第33号 平成18年4月28日 学長室だより第33号をお届けします。 大学周辺の雪もようやく解けて、長かった冬も終わりを告げ、構内 もすっかり春めいてまいりました。 入学式(※)も終わり、新しく本学の一員になった学生の皆さんも 期待と不安が入り交じっている頃かと思います。彼らが本学で充実 した学生生活を送れるよう教職員の皆様の特段のバックアップ、ご 指導をお願いいたします。 (※)入学式式辞はホームページの〈学長室から〉にあります。 ◎ 大学の法人化まで後、一年です。 大学改革の一貫としての法人化であり、この機会に本学は世界の トップレベルの教育・研究を目指します。 平成18年4月から公立医科系大学では、福島県立医科大学、和歌 山県立医科大学、大阪市立大学、名古屋市立大学の4大学が法人化 し、8大学中、5大学が法人化しております。 国立大学の法人化を契機に、おそらく公立大学も大半は法人化して いく流れかと考えられます。特に公立大学は自治体の行政の枠組み では処理できない制度的課題が多くあるからともいわれます。 例えば財政面では、外部資金をはじめ、教育研究活動には弾力的な 対応が必要なものが多く、また、人事面でも定数といった考え方では 処理できない機動的体制が望まれるからです。 大学間競争の中で、それぞれの大学が使命をもって、個性ある大学 づくりをしていかなければなりません。このためには情報公開をはじめ とする説明責任がそれぞれの大学に課せられています。 このことは、大学そのものが自ら、直接、関係される方々に情報発信 していかなければならないことを意味していると思います。 制度的に困難だからできないというのは、行政の枠組みがあればこそ ですが、法人となれば、どうしてできないかを自らが判断、説明しなけれ ばならないわけで、それだけ責任が大きいものと思います。 現在、大学の中期的な方向性について、全学的な検討を行っています が、これも説明責任の一環であると考えており、皆さんの積極的なご意見 をお寄せ願います。 ◎ 教員組織と任期制の検討について、ご意見をお寄せください。 学校教育法の改正により、教員組織が改正されます。内容につきまして は、一人ひとりの教員の皆さんにも資料を配布することとしておりますが、 これまでの「助教授」という職がなくなり、その変わりに「准教授」と「助教」 という新たな職が加わりました。 また、「助手」については職の定義が変わりました。是非、資料に目を通 していただきたいと思いますが、この改正内容を法人化と並行して大学と してどういった形で、組織に組み込んでいくかも重要な問題かと考えられ ます。 また、任期制の導入の検討についても、経過や方向性についてホーム ページでお知らせしているところですが、これも資料で配布したいと考えて おります。 国立大学では導入しているところが増加しておりますがこれにつきまして も、是非、お考えをお寄せいただければと思います。 ◎ 教育改革プログラムの対応も本格化しています。 昨年度採択された、現代GP「医学研究者・地域医療従事者支援型知財 教育」も本年度から本格化しますが、大学院教育が始まる今週から具体的 に取り組まれます。 私もその中で臨床研究と特許や倫理を巡る問題について講義しましたが、 大学院生の皆さんの関心も高く、何とかこの取組も浸透させていきたいと 考えています。 また、特色ある教育改革の取組の一連の公募が始まっており、「海外先進 教育実践支援」では昨年度の保健医療学部に続き、医学部の「未固定凍結 標本を用いた手術解剖教育の確立」が採択になりました。 私は教育改革プログラムには今後とも、積極的に応募していくことが重要と 思います。 採択されて事業が本格的に取り組まれることも大事ですが、提案のために 教員をはじめ、職員の方も含めて様々な角度から議論することが、教育改革 につながるものと信じているからです。中心になって取り組んでいる教員の 皆さんは大変かと思いますがよろしくお願いします。 ※ ※ 海外研修のアルバータ大学、カルガリー大学それぞれの公募が始まって おります。 今週はそれぞれの大学の先生がお見えになり、私も実り多い研修になる よういろいろな形で、提携大学と協議していきたいと考えておりますので学 生の皆さんも、この機会に是非、応募していただければと思います。 先日、今年の大学祭の実行委員会のメンバーとお会いする機会がありま した。 今回のテーマや開催に向けての抱負を伺いましたが、常々、若い人の感 性には感心させられます。内容はこれから徐々に公開されると思いますが、 私も開催を楽しみにしております。 月末からゴールデンウィークに入ります。行楽地などへ向かう方も多いと 思いますが、交通安全は十分、心がけていただければと思います。 また、休み中、病院など出勤される方は本当にご苦労様です。 ※ ※ 〈お知らせ〉 4月4日、北海道武蔵女子短大でファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を 介した受験者の個人情報の流出がマスコミ等で大々的に報じられました。 このような事故を招くことは大学の社会的信用やイメージを損なうばかりで なく、時として大学の生命線を断つことにもなりかねません。事故の報道を受 け、附属総合情報センターよりWinnyによる情報漏洩の未然防止策の案内が 出され、ホームページ上でも閲覧することができます。 (URL http://web.sapmed.ac.jp/iccc/winny_taisaku.html) 個人情報を取り扱う教職員のみなさまはご参考の上、情報漏洩の未然防止 に取り組まれるようお願いいたします。 |