第31号  平成18年2月14日

 学長室だより第31号をお届けします。

 多くの観光客で賑わった札幌雪まつりも終わり、北海道も一日、
一日春を迎える季節に入っていきます。学内では推薦入試の発表
も終え、これから前期入試の対応が本格化してきます。関係される
教員、職員の皆さん、よろしくお願いします。

 今回は2月2日に実施した法人化に関する学内懇談会を中心に、
内容をお知らせしたいと思います。
 
◎法人の中期計画について

 公立大学法人は6年間の中期計画を策定し、設置者である北海道
の認可を受けることになっています。

 実際、この計画は設置者の大学の設置目的、大学の建学の理念
に照らし合わせ、設置者が中期目標を策定、公表し、それを受けて
計画を策定することになりますが、私としてはこれまでの学内議論や
自己点検評価の検討等を踏まえ、できるだけ早く教職員の方々が
議論に参加していただくことが重要と考えておりますので、たたき台
のベースで検討委員会の経過を公表し、ご意見を伺おうとするもの
です。

 この中期計画の認可にあたっては、設置者は道の外部委員会とな
る評価委員会の意見を聴くことになっており、計画そのものも道民に
分かりやすいものでなければならないと考えられます。

 国立大学法人の中期計画でも数値目標を示したり、具体的に目標
達成年次を示しているものもあり、本学としても道民の方々への説明
責任をどのようにしていくかを考えていかなければなりません。

 私もこういった意味で、皆さんのご意見を広く募っていきたいと考え
ております。

 私としては「地域医療の発展に貢献する医療人の育成」、「進取の
精神のもと、特色ある分野で世界最高水準の研究を推進」、「健康づく
り、疾病予防の視点に立ったライフサイクルに応じた総合的な地域医
療支援ネットワークの形成」、「最新の診療・研究情報の地域社会への
提供」などが重要な柱になるのではないかと思います。

 現在、ホームぺージで「研究」と「教育」のたたき台を公表しておりま
すが、「教育」面ではアドミッション・ポリシーについて言及と「研究」面
では大学としての重点領域、産学連携の推進に触れていることが特徴
かと思います。

 このほか、附属病院の目標も現在、病院部会で検討されているほか、
本学の「建学の精神」の一つである地域医療をどう位置づけるかも皆さ
んの議論が必要と感じています。

 是非、ホームページで一度、たたき台の内容に目を通していただき、
議論に参加していただければと思います。
 
◎任期制の導入検討について

 現在、人事制度部会を中心に議論されている教員の任期制の検討
状況についてもお知らせしたいと思います。

 学内懇談会でも説明しておりますが、「大学の教員等の任期に関する
法律」がありますが、この法律に基づき、全教員を対象に一定期間の任
期を附した任用制度を導入すべきとの方向で現在、検討中です。

 北海道の医科系大学ではまだ、導入されてはいませんが、全国的に
は導入事例が多く、その効果として組織の弾力性、機動性を重視し、
「人事の活性化」、「意識の高揚、教員の質の向上、教育研究活動の
活性化」が期待できると考えられています。

 任期付き任用についてはいずれにしても本人の同意が必要であり、
導入にあたっては再任における評価方法や同意しない教員への対応
など課題もあります。

 学内懇談会をはじめ、ご意見を伺っておりますが、その中では「教員一
律というわけではなく、職によって導入すべきものは違うのではないか」、
「教員のみならず、職員にも必要なのではないか」という考えも伺ってい
ます。

 いずれにしてもこの件につきましては一人ひとりの身分に関することで
もありますので、広くご意見を伺いたいと思います。

 ホームページで現在の検討状況についてお知らせしておりますので、
是非、ご覧いただければと思います。
 
    ※                               ※

 2月21日(火)15時から記念ホールで、知財教育に関するシンポジウム
を開催します。
 
 元京都大学総長の井村裕夫先生をお招きし、「これからの医学研究と
知的財産」について、ご講演いただきます。

 是非、この機会に教職員の皆さん、学生の皆さん、参加していただけれ
ばと思います。