後、学長室
会議などでも議論し、皆さんと方向性を考えていければと思います。
 
 サマータイムの導入実験が今年も札幌市内で開始されました。本学は大学
と病院があるということもあり、実験的な導入参加は難しいものがありますが、
今年は700団体3万人が参加するということです。私自身もどういう成果があ
るか期待しておりますが、北海道の夏というのは非常に清々しいものがありま
す。是非、この季節を大切にしたいものです。