理事長だより第18号をお届けします。
 本学の新型インフルエンザへの対応についてですが、一昨日の28日から当附属病院の医療従事者へのワクチン接種が始まりました。
  一部報道では、北海道内では既に感染のピークが過ぎたとの見方もありますが、本学の学生の感染者については、未だに途切れていないなど、予断を許さない状況が続いていると認識しています。
  特に多くの重篤患者を抱える附属病院での集団感染を未然に防止するため、ワクチン接種の対象となられている職員の皆様は、早めに接種を済まされますようお願いする次第です。
  それでは最近の本学の動きをお知らせします。

施設改修工事の実施について
  現在、大学では施設の改修が行われていて、騒音や一部施設の利用制限など、学生、教職員の皆さんに不便をおかけしているところです。
  本年度の改修については、平成20年3月に定めた「施設長期保存計画」に基づき計画的に実施しており、大学棟や病院棟などの空調機械の更新や内壁の塗装工事、保健医療学部棟の外壁改修工事、非常用発電設備の更新などの工事のほか、増員された医学部の定員に対応するため、各種実験室の改修、細胞調製施設の整備、解剖実習室のホルマリン対策などが臨時的に施工されました。
 厳しい財政状況ではありますが、今後とも、着実に本学の教育環境の改善に取り組んでいきたいと考えています。

本学の最先端の研究について
   今週の月曜日26日夜7時30分からNHK総合テレビの「クローズアップ現代」で、最新のがんワクチンの研究事例が紹介され、本学でも、病理学第一講座の佐藤昇志教授や鳥越准教授がインタビューに応じられていました。
  番組では、今までのがん治療とは異なり、患者自らの免疫を活用するワクチン研究の最前線が取り上げられていましたが、これらの研究は、大変画期的である一方で、莫大な治験費用が研究推進の大きな課題になっていることが紹介されました。
  全国ネットの番組で、本学が最前線の研究の現場のひとつとして紹介されたことは大変誇りに思いますが、番組で佐藤教授も述べられていたように、研究資金不足は大変深刻な問題となっています。アメリカでは、国や民間NPO等から潤沢な研究資金が確保されている一方、日本では研究者が自ら資金確保に奔走しなければなりません。番組の中でスタジオゲストの鳥越俊太郎氏が、ダムをやめて、がんワクチンの研究に国の資金を投入すべきだとういう趣旨の発言をされていましたが、最先端医療の研究への資金投入は、国民の生命財産を守るための、最も重要な国策のひとつであることは疑問の余地のないところでしょう。


  今週は、急に冷え込みが強くなり、木枯らしが、本学の遊歩道の街路樹をすっかり秋色に染めてしまいました。
  11月の上旬には、初雪の便りも届きそうな気配です。くれぐれも体調管理に留意され、風邪、新型インフルエンザ、季節性インフルエンザなど召しませんように。