第27号 平成17年12月8日 学長室だより第27号をお届けします。 街中ではクリスマスソングが流れる時期となり、年末を控え、皆さん におかれましては何かと慌ただしいことかと思われます。新型インフル エンザの流行についても、マスコミ等で取り上げられていますが、予防 にも十分、留意されるようよろしくお願いします。 先日、本学の法人化を進める全庁的な会議である大学改革推進本 部(本部長;吉澤副知事)が開催され、村井事務局長と私が出席して まいりました。そこで、定款案が了承されましたので今回はその内容に ついて報告します。 ◎定款案の取りまとめについて 定款というのは公立大学法人の根本原則であり、地方独立行政法 人法でも必ず規定しなければならない事項が11項目あり、そのような 理由からも法人の特徴を明確に打ち出すことは難しいこともあります。 しかしながら、大学の主体性、自主性の尊重という基本的な考え方も あり、これまでも道との調整の中で学内の意見ができる限り反映される よう私自身も努めてまいりました。 特に学内意見の取りまとめに当たっては、組織運営部会で中心的役 割を果たしていただいた並木教授、當瀬教授、道との調整では道の部 会員として精力的に対応していただいた加納教授、稲葉教授に本当に 感謝申し上げます。 これまでも定款案の素案や道とのやり取りについては、懇談会や学長 室だよりを通じて、触れてきていたところです。その中ではいわゆる法人 と大学との関係の基本原則となる理事長と学長の関係については、国 立大学法人と同様、一体型を選択することとしています。 また、役員体制では、教学以外の業務を担当する副理事長を設置し、 法人化後の安定的な大学運営を確保することとなりました。ただし、全 学懇談会や教授会などでも意見のあった、教学の侵害に対しての懸念 については、そのようなことのないよう私も再三、設置者である道に伝え てまいりました。 ◎ 定款案の内容について 特徴としては、理事会、経営審議機関、教育研究評議会という法人の それぞれの組織の中に学外者を入れることなど、できる限り、幅広い意 見の吸収や透明性の確保などオープンな組織としようとしている点です。 私は常々、公立大学は地域ニーズにより設立されていると考えており ます。道民がどういった大学を望んでいるのか、教員や職員の皆さんそ れぞれが、常日頃から体感する仕組みを作っておくことが重要であると 思います。 他の大学では学外者の参加について異論も多いことは伺っていますが、 私はこうした観点からもこのことは必要と考えています。 法人の名称の問題についてもいろいろと意見があったことと思います。 特に設立団体である「北海道」が入っていないため、本学が対外的に北 海道立であることがわかりにくいという指摘もあり、法人の名称は「北海 道公立大学法人」としたところです。 ただ、保健医療学部が設置されて、医科大学でいいのかという意見も あったことも事実ですので、この問題については、法人化後も検討課題 として皆さんと考えていきたいと思います。 また、道との調整の中で、円滑な法人化移行を図ることが重要というこ とが何度か話題になりました。特例にある最初の理事長については法人 移行前日に学長であるものという国立大学法人と同様の整理となり、また、 移行期間の任期を3年と定めたところです。 ◎ 今後の対応について 今回の定款案は、国との調整や議会の議論を踏まえ、正式なものとなっ ていくものであり、おおむね、今年度中を目途としているところです。 教授会でも提案のあったところですが、私もできる限り、幅広いご意見を 伺いたいと思っていますので、懇談会の開催とあわせて部会により多くの 方の参加をしていただき、身のある法人化ができるようお願いしたいと思っ ています。 また、道民が期待する魅力ある大学として、教育、研究でどういう方向性 をたてて行けばよいのかは計画評価部会が中心となります。新しく18年度 から札幌市立大学や名寄市立大学も看護学(部)科をもつ大学として設置 されることになりましたが、やはり本学は道民にわかりやすいキーワードが 必要なのではないでしょうか。 いち早い準備態勢が必要な病院部会は議論も白熱していると伺ってい ます。法人制度の特徴でもあります機動力や弾力性のある新しい人事制度、 財務会計制度もこれからが本格的な作業になると思います。 ※ ※ 先日、文部科学省の「特色ある教育改革」(現代GP、特色GPなど)の窓口 である、山崎大学改革推進室長ほか2名の方が本学にいらっしゃいました。 地域密着型チーム医療実習の責任者である丸山保健医療学部長とコアグ ループリーダーの相馬助教授とともに、実習に実際に参加された学生の皆さ んと懇談しました。 また、知的財産関連教育ではプロジェクトメンバー(SITE)の主要スタッフ 三高教授と石埜助教授と意見交換が行われました。 今回のこの訪問内容については、今後、文部科学省のホームページ(GP 選定取組実施状況レポート)に掲載されるということです。 |