第32号  平成18年3月28日

 学長室だより第32号をお届けします。

 日増しに春めいてきている中、入学試験の合格発表も終了し、
関係された教職員の皆さんにおかれましては大変ご苦労さまで
した。
 3月17日には卒業式も終了し、医学部95名、保健医療学部
100名、大学院は医学研究科28名、保健医療学研究科20名が
大学を卒業(修了)しました、おめでとうございます。

 本学は地域に立脚した公立大学であり、その卒業生の大半が
北海道各地で根を下ろし、最前線で活躍しております。北海道道民
の期待は非常に大きく、このことを心に深く刻み、新しい門出につい
ていただきたいと思います。
 
◎新しい法人の定款案について道議会に提案されました。

 3月24日(金)に終了した北海道議会において、新しい法人の
定款案が議決になりました。内容についてはこれまで学内でもお
知らせしていたところですが、大学の運営体制といった組織のみ
ならず、附属病院の位置づけや方向性、議会との関係など各般に
わたり議論がありました。

 また、本学で4月に発足する総合情報センターと産学・地域連携
センターを大学の附属機関とする条例が提案され、特に産学・地域
連携センターについては地域との関係について議論がありました。

 議会でも本学のあり方が本格的に議論されているところであり、
今後も新しい法人の姿が具体的になっていくにあたり、より様々な
ご意見があると思われます。
 このことは大学改革がどういった形で進んでいくかが注目されて
いるということです。今後とも法人化の取組について関係されている
教職員の方々のみならず、皆さんのご協力よろしくお願いします。
 
◎公立大学法人の方向性について

 私は常々、公立大学は地域に立脚していることを大事にすべきと
考えています。
 建学そのものは古くは国立大学が対応できない特定領域や不足
している部分を補うような形で発足したといわれています。

 このため、公立大学はそれぞれ地域によって多様性があります。
医療や看護、語学、情報等それぞれ地域に必要とされた大学が設
置されてきた背景があります。本学も建学の精神にあるように「地域
医療と先端的研究」の両輪がありますが、これらがどう地域に還元
されるかを説明していくことが重要になると思われます。

 現在、中期目標、計画のたたき台について学内検討を行っており
ますが、これらを基本に具体的な内容を示していかなければならな
いと考えております。

 政府では地方の大学を地域の知の拠点として地域再生の原動力
としていく方針を固め、18年度からいくつかのメニューを示しており
ます。本学としてもこうした流れを的確にとらえ、地域に対して教育・
研究を通して具体的な事業に取り組んでいくことが必要と思います。

 次に学内の体制ですが、現在、組織や人事の両部会で事務局職
員と教員との関係について議論しているところです。公立大学では
出向職員がほとんどで専門性に欠けるということが多く指摘されてい
るところで、反面、事務局職員は行政に比較してモチベーションが持
ちにくいことがいわれております。

 私は教員と職員は両輪と思っています。教員の教育・研究を行う
環境づくりは事務局職員の仕事ですが、それはお互いの共通理解
によって生まれるものだと思いますし、どういった方向性に向かうべ
きかといった検討も必ずしも教学の立場だけで語られるものではない
と考えます。地域の状況を的確に把握し、受け身の大学ではなく、積
極的に地域に入り大学独自の取組をしていくことも重要なのではない
でしょうか。

 幸い本学も行政のプロフェッショナルである職員の交流人事が行わ
れ、数多くの分野の事務局職員がおります。中期計画の作成にあたっ
ては、教員のみならず、事務局職員の方々も積極的にご意見をお寄せ
いただけたらと思います。
 
     ※                               ※

 3月から4月にかけては、大学にとっても人事異動の季節です。
 今回、青木 藩先生、松本 博之先生、名取 博先生の3名の教授
が定年により退任されます。本当にありがとうございました。

 今後とも、側面的に私たち、大学を応援していただければと思います。

 また、4月1日で事務局の職員の方の異動もあります。今後、大学を
離れても行政の立場から、私たちの気付かない点もご意見、ご提案い
ただき、行政と大学のつなぎ手となって、より良い大学改革の推進を
支援していただければと思います。